本日更新予定だった植田実のエッセイ「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」は休載します。

先週末11月10日(土)、工学院大学の新宿キャンパス3階アーバンテックホールにて講演会:磯崎新×藤森照信「茶室談義 伝統と現代」が開催されました。
磯崎親衛隊としてな何はともあれ参加せねばと要綱を見ると、申し込みはネットのみ、それも先着順で、はずれ以外の方には返事はしません、という不安な受付方法。
社長と植田実先生のお供で亭主も参加してまいりました。ひさしぶりの藤森節に磯崎先生のとつとつとしていながら理路整然たる、しかも初めてうかがうような裏話満載のレクチャーでした。
藤森照信茶室学『藤森照信の茶室学―日本の極小空間の謎』
2012年 六耀社

近代建築が専門の藤森先生が茶室に取り組んだ快著。

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工学院大学は28階まである高層建築のキャンバスの走り。
かつて最上層にある建築学科に日参して、「今和次郎コレクション」の調査に没頭し、藤森先生と植田実先生の監修で『銀座モダンと都市意匠』というカタログを編集しました。

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お二人が手がけた茶室の映像が写され、対談が始まりました。

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レセプションで左から松本哲夫さん、磯崎先生、藤森先生。
磯崎先生のファッションに注目!

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藤森先生の著書に磯崎先生、藤森先生お二人がサインをするという珍しい光景。もちろん亭主もサインをいただきました。

『藤森照信の茶室学』藤森・磯崎サイン

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右から植田実先生、松本哲夫さん、社長


上掲の藤森先生の著書『藤森照信の茶室学―日本の極小空間の謎』の巻末には磯崎先生との対談が収録されていますが、そもそも磯崎先生が茶室の設計(及びプロジェクト)を依頼された初期のクライアントとしてあげているのが、井上房一郎さん(群馬県立近代美術館)、ヨーコ・オノ&ジョン・レノン夫妻、そしてレオ・キャステリ。

レオ・キャステリからの依頼は、「Folly」のドローイング(及び版画)を展示して設計とセットで売るというアイデアでした。
本書にはそのとき亭主がエディションした木版画も収録されているのであらためて木版画「FOLLY-草庵」連作をご紹介しましょう。
伝統的な浮世絵版画の制作システムを使った木版画で、彫と摺りは版画家として活躍する三塩英春先生に依頼しました。
《FOLLY-草庵 1》は雨のシーンですが、草庵に降り注ぐ雨のイメージは、磯崎先生の好きな安藤広重の「東海道五十三次之内 庄野」を彷彿とさせます。内観はモンドリアン空間です。
このプランはNYでは実現しなかってけれど、後に品川の有時庵として建築されました。
ArataIsozaki[FOLLY1]
磯崎新
FOLLY-草庵 1
1984年 木版
イメージ54.0×74.0cm(シート57.0×76.0cm)
Ed.50 サインあり

ArataIsozaki[FOLLY2]
磯崎新《FOLLY-草庵 2
1984年 木版
イメージ30.0×37.2cm(シート57.0×76.0cm)
Ed.50 サインあり

ArataIsozaki[FOLLY3]
磯崎新《FOLLY-草庵 3
1984年 木版
イメージ46.5×19.5cm(シート57.0×76.0cm)
Ed.50 サインあり

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