年末恒例の謝恩セール「The Gift あなたへ、わたしへ」は昨日、終了しました。
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事前の価格の問合せは、今までで一番多く、結果も上々でした。
個々の作品について可能な限り丁寧なご説明を心がけたつもりですが、問合せが集中したため亭主の手が回らなかった点もあり、申し訳なく思っています。
年に二度のこのセールを楽しみにしているお客様がこんなにいらっしゃるのかと感激しました。
おかげさまで年末の資金繰りの目途も何とかたち、社長の顔にも久しぶりに笑顔が。
ご来廊いただいた皆さん、ネットでお買い上げくださった皆さん、ありがとうございました。

瑛九、磯辺行久、オノサト・トシノブ、山口長男、北川民次、内間安王星、高松次郎、草間彌生、アンディ・ウォーホル、クリストなどなど、ときの忘れものの定番作品はもちろん、松本竣介、白髪一雄など高いものから順に売れて行きました。
むしろ、思い切って安い価格を設定した1万円から数万円の作品がほとんど売れなかったのは誤算で今後の反省材料でした。お客様の求めるものと、私どものセレクションがちょっとずれていたのかも知れません。セールのあり方を考え直さねばならないと思いました。

最もショックだったのは写真作品の不振でした。
ときの忘れもののコレクション、及び幾人かのコレクターのご協力で相当レベルの高い作品を出品したと思い込んでいたのですが、最終日夕方までに売れたのは、細江英公先生のたった一点のみ。
写真担当の三浦の顔がひきつって、こりゃああかんわと亭主もあきらめの境地でしたが、もう店仕舞いという時刻に来廊されたイギリス人コレクターが、余りの安さに驚きつつ細江英公、蜷川実花、北野謙、北井一夫(全て10万円以下)をぱっぱっぱっと決めてゆかれました(ホッ)。
全敗は免れましたが、私たちが写真に関しては圧倒的に力不足で、自前のお客様を持っていないことを身にしみて痛感しました。
亭主はよくお客様に向かって「買ってくれなきゃ、遊んでやんない」などと脅していますが(ウソです)、写真に関しては手も足も出ない。お客様を説得する力に欠けていたといわざるを得ません。60の手習いを本気で開始しなければなりませんね。来年の課題です。

お買い上げいただいた皆さんへの作品の発送作業は火曜日から順次いたしますので、しばらくお待ちください。
先日も予告した通り、諸々の事情で集まってしまったいくつかの作品群が倉庫にうず高く積まれているのですが、通常の企画展や販売ルートなどで頒布できる限界をこえています。
従来は年2回の特別セールでしたが、来年は春夏秋冬、年4回ほど開催し、これらコレクションの中から筋の良い作品のみを厳選してお客様に廉価で提供して行きたいと考えています。
そんなわけで、次回は2月末から3月初旬に予定しています。
今回同様、どうぞご贔屓に願います。

さて、セールの好成績に安閑としているヒマはありません。
いよいよ2010年の最後を飾る企画「エドワード・スタイケン写真展」を15日(水)から開催します(25日まで会期中無休)。
スタイケン案内状600
エドワード・スタイケンは、20世紀のアメリカの写真にもっとも大きな影響を与えた写真家であるだけでなく、キュレーターとして数々の写真展を企画し、写真界の発展に多大な貢献をしました。
はじめヨーロッパ美術の影響を受けたピクトリアル(絵画的)写真を発表し、若くしてその存在を知られるようになります。
1904年の作品"The Pond-Moonlight"は、2006年のオークションで約3億5千万円という1枚の写真作品としては最高金額で落札され、いまだにその記録は破られていません。
第一次世界大戦で陸軍の航空写真班として従軍したことから、戦後は、シャープなストレートフォトになり、カメラの機能を駆使した実験的な作品にも取り組みます。
1923年コンデナスト社と契約し、『ヴォーグ』や『バニティ・フェア』のためにファッション写真を撮ったほか、広告写真でも第一人者となり、当時もっともギャラの高い写真家といわれました。1911年に『Art et Decoration』に掲載された、スタイケンによるポール・ポワレがデザインしたガウンの写真は、歴史上初めてのファッション写真と見なされており、1920年代からのライティングを駆使したファッションやポートレート写真は、後進の写真家の手本となりました。
1947年ニューヨーク近代美術館の写真部門のディレクターに就任し、1955年に開催された写真展「ザ・ファミリー・オブ・マン」展は、世界38ヵ国を巡回し、900万人が見たといわれます。

今回のときの忘れものの展覧会は、1986年と1987年に写真家のジョージ・タイスによってオリジナルネガからプリントされ、出版されたポートフォリオから、1920年代か30年代の作品を中心に、ヌード、ファッション、風景、ポートレートなど17点を選び展示いたします。
発表価格は10万円~30万円です。ぜひこの機会に古典ともいうべきスタイケンの写真作品をコレクションに加えてください。
出品リストは、既にホームページに掲載しましたのでご覧ください。

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