ジョック・スタージス新作写真展を開催します。

会期:2010年8月10日[火]―8月21日[土](会期中無休
スタージス展案内状
2年ぶりの新作展ですが、2008年と2009年にフランスのモンタリヴェやラ・ジェニーで撮影されたカラー最新作約20点を展示いたします。既にホームページに出品リストを掲載しています。
肖像権他の関係で大きな画面での掲載はできませんが、ご興味のある作品については、遠慮なくお問合せください。
毎年、美しい自然の中で夏を過ごすナチュリストたち、年齢を問わず、彼らの目には自信が溢れていて、こちらに「なぜ、ここへ来ないの?」と問いかけてきます。スタージスのカメラは、被写体と常に向き合っていて、お互いが認め合い、尊重しあった上でモデルの持つ魅力を引き出して見せてくれます。


●新作展に寄せて、ジョック・スタージスさんからのメッセージが届きました。

Jock Sturges portrait 私の作品が日本で発表されることに、たいへんな喜びを感じています。日本の文化には、すべての芸術的なものに対して大きな敬意と愛情があります。日本の芸術写真は、世界において、常に、最も美的で洗練されたものの中にあります。すでに多くの芸術作品によって教育を受けた観客の前に、私の作品が展示されることは、非常に名誉なことです。
 幼年期の短い間の美しさは、悲しみと期待に満ち溢れています。私がカメラと共に仕事をしているとき、私の目の前にあるものが、ほんの短い時間に取り返しがつかないほど変えられてしまうことをいつも意識しています。私には二度目のチャンスは来ないであろうことを思うと、このことは、私ができるだけ完璧な写真を作ることを促す力となっています。私が瞬く──すると、一週間、一ヶ月、一年が過ぎて行き、すべてのものが変わっていく。私は、毎年毎年同じモデルたちと仕事を続けていて、彼女たちの元に戻るたびに、その美しさに一層、磨きがかかっていることを発見します。そこには変化が生まれています。そして私は、再びそれを捉えるときに同じ切迫さにかられ、またとり付かれてしまいます。仕事をしているとき、いつも非常に集中させられますし、驚かされます。そして、なんと楽しいことか!
もちろん、どんな写真でも人を完璧に捉えることはできません。確かに、私の作品もそうです。でも、私は完全さを探し求めています。写真の全体に渡って、すべての写真のなかに……そして、重要なことですが、写真と写真の間にある世界のなかにも。私が使っている大型カメラ(20x25cmのフィルムを使う古いコダック・ビュー・カメラ)は、重くて高価で不便です。しかし、私にはこのカメラしかありません。運が良ければ、それは驚くほど精細で、魔法と見まごうような豊かなディテールのイメージを作ります。
 時々、その大きなフィルムから作ったプリントの前に立っていると、まるで本物のモデルの前にいるように思えることがあります! それは、これらの美しい人たちと、光の中にただ一緒にいる私の仕事の中で、最も素晴らしい喜びを、私に運んでくれます。それが、私の最も幸福であるところです。
ジョック・スタージス

ジョック・スタージス(Jock Sturges)は、1947年ニューヨーク生まれ。マールボロ大学およびサンフランシスコ・アート・インスティテュートで写真を専攻。北カリフォルニアやフランスのビーチでヌーディストの家族のポートレートをその美しい自然の中で撮り続けている。8×10の大型カメラで撮影されたモノクロームおよびカラーのプリントは、少女の清冽な美しさ、家族の愛情、自然の詩情を湛えた作品として高い評価を得ている。

◆本展に関連して、写真研究者の小林美香さんにブログで連載エッセイ(3回)の執筆をお願いしています。第一回は8月11日に掲載します。ご期待ください。
小林さんは、内外の各種学校・機関で写真に関するレクチャー、ワークショップ、展覧会を企画し、雑誌に寄稿するなど活躍されています。

◆ときの忘れものは通常は日曜・月曜・祝日は休廊です。企画展の開催中は会期中無休です。

◆今月のWEB展は、7月16日~8月15日まで「永井桃子展」を開催しています。

◆ときの忘れものはtwitter始めました。