大竹昭子さんから、新年のメッセージ

大竹昭子

 今年は「レンズ通り」を歩きます。

 昨秋、30年前にニューヨークで撮影したネガの箱を開けてみた。カビだらけではないか、いや溶けてしまってもうないのではないか、と見るのも恐ろしかったが、さいわい無事で詰めていた息をふっと緩めたのだった。
 箱の封印を解いたのは小さな写真展をするためだった。18点を選んで焼き直したのだったが、その作業によってあの街で知ったモノクロ写真のおもしろさが再燃した。意外だった。熾火が残っていたのだ。
 新年から、当時の写真を一点ずつ取りあげながら月例エッセイを連載する。カメラをたずさえて歩いてきた私と街と写真のあいだには「レンズ通り」が走っている。いまも途切れずにひっそりと通っているその道をスタート地点からたどり直してみようと思う。エッセイのタイトルは「レンズ通り午前零時」。1月15日午前零時から歩きはじめる。
(大竹昭子・文筆家)

大竹 昭子(おおたけ あきこ)
■カタリココ:http://katarikoko.blog40.fc2.com/
■書評空間:http://booklog.kinokuniya.co.jp/ohtake/
■つぶやき:http://twitter.com/katarikoko

1

NY13_600

NY17_600


*画廊亭主敬白
昨年、植田実さんの初個展の折に「ギャラリートークのお相手はどなたをお招びしましょうか」と聞くと間髪を入れず返ってきたのが「大竹さんにお願いして」。
エッセイ、対談、小説、書評、そして写真家、多彩な才能を持つ人が遂に、ときの忘れものでの個展を視野に、ブログで連載を開始します。
第一回掲載は1月15日です