天の川を見なくなってどのくらいたつでしょうか。
子供の頃、亭主の育った群馬県嬬恋村の夜は一寸先も見えない闇がありました。
天気の良い日は見上げれば満天の星。天の川がほんとうの川のように大きく空を覆っていました。
毎晩、母に星座の位置を教えられたものでした。
小学校一年だったか、近所のお兄さんに「星の実際の形は★型ではなくて、丸いんだ」と教えられたときの驚きは今でも忘れられません。
今日は七夕。
7月7日生まれの画家といえばマルク・シャガール。
1987年7月のちょうど今頃、英語すらできない亭主はなぜかフランスのニースにある国立マルク・シャガール聖書のメッセージ美術館で開かれたシャガール生誕100年記念展に招かれてそのオープニングに出席していました。それにいたる経緯を書き出すと長くなるので割愛しますが、とにかくフランスに頻繁に出かけシャガールに入れ込んだ時期があります。だからシャガールに関してはいささかうるさい。
そんなとき、スイスまで足を伸ばして大好きなセガンティーニ美術館を訪れたのも楽しい思い出です。

東日本大震災で、中止になった展覧会も少なくありませんが、中でも一番残念だったのは、「アルプスの画家 セガンティーニ ―光と山―」が中止になったことです。
201104セガンティーニ展
予定では、2011年4月29日(金・祝)~7月3日(日)まで損保ジャパン東郷青児美術館で開催されるはずでした。

<ジョヴァンニ・セガンティーニ(1858-99年)は、アルプスの風景を描いた画家として知られています。故郷イタリアで活動した初期には、フランスの画家ミレー譲りのスタイルで農民生活などを題材にしました。後にスイスのアルプスに魅せられ、澄んだ光より高い山地へ転居しながら、雄大なアルプスを舞台にした作品に取り組みます。次代の前衛美術に貢献する新印象派風の明るく細かいタッチの色彩技法もこのころ確立しました。さらに晩年には、母性・生・死などのテーマで象徴主義の代表画家となります。本展では、スイスのセガンティーニ美術館をはじめ国内外の所蔵作品より、初期から晩年をとおして画家の全貌を紹介。
国内33年ぶりの回顧展となる>はずでした(<>は同館のHPより引用)

追記
同展は2011年7月16日(土)~2011年8月21日(日)に佐川美術館で開催されます。

33年前の展覧会はもちろん見ていますし、カタログも大事にとってあります。
亭主秘蔵の銅版画をご紹介しましょう。
セガンティーニ銅版

ゴッタルド・セガンティーニ
「湖を渡るアヴェマリア」
 銅版  37.5×29.0cm
 Signed

セガンティーニ美術館にて「
美しい湖のほとりに建つセガンティーニ美術館にて。

41歳で亡くなったジョバンニ・セガンティーニ(Giovanni SEGANTINI 1858~1899)は、実は版画の制作はありません、
彼の息子たちマリオとゴッタルドの手によって父の死後、20世紀の前半10年間に多くの銅版画が制作されました。いずれも父ジョバンニ・セガンティーニの代表作を版画化したものです。
セガンティーニのオリジナル(油彩)はめったに市場に出ないし、出ても高くて手が届かない。
セガンティーニのファンにとっては、息子たちのつくった版画は巨匠のイメージを共有できるかけがえのない作品なのですね。

さて、7月5日から始まった山田陽展の展示とオープニングのスナップです。

展示風景
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オープニング
長身のナイスガイが山田さんです。
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Line1_lilyGrass1107Tokyo_Select018山田陽
《Line1_Lily Grass_Untitled》(13)
2009年撮影(2011年プリント)
Fiber Print, Gelatin Silver Print
50.8x40.6cm Ed.10
サインあり

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◆ときの忘れものは、2011年7月5日[火]―7月16日[土]「山田陽写真展 Line1_Lily Grass」を開催しています。
山田陽写真展案内状600
ニューヨークで活躍する山田陽は、ファッション誌などの撮影の傍ら、自らLily Grassをアレンジし、その美しいラインを写し取った作品を制作しています。

ブログの連載「山田陽のエッセイ」をどうぞお読みください。
山田陽さんの在廊時間は、
7月8日(金)、9日(土)、10日(日)=1時から5時。
最終日7月16日(土)=2時から7時。
ニューヨークの話、作品の制作についてなど直接作家と話してください。お待ちしています。
今月のWEB展は菅井汲展です。