金曜の夜の道路の混み様が凄かった。
植田実先生の松本竣介についての長文エッセイ(次回第3回は15日に掲載します)の校正を終えて一杯やり、さて帰りましょうかと店を出たら、先ず神宮の花火大会で大混雑。青山通りは浴衣姿の若い人たちであふれかえっていました。
ようやくタクシーをとめて青梅街道を下ると、今度は夏休みで東京脱出をはかる車列が蜿蜒と続く。渋滞なんて久しぶりでした。
本日は日曜ですが、「ジョック・スタージス写真展」を開催中(18日(土)まで無休)につき12時から開廊していますので、どうぞお出かけください。

さて、ちょっと前ですが中国の写真雑誌『撮影世界』2012年4月号が日本の写真を特集しました。
ご紹介しようと思っていたのですが、なにやかや雑用に追われてのびのびになってしまいました。
撮影世界201204 表紙『撮影世界』2012年4月号
表紙は北野謙「舞妓」

A4サイズ、オールカラー224ページの堂々たる写真雑誌ですが、40~123ページまで使って「Japan Images」という大特集を組んでいます。
巻頭テキストは金子隆一先生(東京都写真美術館)の「日本近現代撮影小史」。
続いて「The Big Fourー現代日本撮影四怪才森山、荒木、杉本和蜷川」という旬の作家が紹介され、日本の代表的な写真家の特集に入ります。
土門拳、林忠彦、細江英公、江成常夫らから土田宏美、英伸三、内山英明、西野壮平、北野謙、坂口智之・・・・
撮影世界201204 中1
細江英公は6ページを使って「鎌鼬」シリーズが掲載されています。

撮影世界201204 中2
錚々たる著名写真家に交じり同じく6ページを使って紹介されているのが佐藤理さんの「山人」シリーズ。

撮影世界201204 中3撮影世界201204 中4

なかでも大きく取り上げられているのが、「ヤギ小屋の少女」という群馬の山村で撮影された写真です。
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佐藤理
「ヤギ小屋の少女 川和(かわわ)」
ゼラチン・シルバー・プリント
サインあり

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この写真作品はときの忘れもののコレクションに入っており、ちょっと嬉しいですね。

佐藤理さんから「ヤギ小屋の少女」についてのコメントをいただきました。

1970代初頭の山村を撮影したのが『山人』シリーズです。
当時私は印刷会社の写真部に勤務しておりました。
日曜日は目的地に早朝着く為に深夜車で出かけましたが、東京生まれの私には、観るもの全てが新鮮で興奮のれんぞくでした。
最初の頃は、36mmで撮影していましたがやがて山村のゆっくりとした時間の流れの中で、自然に8x10インチカメラに落ち着きました。

「ヤギ小屋の少女 川和(かわわ)」ですが、
納屋を兼ねたヤギ小屋がえらく傾いている、
撮影をしていると少女がやって来た、
この土地で生まれた子ヤギと少女です。
はしごに載ってもらいシャッターを切る事が出来ました。


私は8x10インチモノクロームプリントの仕上がりがすきです、
撮影現像プリント、今迄もそうですが此れからもそうでしょう。
最近は自作8x10で手持ちスナップも試みています。
その出来た好きなプリントを残す為には、どこか美術館博物館等でコレクションされなければ、難しいと考えて居ります。そのようなチャンス恵まれるよう努力して行きたいです。


■佐藤理(さとうおさむ)
東京に生まれる
1964年 私立東京写真短期大学卒業
1964年 光村原色版印刷所入社
1968年 第十九回全国カレンダー展 文部大臣賞受賞
1971年~「山人」撮影始める。
1977年 ミヤ造形美術入社スタジオ勤務(~1979年)
1979年 佐藤理スタジオ設立
2004年 日本写真家ユニオン主催・「ニューヨーク展」出品
2005〜6年 日本写真家協会主催「日本の子供60年」展(東京都写真美術館)
2006年 日本写真家ユニオン主催「11人のフォトグラファーによるファインプリント展」(ギャラリー新居 東京店)、以後毎回出品。
2009年 個展「ギリシアの白」(ギャラリーコスモス)
2011年 個展「山 人 The Mountain People 」(中国 禅フォトギャラリー北京)
2011年 個展「山 人 The Mountain People 」(東京 禅フォトギャラリー)

日本写真家ユニオン会員 JPU   Japan Phtographers Union
日本写真家協会会員 JPS  Japan Professional Phtographers Society
日本写真芸術学会会員 JSAHP The Japan Society for Arts and History of Photography

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