今春、広尾にオープンした「1223現代絵画」という小美術館で、「FACES ; 小野隆生、永瀬武志、名知聡子、三輪美津子」展が開催されています。
コレクターがご自分の集めたものを自前の空間で公開する例は、先日もご紹介(ギャラリー古今)しましたが、広尾という都心の一等地にいきのいい現代美術を見せる全く新しい空間が誕生したことは特筆すべきことで、オーナーのK氏は「日本の若い作家たちを支援できれば」とおっしゃっています。
小野隆生さんを選んでいただいたことはとても嬉しいので、早速イタリアに電話したのですが、例によって「あっそう」とクールなお返事でした。

下記の案内には触れていませんが、会場の一隅にKさんの初期のコレクション、東郷青児の佳品がかかっています。お見逃しなく。


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「FACES ; 小野隆生、永瀬武志、名知聡子、三輪美津子」
会期:2010年9月2日(木)~10月31日(日)
会場:1223 現代絵画 - Contemporary Painting Museum -
〒150-0012 東京都渋谷区広尾 5-19-4 SR広尾 B1
TEL 03-6450-4200
E-mail info@gendaikaiga.com
URL http://www.gendaikaiga.com
開館時間 12:00 - 19:00
休館日 月・火曜日
入館料 500 円

長い間人間の様々な顔の表情をとらえ、描かれてきたポートレートは、作家達にとって重要なモチーフです。そうした中で、無機質で無表情に見える「顔」、強い存在を感じさせる「顔」、何かを言いたげな「顔」等を集めました。

確かな画力とテンペラ画手法による肖像画を一貫して制作している小野隆生氏は、1971年からイタリアに在住し、制作を続けています。国立ローマ美術学校・フィレンツェ美術学校・国立ローマ中央修復研究所絵画科で学びました。2004年に資生堂ギャラリーでのグループ展に参加し、2005年には茨城県近代美術館での洲之内コレクション展に参加しました。

永瀬武志氏は、2002年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業制作にて福沢一郎賞を受賞し、同年、トーキョーワンダーウォールでも入選しています。また、国内外のアートフェアにも出品されています。エアブラシを使用し、髪の毛一本一本まで丁寧に、瑞々しく描かれる女性達からは、まるでリアルな人の温かさが伝わってくるかのようです。

名知聡子氏は、現実に起きた出来事から生み出される自身の考察や感情を、大画面に描き出すことによって、彼女の表現を展開しています。そうして描かれた人物の表情からは、誰もが味わったことのある普遍的な感情に改めて気付かされます。2005年に名古屋芸術大学美術学部を卒業し、2008年に東京オペラシティーアートギャラリーでの「プロジェクトN」にて紹介され、2009年には熊本市現代美術館でのグループ展に参加しました。今回は、2010年のVOCA展に出品された、初めて描かれた男の子の作品を展示します。

三輪美津子氏は、1981年に愛知県立芸術大学デザイン学部を卒業し、1995年にVOCA賞を受賞しました。その後、ベルリンとストックホルムにてアーティストレジデンスを経験しました。独特のモチーフと常に新しい表現を模索しつつ制作を続けています。今回の展示では、アンディー・ウォーホル氏の「僕を知りたければ作品の表面だけを見てください。裏側には何もありません。」という一言から描かれた作品を展示します。また、今年の12月から始まる神奈川県立近代美術館葉山館でのグループ展にも出展します。

世代、手法の異なる4人が描く「FACES」を是非ご高覧下さい。(同館HPより)