ときの忘れものは来週末2月4日(土)まで「銀塩写真の魅力Ⅲ/裸婦は美しい」を開催しています(会期中無休)。
初日の昨日は、夕方から「第8回写真を買おう!! ときの忘れものフォトビューイング」を開催し、小林紀晴先生を迎えてホストの原茂さんの司会で熱いビューイングを参加者に楽しんでいただきました。
これについては、後日作品とともにご紹介しましょう。




先日、アメリカの写真用品の巨人イーストマン・コダックの経営破綻をお伝えしました。
デジタルに敗れたアナログを象徴する出来事ですが、ニューヨーク五番街のカメラ店に取材した東京新聞の記事にはコダックのカラーフィルムを「今は写真を趣味にする人ぐらいしか買っていかない」という店主の言葉があります。
言い得て妙、もはやアナログ写真はアートと趣味の世界でしか生き残れない。

今回の展覧会はシリーズ企画<銀塩写真の魅力>の第一回、第二回に続いて三回目ですが、裸婦(ヌード)をテーマに15点を選び展示しています。
五味彬先生によれば「銀塩はフィルムも立体」、まさに人体の奥深い魅力を表現するには銀塩写真(ゼラチン・シルバー・プリント)こそふさわしい。
出品作品からモノクロ写真に手彩色した独特の色彩作品で知られるヤン・ソーデックの作品をご紹介します。
古い地下室の朽ちかけた壁に投影したイメージをバックに少女や熟年のモデルを配して特異な世界を展開するソーデックの写真はときにはグロテスクにも見えますが、あるものをただ写すのではなく、自らの伝えたいメッセージを様々なテクニックを駆使して創りあげる姿勢には一貫したものがあります。6人の兄弟を強制収容所で亡くすという悲劇を経験したソーデックがプラハで初個展を開いたのが1963年、チェコ事件後の1971年には、彼の重要なモチーフとなる「壁」を発見します。
白黒やセピアの写真に着色した彼の作品は、一枚の作品の中に濃厚な物語性を持たせた古典絵画のような趣がありますが、「自分の表現したいのは魂のポートレートだ」と言っているように、彼の作品からは生への讃歌、それも強烈な匂いを放つ毒々しい花のような性的な生命力と暴力的な死のイメージが立ち上ってきます。

ヤン・ソーデック Jan SAUDEK
"Gabina shaving"
1982年
ゼラチンシルバープリント・手彩色
イメージサイズ:17.7x17.0cm
シートサイズ:25.2x19.8cm
サインあり
■ヤン・ソーデック Jan SAUDEK
1935年プラハ生まれ。6人の兄弟を強制収容所で亡くす。15歳の時初めてカメラを手にし、写真家を志す。プラハのグラフィックアートの学校で学んだ後、1983年まで写真製版のカメラマンとして働きながら写真を撮り続ける。1963年プラハで初個展。1971年彼の重要なモチーフとなる「壁」を発見する。この頃から世界的に知られるようになり、海外で多くの展覧会が開催される。
1977年頃からモノクロ写真に手彩色を始める。1984年フリーランスとなる。1990年フランスのレジオン・ド=ヌール勲章のシュバリエ章を受章。
パブリック・コレクション:ポンピドゥーセンター、メトロポリタン美術館、ポール・ゲティ美術館など。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものは、2012年1月27日[金]―2月4日[土]「銀塩写真の魅力Ⅲ/裸婦は美しい」を開催しています。

20世紀の銀塩写真を中心とするアナログ写真は、デジタルカメラの進化により、いまや消え行く運命にあります。
本展では「裸婦」をテーマに、中山岩太、ベッティナ・ランス、福田勝治、細江英公、大坂寛、植田正治、五味彬、服部冬樹、ジョック・スタージス、井村一巴、カリン・シェケシー、ヤン・ソーデック、カート・マーカス、ウェイン・メイザーの美しいモノクロームプリントを展示します。
◆今月のWEB展は「恩地孝四郎展」です。
初日の昨日は、夕方から「第8回写真を買おう!! ときの忘れものフォトビューイング」を開催し、小林紀晴先生を迎えてホストの原茂さんの司会で熱いビューイングを参加者に楽しんでいただきました。
これについては、後日作品とともにご紹介しましょう。




先日、アメリカの写真用品の巨人イーストマン・コダックの経営破綻をお伝えしました。
デジタルに敗れたアナログを象徴する出来事ですが、ニューヨーク五番街のカメラ店に取材した東京新聞の記事にはコダックのカラーフィルムを「今は写真を趣味にする人ぐらいしか買っていかない」という店主の言葉があります。
言い得て妙、もはやアナログ写真はアートと趣味の世界でしか生き残れない。

今回の展覧会はシリーズ企画<銀塩写真の魅力>の第一回、第二回に続いて三回目ですが、裸婦(ヌード)をテーマに15点を選び展示しています。
五味彬先生によれば「銀塩はフィルムも立体」、まさに人体の奥深い魅力を表現するには銀塩写真(ゼラチン・シルバー・プリント)こそふさわしい。
出品作品からモノクロ写真に手彩色した独特の色彩作品で知られるヤン・ソーデックの作品をご紹介します。
古い地下室の朽ちかけた壁に投影したイメージをバックに少女や熟年のモデルを配して特異な世界を展開するソーデックの写真はときにはグロテスクにも見えますが、あるものをただ写すのではなく、自らの伝えたいメッセージを様々なテクニックを駆使して創りあげる姿勢には一貫したものがあります。6人の兄弟を強制収容所で亡くすという悲劇を経験したソーデックがプラハで初個展を開いたのが1963年、チェコ事件後の1971年には、彼の重要なモチーフとなる「壁」を発見します。
白黒やセピアの写真に着色した彼の作品は、一枚の作品の中に濃厚な物語性を持たせた古典絵画のような趣がありますが、「自分の表現したいのは魂のポートレートだ」と言っているように、彼の作品からは生への讃歌、それも強烈な匂いを放つ毒々しい花のような性的な生命力と暴力的な死のイメージが立ち上ってきます。

ヤン・ソーデック Jan SAUDEK
"Gabina shaving"
1982年
ゼラチンシルバープリント・手彩色
イメージサイズ:17.7x17.0cm
シートサイズ:25.2x19.8cm
サインあり
■ヤン・ソーデック Jan SAUDEK
1935年プラハ生まれ。6人の兄弟を強制収容所で亡くす。15歳の時初めてカメラを手にし、写真家を志す。プラハのグラフィックアートの学校で学んだ後、1983年まで写真製版のカメラマンとして働きながら写真を撮り続ける。1963年プラハで初個展。1971年彼の重要なモチーフとなる「壁」を発見する。この頃から世界的に知られるようになり、海外で多くの展覧会が開催される。
1977年頃からモノクロ写真に手彩色を始める。1984年フリーランスとなる。1990年フランスのレジオン・ド=ヌール勲章のシュバリエ章を受章。
パブリック・コレクション:ポンピドゥーセンター、メトロポリタン美術館、ポール・ゲティ美術館など。
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◆ときの忘れものは、2012年1月27日[金]―2月4日[土]「銀塩写真の魅力Ⅲ/裸婦は美しい」を開催しています。

20世紀の銀塩写真を中心とするアナログ写真は、デジタルカメラの進化により、いまや消え行く運命にあります。
本展では「裸婦」をテーマに、中山岩太、ベッティナ・ランス、福田勝治、細江英公、大坂寛、植田正治、五味彬、服部冬樹、ジョック・スタージス、井村一巴、カリン・シェケシー、ヤン・ソーデック、カート・マーカス、ウェイン・メイザーの美しいモノクロームプリントを展示します。
◆今月のWEB展は「恩地孝四郎展」です。
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