「氷の国 熱い男女平等 
ランク世界一のアイスランド
金融危機が後押し 男性も9割が育休」
と見出しのある記事が4月2日の東京新聞朝刊の国際面に大きく掲載されていました。

2008年に金融危機に陥った人口僅か32万人の北欧のアイスランドのことを覚えているでしょうか。今回のキプロス問題を見ればわかるとおり、経済のグローバル化は小国だからといって侮れない危うさを私たちに知らしめてくれました。

どん底に落ちた経済を立て直し、危機をチャンスに換えたのは女性たち。
高金利を掲げて国内生産の10倍もの資産を集めた銀行は次々に破綻しました。少数の男性経営陣が牛耳る金融界に批判があつまり、三大銀行トップのうち二人は女性に代わった。
男女格差をなくす取り組みは、首相も国会議長も国民教会のトップもすべて女性という国際ランク一位の男女平等社会を作り出したというわけです。

「女性の能力はいわば金鉱で、社会の所有物です。
(日本について)男だけが演じる歌舞伎や能。そんな価値ある伝統を守りながらでも、男女平等は進められます。女性が自ら声をあげ、男性と同じく有能だと証明する。社会のリーダーとなり、模範を示すことが大切です。」

民選で世界初の女性大統領になったフィンボガドッテルさんの言葉です。

世界経済フォーラムが発表する男女平等(ジェンダー・ギャップ)指数ランキングでダントツの一位がアイスランドで、日本は101位(泣)。
ランク付では男女の格差を以下の基準で指数化して判定しています。
1.Economic Participation and Opportunity(経済活動の参加と機会)
給与、参加レベル、および専門職での雇用
2.Educational Attainment(教育)
初等教育や高等・専門教育への就学
3.Health and Survival(健康と生存)
寿命と男女比
4.Political Empowerment(政治への関与)
意思決定機関への参画

101位の日本は子供を産んでもまともに働けない、待機児童の問題はまさに「金鉱」である女性の能力を台無しにしている。もったいないですね。

社長以下、女性でもっている「ときの忘れもの」にとって他人事ではありません。
子供を何とか認可保育園に入れることのできた大番頭・尾立はいよいよ今月から本格復帰します。
産休中の李は、おかげさまで先日元気な赤ちゃんを実家で産みました。
数ヶ月したら東京に戻ってくると言っていますが、有能な社員が仕事にも育児にも気持ちよく動けるよう応援したいと思っています。

画廊は本日(7日)と明日(8日)は休廊です。

ところで昨日のブログで都現美の閉館騒ぎについて触れ、ついでにあの建築についてのたわごとを書きましたが、どうも亭主の書き方は誤解を呼ぶらしく(反省)、美術館(の運営)批判ととられる向きもあるようです。
よく読んでいただきたいのですが、亭主は「コレクションも人材も一流」と書いているごとく、またこのブログでもしょっちゅう都現美の企画については紹介し、特に常設展示(コレクション)の素晴らしさについては再三再四賞賛しています。
名建築には「闘う施主」が不可欠です。
建築家は施主と闘うことで成長します。
闘う施主」を持たない建築家は不幸です。
建築はそこにいる人を幸せにしなくちゃあ。あそこで働いている人たち、幸せかしら。
毎日の出勤がうきうきしているかしらといらぬ心配を亭主はしています。
バブルのとき、施主(もちろん東京都)は金は出したが建築家と闘わなかった。
建築家にとっても都民にとっても不幸なことでした。
亭主はあの建物はひどい、つくるときに現場(学芸員他)の意見を聞いてつくらないからああいうことになるのだ、といっているわけであります。

ついでに言っておきますが、亭主は公立美術館の企画に関して不満があれば文句をいいます、私たちの税金でまかなわれているのだから当然でしょう。
でも自前の資金で四苦八苦している多くの私立美術館やギャラリーには基本的に文句はつけない。
以上、亭主の基準表明終わり。