演題「画商が見たマスオ版画の魅力 そのスター性
期日:2010年6月13日(日)14時~
会場:富山県立近代美術館ホール
20100429池田満寿夫展 表20100429池田満寿夫展 裏

先日、富山県立近代美術館に呼ばれて池田満寿夫さんの版画についてしゃべってきました。

20100619北日本新聞 富山近美講演
北日本新聞 2010年6月19日
*画面をクリックすると大きく拡大し、鮮明になります。
会場(90名ほどが参加してくださった)に記者さんがいたようで、私のとりとめのない漫談を上手にまとめてくれました。
私自身は個別には取材は受けていませんが、間違いもなく概ね正確です。
前日、池田さんのパートナーだった佐藤陽子さんのヴァイオリン演奏+トークがあり大盛況だったようで、まあ二日連続いらっしゃる方もないだろうから、聴衆は数人かもねと社長と話していました。「数人」というのは根拠があり、福井県勝山からお客さまのAさん夫妻が事前に「行くからね」とご連絡をいただいていたからです。
会場には旧知の富山の画廊主Tさんや、母校高崎高校の後輩で富山在住のNさん夫妻など懐かしい顔もあり、嬉しいやら恥ずかしいやらの一時間でした。
収穫は、池田さんの代表作を300点見られたことに加え、美術館2階にある瀧口修造記念室で瀧口修造のデカルコマニーや、さまざまなコレクションをじっくり拝見できたことです。
お昼は名物の氷見うどんをおいしくいただきました。

今回下準備というほどでもないのですが、池田さんの詳細な年譜を作ってみました。
私は、作家や作品について自分の考えをまとめるときには、作品とともにその作品がいつ頃、どういう状態のときに制作されたのかを考えます。
誰かがつくった年譜ではなく、自分自身で資料を渉猟して年譜をつくります。
5月に弘前で前川建築について話したときも、事前に前川國男の詳細な年譜をつくって予習しました。
今回、池田さんの年譜をつくってみて、つくづく思ったのは、あれほど自分のことを語るに雄弁で膨大な著書を残し、かつ雑誌の特集や展覧会のカタログなども多いのに、池田さんの正確な年譜、評伝類が意外に少ないのですね。
また「池田満寿夫論」も後年になるほど少ない。平凡な評論家では、論客の池田さんにはちょっとやそっとのことでは歯が立たないと思ったのかも知れません。
唯一面白かったのは、宮澤壮佳さんの『池田満寿夫ー流転の調書』(玲風書房)でした。さすが元「みづゑ」の名編集長だけあって池田さんによりそいつつも多くの資料を網羅点検し、池田さんの自伝の誤りなどを丁寧に修正しています。たいへん参考になりました。

せっかくですから、亭主の好きな池田さんの1960年代の名作をご紹介しましょう。

池田満寿夫「ボーリングする貴婦人」池田満寿夫「ボーリングする貴婦人たち」 
1964年 銅版 36.3×33.8cm 
Ed.20 サインあり *レゾネNo.452


セール/池田満寿夫池田満寿夫「四つの手」 
1965年 銅版  36.5×34.0cm 
Ed.30  サインあり *レゾネNo.379


07_MasuoIkeda_Nijiwonomu池田満寿夫「虹を飲む女」 
1965年 銅版  34.0×36.5cm 
Ed.30 サインあり *レゾネNo.496


06_MasuoIkeda_Machine池田満寿夫「ミシンのような翼」
版画集『天使の時間』より
1964年 銅版 11.8×11.0cm 
Ed.30 サインあり *レゾネNo.457


池田満寿夫「空の寝台」池田満寿夫「空の寝台」 
1969年 銅版 36.5×36.6cm 
Ed.50 サインあり *レゾネNo.482


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