「エドワード・スタイケン写真展」出品写真のご紹介(3)
15日から開催中の「エドワード・スタイケン写真展」は本日も開いていますので、ぜひお出かけください。
今回は、入口を入って右奥の壁に展示されている6点をご紹介します。

スタイケンは生涯で三度結婚しています。最初の妻クララとは1903年に結婚し、22年に離婚します。その翌年、再婚した相手が、この草むらに横たわる女性ダナで、1957年に白血病でダナが亡くなるまで34年間連れ添います。その3年後の1960年、スタイケン80歳で三度目の結婚をしたジョアンナは、当時26歳でした。ジョアンナは、スタイケンの没後、作品を美術館や研究機関に寄贈するなど、スタイケンの評価を高めるための活動を行い、今年77歳で亡くなりました。

エドワード・スタイケン Edward STEICHEN
"The Blue Sky, long Island, New York"
1923年(1987年プリント)
ゼラチンシルバープリント
24.1×18.7cm Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
税込価格262,500円(シート)
この作品のモデルの詳細は不明ですが、Webで調べたら1923年のマジェスティック号の乗船名簿にその名前がありました。当時17歳でしたので、この作品が撮影された1924年は18歳ということになります。そして、この三年後、結婚して三人の子供の母親となりました。逆光によって浮かび上がる輪郭や画面の中に広がる光、そして、彼女の端正な横顔は、まるでおとぎ話に出てくるお姫様のような美しさです。

エドワード・スタイケン Edward STEICHEN
"Miss Fanny Haven Wicks, Newport, Rhode Island"
1924年(1987年プリント)
ゼラチンシルバープリント
24.0×19.0cm Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
アグネス・メイヤーは、新聞New York Sunが、記者として採用した初めての女性で、その後、パリのソルボンヌ大学で学んでいるときにスタイケンと知り合います。その友情は半世紀に及びました。アグネスは、後にワシントン・ポストの社主になる億万長者のユージン・メイヤーと結婚します。

エドワード・スタイケン Edward STEICHEN
"Angnes Meyer"
(1987年プリント)
ゼラチンシルバープリント
24.2×19.2cm Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
多重露光を使った実験的な写真です。男性は、コンラッド・ファイト(1893-1943)というドイツ生まれの俳優で「カリガリ博士(1919)」「バグダッドの盗賊(1940)」「カサブランカ(1942)」などの映画に出演しています。また、女性のほうは、メキシコ生まれの女優ルペ・ベレス(1908-1944)です。ダグラス・フェアバンクスの「ガウチョ(1927)」などに出演しましたが、スキャンダルのほうが取り沙汰されることが多く、自殺で亡くなります。ミステリアスなファイトに、明るく笑うベレス、それに草むらがオーバーラップして実に不思議な幻想世界を構築しています。

エドワード・スタイケン Edward STEICHEN
"Conrad Veidt and Lupe Velez, Hollywood"
1928年(1986年プリント)
ゼラチンシルバープリント
33.5×27.0cm Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
セーヌ川のほとりでやけに格好をつけて立つこの人物は、エドワード・ゴードン・クレイグ(1872-1966)という舞台演出家であり、俳優であり、プロデューサーでもある人で、『劇場の芸術』(1905)という舞台演出についてのエッセイは大きな反響を呼びました。それまで足元から照らしていた照明を天井からに変えるなど様々な改革を行いました。その自信に満ちた姿を劇場的な背景を使ってダイナミックなポートレートにしています。

エドワード・スタイケン Edward STEICHEN
"E. Gordon Craig, Paris"
1920年(1987年プリント)
ゼラチンシルバープリント
33.6×26.4cm Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
カール・サンドバーグ(1878-1967)は、三度ピュリッツアー賞を受賞した詩人、ライターとして知られていますが、ここではスタイケンの妹の夫であり、「ファミリー・オブ・マン」展の共同キュレーターとご紹介しておきます。知的で一徹さを感じさせる風貌を端正に捉えたポートレートです。

エドワード・スタイケン Edward STEICHEN
"Carl Sandburg, Umpawaug, Connecticut"
1930年(1987年プリント)
ゼラチンシルバープリント
32.6×26.4cm Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
*画廊亭主敬白
スタイケンの出品作17点全ての解説を書いているのはときの忘れもの最強の写真スタッフ三浦ですが、亭主は気楽にもどこかの本(日本語)を読んで紹介しているのかと思っていたら、とんでもない、日本語文献はほとんどないらしい。
英語の文献やらネットを渉猟して情報やエピソードを集め、翻訳して、スタイケンの人間関係相関図をつくり・・・・・ いや我が部下ながらたいしたもんだ!
◆ときの忘れものは、2010年12月15日(水)~12月25日(土)まで「エドワード・スタイケン写真展」を開催しています(会期中無休)。

エドワード・スタイケンは、20世紀のアメリカの写真にもっとも大きな影響を与えた写真家であるだけでなく、キュレーターとして数々の写真展を企画し、写真界の発展に多大な貢献をしました。
1986年と1987年に写真家のジョージ・タイスによってオリジナルネガからプリントされた、1920年代か30年代の作品を中心に、ヌード、ファッション、風景、ポートレートなど17点を選び展示いたします。
ぜひこの機会に古典ともいうべきスタイケンの写真作品をコレクションに加えてください。
出品リスト及び価格はホームページに掲載しています。
◆今月のWEB展は、12月16日から2011年1月15日まで「根岸文子展」を開催しています。
根岸さんは昨2009年はVOCA展に選ばれ、今春2010年6月にはマドリッドで個展を開催するなど内外で活躍しています。
◆ときの忘れものは通常は日曜・月曜・祝日は休廊ですが、企画展の開催中は会期中無休です。
年内は12月28日(火)まで営業し、12月29日~2011年1月4日まで冬季休廊いたします。
新年は2011年1月5日(水)より開廊します。
15日から開催中の「エドワード・スタイケン写真展」は本日も開いていますので、ぜひお出かけください。
今回は、入口を入って右奥の壁に展示されている6点をご紹介します。

スタイケンは生涯で三度結婚しています。最初の妻クララとは1903年に結婚し、22年に離婚します。その翌年、再婚した相手が、この草むらに横たわる女性ダナで、1957年に白血病でダナが亡くなるまで34年間連れ添います。その3年後の1960年、スタイケン80歳で三度目の結婚をしたジョアンナは、当時26歳でした。ジョアンナは、スタイケンの没後、作品を美術館や研究機関に寄贈するなど、スタイケンの評価を高めるための活動を行い、今年77歳で亡くなりました。

エドワード・スタイケン Edward STEICHEN
"The Blue Sky, long Island, New York"
1923年(1987年プリント)
ゼラチンシルバープリント
24.1×18.7cm Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
税込価格262,500円(シート)
この作品のモデルの詳細は不明ですが、Webで調べたら1923年のマジェスティック号の乗船名簿にその名前がありました。当時17歳でしたので、この作品が撮影された1924年は18歳ということになります。そして、この三年後、結婚して三人の子供の母親となりました。逆光によって浮かび上がる輪郭や画面の中に広がる光、そして、彼女の端正な横顔は、まるでおとぎ話に出てくるお姫様のような美しさです。

エドワード・スタイケン Edward STEICHEN
"Miss Fanny Haven Wicks, Newport, Rhode Island"
1924年(1987年プリント)
ゼラチンシルバープリント
24.0×19.0cm Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
アグネス・メイヤーは、新聞New York Sunが、記者として採用した初めての女性で、その後、パリのソルボンヌ大学で学んでいるときにスタイケンと知り合います。その友情は半世紀に及びました。アグネスは、後にワシントン・ポストの社主になる億万長者のユージン・メイヤーと結婚します。

エドワード・スタイケン Edward STEICHEN
"Angnes Meyer"
(1987年プリント)
ゼラチンシルバープリント
24.2×19.2cm Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
多重露光を使った実験的な写真です。男性は、コンラッド・ファイト(1893-1943)というドイツ生まれの俳優で「カリガリ博士(1919)」「バグダッドの盗賊(1940)」「カサブランカ(1942)」などの映画に出演しています。また、女性のほうは、メキシコ生まれの女優ルペ・ベレス(1908-1944)です。ダグラス・フェアバンクスの「ガウチョ(1927)」などに出演しましたが、スキャンダルのほうが取り沙汰されることが多く、自殺で亡くなります。ミステリアスなファイトに、明るく笑うベレス、それに草むらがオーバーラップして実に不思議な幻想世界を構築しています。

エドワード・スタイケン Edward STEICHEN
"Conrad Veidt and Lupe Velez, Hollywood"
1928年(1986年プリント)
ゼラチンシルバープリント
33.5×27.0cm Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
セーヌ川のほとりでやけに格好をつけて立つこの人物は、エドワード・ゴードン・クレイグ(1872-1966)という舞台演出家であり、俳優であり、プロデューサーでもある人で、『劇場の芸術』(1905)という舞台演出についてのエッセイは大きな反響を呼びました。それまで足元から照らしていた照明を天井からに変えるなど様々な改革を行いました。その自信に満ちた姿を劇場的な背景を使ってダイナミックなポートレートにしています。

エドワード・スタイケン Edward STEICHEN
"E. Gordon Craig, Paris"
1920年(1987年プリント)
ゼラチンシルバープリント
33.6×26.4cm Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
カール・サンドバーグ(1878-1967)は、三度ピュリッツアー賞を受賞した詩人、ライターとして知られていますが、ここではスタイケンの妹の夫であり、「ファミリー・オブ・マン」展の共同キュレーターとご紹介しておきます。知的で一徹さを感じさせる風貌を端正に捉えたポートレートです。

エドワード・スタイケン Edward STEICHEN
"Carl Sandburg, Umpawaug, Connecticut"
1930年(1987年プリント)
ゼラチンシルバープリント
32.6×26.4cm Ed.100
裏にプリンターと遺族のサインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
*画廊亭主敬白
スタイケンの出品作17点全ての解説を書いているのはときの忘れもの最強の写真スタッフ三浦ですが、亭主は気楽にもどこかの本(日本語)を読んで紹介しているのかと思っていたら、とんでもない、日本語文献はほとんどないらしい。
英語の文献やらネットを渉猟して情報やエピソードを集め、翻訳して、スタイケンの人間関係相関図をつくり・・・・・ いや我が部下ながらたいしたもんだ!
◆ときの忘れものは、2010年12月15日(水)~12月25日(土)まで「エドワード・スタイケン写真展」を開催しています(会期中無休)。

エドワード・スタイケンは、20世紀のアメリカの写真にもっとも大きな影響を与えた写真家であるだけでなく、キュレーターとして数々の写真展を企画し、写真界の発展に多大な貢献をしました。
1986年と1987年に写真家のジョージ・タイスによってオリジナルネガからプリントされた、1920年代か30年代の作品を中心に、ヌード、ファッション、風景、ポートレートなど17点を選び展示いたします。
ぜひこの機会に古典ともいうべきスタイケンの写真作品をコレクションに加えてください。
出品リスト及び価格はホームページに掲載しています。
◆今月のWEB展は、12月16日から2011年1月15日まで「根岸文子展」を開催しています。
根岸さんは昨2009年はVOCA展に選ばれ、今春2010年6月にはマドリッドで個展を開催するなど内外で活躍しています。
◆ときの忘れものは通常は日曜・月曜・祝日は休廊ですが、企画展の開催中は会期中無休です。
年内は12月28日(火)まで営業し、12月29日~2011年1月4日まで冬季休廊いたします。
新年は2011年1月5日(水)より開廊します。
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