お茶は出すが、口は出さない。
客はほって置く主義のときの忘れものは営業時間中なら何時間いてもかまいません。
昔（ギャラリー方寸時代）、お弁当持参で通うお客さんがいて、あれにはスタッフが往生していました。

亭主は閉所恐怖症、高所恐怖症そして、尖端恐怖症です。
つまりビルが駄目、三階以上が駄目（超高層などもってのほか）、注射大嫌い。
磯崎親衛隊にしてはホワイトキューブが苦手です。
四面壁ばかりの閉鎖空間にいると息がつまってしまう。
椅子一つない整然たる空間は美しいかもしれないけれど、長期間の滞在は難しい。
どうせ何時間いても他に客の来ない貧乏画廊、どうぞ心置きなく作品を眺め、亭主自慢の椅子（イタリア製）にすわりゆっくり資料を読みふけっていただきたい。

ただいま開催中の「具体 Gコレクションより」展は、1954年に結成され、1972年リーダーである吉原治良の死とともに解散した「具体」の作家たちの作品を展示しています。
関東の人たちには馴染みのうすい作家も多いでしょう、机の上には以下の資料がおいてあります（すいません、売り物ではありません）。
『スペイン・ユーゴスラビア帰国記念展
具体―行為と絵画』図録
1986年8月30日　兵庫県立近代美術館 発行

『特別展〈具体〉未完の前衛集団
―兵庫県立近代美術館所蔵作品を中心に―』図録
1990年　渋谷区立松濤美術館 発行

『具体展 I・II・III』図録
1994年　財団法人芦屋市文化振興財団 発行

『藤野忠利の視座による　もうひとつの「具体｣』
2011年11月15日　鉱脈社 発行

『「具体」―ニッポンの前衛 18年の軌跡』
2012年　国立新美術館 発行

『明日を創った人　吉原治良展』図録
1973年4月20日　吉原治良展委員会 発行

『特別展 吉原治良と具体とその後』図録
1979年　兵庫県立近代美術館 発行


『没後20年―吉原治良展―』図録
1992年　芦屋市立美術博物館 発行

『大阪市立近代美術館（仮称）コレクション展'98
清らかな詩心をつらぬく造形の軌跡
発見！吉原治良の世界』図録
1998年　「吉原治良の世界」展実行委員会 発行

『生誕100年記念　吉原治良展』図録
2005年　朝日新聞社 発行

『白髪一雄展』図録
1980年　東京画廊 発行

『白髪一雄展』図録
1989年　尼崎市総合文化センター 発行

『アクションペインター　白髪一雄展』図録
2001年　兵庫県立近代美術館 発行

『白髪一雄展―格闘から生まれた絵画―』図録
2009年4月25日　白髪一雄展実行委員会 発行

『孤立の道　上前智祐画集　1944-1995.3』
1995年　上前智祐 発行

『集合と稠密のコスモロジー
上前智祐（うえまえ・ちゆう）展』図録
1999年　財団法人大阪府文化振興財団 発行

鷲見康夫著
『やけくそ・ふまじめ・ちゃらんぽらん』
2000年　文芸社 発行

『波動・松谷武判展』図録
2000年4月1日　西宮市大谷記念美術館 発行

『松谷武判展―流動―』図録
2010年　神奈川県立近代美術館 発行


『〈木村家・松田家所蔵〉堀尾貞治作品集　親戚のさだはるさん』
2010年12月21日　シロクロ出版 発行

『美術手帖　1967年8月号』
白髪一雄「冒険の記録　エピソードでつづる具体グループの12年」収録
1967年　美術出版社 発行

『美術手帖　1992年10月号』
特集：吉原治良／変革する自己
1992年　美術出版社 発行

『みずゑ　1967年11月号』
特集：'60年代の日本彫刻／具体美術の15年
1967年　美術出版社 発行

『みずゑ　1973年6月号』
特集：吉原治良＝前衛精神の軌跡
1973年　美術出版社 発行

◆ときの忘れものは2013年3月15日[金]―3月30日[土]「具体 Gコレクションより」展を開催しています（※会期中無休）。

企画・監修＝石山修武
出品：白髪一雄、吉原治良、松谷武判、上前智祐、堀尾貞治、高﨑元尚、鷲見康夫、
田中敦子、金山明、山崎つる子、森内敬子

『具体 Gコレクションより』展図録
2013年　16ページ 25.6x18.1cm
執筆：石山修武　図版15点
略歴：白髪一雄、吉原治良、松谷武判、上前智祐、堀尾貞治、高﨑元尚、鷲見康夫
価格：800円（税込）
※送料別途250円
※お申し込みはコチラから。