光嶋裕介のエッセイ 第4回
第四便:『彫ることと描くことの違い』(IV/VIII)
鉛筆やクレヨンを持って
白い画用紙に絵を描くことは、
子供の頃から好きだった。
そして興味のあった銅版画を数年前からはじめた。
針を持って、
銅の板の上でカリカリ線を彫ることは
全く新しい体験だった。
彫ることと描くことは、似て非なる行為である。
持っている道具は違えど
利き腕の右手を使って
やっていることを見る分にはそっくりだ。
だけど、感触が全然違う。
率直に言うと抵抗力の違いだろう。
ペンのインクが紙に吸い取られ、
線が現われるのはプラスの感覚であり、
銅版画の彫っている感覚は、
物質に対してマイナスの働きをする。
この違いは大きい。
建築は何かを構築することが多いが、
彫刻や彫刻のように何かを削り取っていく行為に、
僕は建築家として無意識の内に惹かれているのかもしれない。
それはアルベルト・ジャコメッティが極限まで
人体をそぎ落としたようなものに対する強い憧れなのかもしれない。
(こうしまゆうすけ)
"Landscape at Night NO.004"
2009年
エッチング、アクアチント、1版2色
イメージサイズ:12.0x30.0cm/シートサイズ:27.0x39.5cm
Ed.8 サインあり
画面が小さくて、光嶋さんの絵の面白さがわかりにくいかも知れません。
コチラをクリックしてのぞいてみてください。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
第四便:『彫ることと描くことの違い』(IV/VIII)
鉛筆やクレヨンを持って
白い画用紙に絵を描くことは、
子供の頃から好きだった。
そして興味のあった銅版画を数年前からはじめた。
針を持って、
銅の板の上でカリカリ線を彫ることは
全く新しい体験だった。
彫ることと描くことは、似て非なる行為である。
持っている道具は違えど
利き腕の右手を使って
やっていることを見る分にはそっくりだ。
だけど、感触が全然違う。
率直に言うと抵抗力の違いだろう。
ペンのインクが紙に吸い取られ、
線が現われるのはプラスの感覚であり、
銅版画の彫っている感覚は、
物質に対してマイナスの働きをする。
この違いは大きい。
建築は何かを構築することが多いが、
彫刻や彫刻のように何かを削り取っていく行為に、
僕は建築家として無意識の内に惹かれているのかもしれない。
それはアルベルト・ジャコメッティが極限まで
人体をそぎ落としたようなものに対する強い憧れなのかもしれない。
(こうしまゆうすけ)
"Landscape at Night NO.004"2009年
エッチング、アクアチント、1版2色
イメージサイズ:12.0x30.0cm/シートサイズ:27.0x39.5cm
Ed.8 サインあり
画面が小さくて、光嶋さんの絵の面白さがわかりにくいかも知れません。
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