今週はじめ、ネットで「東京都現代美術館が閉館へ」という情報が流れました。
情報元は名古屋覚さんらしいのですが、どうやら冗談だったらしい。
東京都現代美術館が直ちに否定しました。
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『月刊ギャラリー』4月号に掲載された美術ジャーナリスト名古屋覚氏の記事『評論の眼』において、「東京都現代美術館を閉館し、(中略)「クールトーキョーフォーラム」を同館建物内に新設する方針を、東京都はこのほど固めた。収蔵品売却と美術館清算のために必要な条例案を年内にも都議会に提出するという」という記載がなされ、報道各社や心配された方々から当館に多数の問合せが寄せられております。
名古屋氏の記事のうち当館に関する部分につきましては全くの事実無根であり、閉館の予定などはございません。「月刊ギャラリー」編集部に対しては、現在、強く抗議しているところでございます。
当館は現在、メンテナンス及び次回展覧会開催準備のため休館をしているところですが、4月6日(土)からは「フランシス・アリス展 第1期 MEXICO SURVEY メキシコ編」、「桂ゆき―ある寓話」展、「MOTコレクション」展を開催させていただきます。
引き続き皆様には安心して当館にご来館いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
東京都現代美術館
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まあ、良かった良かったですが、しかし最初にツイッターで「閉館」という記事を読んだとき、おっちょこちょいの亭主は一瞬「やはりね」と思ったのでありました(早とちりを反省!)。
都現美が開館以来、亭主は「コレクションと人材は一流。アクセスの悪さは仕方ないとしても、貧しい空間、崇高性のかけらもない空疎な巨大建築、居心地最悪」と文句を言い続けてきました。
開館の折に、出展作家たちが一斉にブーイングしたのも無理ありません。
寡聞にしてあの美術館を誉めた記事を読んだことがありません。
いったい海外からのお客様を木場にお連れする人がどのくらいいるでしょうか。
あそこで一日楽しめるでしょうか。
頭が煮詰まってどうしようもないとき、「木場に行ってのんびりしよう」と思うでしょうか。
ルーブルやオルセー、MoMA、テート・モダンなどと較べたら、都現美はかなり点数が低い。ここ数年、ルーブル美術館ランス別館(SANAA設計)、パリッシュ美術館(ヘルツォーク&ド・ムーロン設計)など、行ってみたい魅力的な美術館がどんどんできている。
昔、開館したばかりのサンフランシスコのマリオ・ボッタ設計の近代美術館を上から下までのんびり見て周り、ランチをした後、社長と二人で前の芝生に寝転んで半日遊んだことがありました。
居心地の良さは抜群でした。
サンモリッツの湖畔にたつ小さなセガンティーニ美術館、穂高の学校の片隅に建つ碌山美術館、伊香保のHARA MUSEUM ARK、遠くてもまた行きたい美術館はいくらでもある。
なのに木場ときたら、あんなに素晴らしいコレクションを持ちながら、人々の「大切な場所」になっていない、ありゃあ建築の罪だというのが、亭主の偏見であります。
それにつけても前川國男の素晴らしさをますます再認識する次第であります。前川さんの美術館は弘前、宮城、山梨、新潟、上野、福岡、熊本、どこでも街の緑の中に静かに包まれ、ほっとする佇まいを見せている。
◆ときの忘れものは2013年4月3日[水]―4月13日[土]「春暁のコレクション展」を開催しています(※日・月休廊)。
明日(7日)と明後日(8日)は画廊はお休みです。
出品作家:山村昌明、植田正治、草間彌生、山口勝弘、難波田史男、永井桃子、エルンスト・ハース、アンディ・ウォーホル、ハインリッヒ・フォーゲラー、エド・ベイナード、ル・コルビュジエ、クリスト、マノロ・バルデス

マノロ・バルデス
「作品」
銅版、コラージュ
額装サイズ:125.0×91.0cm
Ed.35 Signed
マノロ・バルデス(Manolo Valdés)は日本ではあまり知られていませんがスペインを代表する現代作家であり、彫刻や版画も多数制作しています(NY在住)。
レンブラント、ルーベンスなど過去の美術作品を引用し、その作品を再解釈、再構成していくというスタイルをとり原作から形態こそ借りてはいるが、そこに内在する要素は徹底的に排除され、バルデス独自の表現へと昇華しています。

エド・ベイナード「花」
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情報元は名古屋覚さんらしいのですが、どうやら冗談だったらしい。
東京都現代美術館が直ちに否定しました。
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『月刊ギャラリー』4月号に掲載された美術ジャーナリスト名古屋覚氏の記事『評論の眼』において、「東京都現代美術館を閉館し、(中略)「クールトーキョーフォーラム」を同館建物内に新設する方針を、東京都はこのほど固めた。収蔵品売却と美術館清算のために必要な条例案を年内にも都議会に提出するという」という記載がなされ、報道各社や心配された方々から当館に多数の問合せが寄せられております。
名古屋氏の記事のうち当館に関する部分につきましては全くの事実無根であり、閉館の予定などはございません。「月刊ギャラリー」編集部に対しては、現在、強く抗議しているところでございます。
当館は現在、メンテナンス及び次回展覧会開催準備のため休館をしているところですが、4月6日(土)からは「フランシス・アリス展 第1期 MEXICO SURVEY メキシコ編」、「桂ゆき―ある寓話」展、「MOTコレクション」展を開催させていただきます。
引き続き皆様には安心して当館にご来館いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
東京都現代美術館
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まあ、良かった良かったですが、しかし最初にツイッターで「閉館」という記事を読んだとき、おっちょこちょいの亭主は一瞬「やはりね」と思ったのでありました(早とちりを反省!)。
都現美が開館以来、亭主は「コレクションと人材は一流。アクセスの悪さは仕方ないとしても、貧しい空間、崇高性のかけらもない空疎な巨大建築、居心地最悪」と文句を言い続けてきました。
開館の折に、出展作家たちが一斉にブーイングしたのも無理ありません。
寡聞にしてあの美術館を誉めた記事を読んだことがありません。
いったい海外からのお客様を木場にお連れする人がどのくらいいるでしょうか。
あそこで一日楽しめるでしょうか。
頭が煮詰まってどうしようもないとき、「木場に行ってのんびりしよう」と思うでしょうか。
ルーブルやオルセー、MoMA、テート・モダンなどと較べたら、都現美はかなり点数が低い。ここ数年、ルーブル美術館ランス別館(SANAA設計)、パリッシュ美術館(ヘルツォーク&ド・ムーロン設計)など、行ってみたい魅力的な美術館がどんどんできている。
昔、開館したばかりのサンフランシスコのマリオ・ボッタ設計の近代美術館を上から下までのんびり見て周り、ランチをした後、社長と二人で前の芝生に寝転んで半日遊んだことがありました。
居心地の良さは抜群でした。
サンモリッツの湖畔にたつ小さなセガンティーニ美術館、穂高の学校の片隅に建つ碌山美術館、伊香保のHARA MUSEUM ARK、遠くてもまた行きたい美術館はいくらでもある。
なのに木場ときたら、あんなに素晴らしいコレクションを持ちながら、人々の「大切な場所」になっていない、ありゃあ建築の罪だというのが、亭主の偏見であります。
それにつけても前川國男の素晴らしさをますます再認識する次第であります。前川さんの美術館は弘前、宮城、山梨、新潟、上野、福岡、熊本、どこでも街の緑の中に静かに包まれ、ほっとする佇まいを見せている。
◆ときの忘れものは2013年4月3日[水]―4月13日[土]「春暁のコレクション展」を開催しています(※日・月休廊)。
明日(7日)と明後日(8日)は画廊はお休みです。
出品作家:山村昌明、植田正治、草間彌生、山口勝弘、難波田史男、永井桃子、エルンスト・ハース、アンディ・ウォーホル、ハインリッヒ・フォーゲラー、エド・ベイナード、ル・コルビュジエ、クリスト、マノロ・バルデス
マノロ・バルデス
「作品」
銅版、コラージュ
額装サイズ:125.0×91.0cm
Ed.35 Signed
マノロ・バルデス(Manolo Valdés)は日本ではあまり知られていませんがスペインを代表する現代作家であり、彫刻や版画も多数制作しています(NY在住)。
レンブラント、ルーベンスなど過去の美術作品を引用し、その作品を再解釈、再構成していくというスタイルをとり原作から形態こそ借りてはいるが、そこに内在する要素は徹底的に排除され、バルデス独自の表現へと昇華しています。

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