本日は画廊は休廊です。

ときの忘れものでは来週6月25日(火)~7月6日(土)の会期で「恩地孝四郎展」を開催します(*会期中無休)。
恩地DM
創作版画運動の指導者であるばかりでなく、日本の抽象絵画のパイオニアであった恩地孝四郎の木版画、素描、水彩など約20点をご覧いただきます。

●ギャラリートークのご案内
6月29日(土)17時より、桑原規子さん(聖徳大学文学部准教授/博士(芸文学))を迎えて、ギャラリートークを開催します。
要予約/参加費1,000円。メールまたは電話にてお申し込みください。
E-mail:info@tokinowasuremono.com
電話:03-3470-2631

ごく少人数で専門家に話しを聞く、そのことによって自分の中の「好み」がいったい何に起因するのかに思いを馳せたり、自分の美意識がコレクションにどう反映されているのかを確認する良い機会になる、またはコレクションする元気が湧いてくる。
先日の「第23回 瑛九展」のギャラリートーク(講師は埼玉県立近代美術館の梅津元さん)であらためて感じたことでした。
亭主は瑛九をン十年も扱いなかがら、「えー、そういうことだったのか」と目から鱗、老いては●にしたがえとはよくいったもので、まだまだ遣り残したことがあると確信したのでありました。あわてて音声認識ソフトやらを購入し、当日の梅津さんの講義をテキストに起こす準備を始めてております。

というわけで、今回の専門家は桑原規子さんです。
昨年別記の大著『恩地孝四郎研究 版画のモダニズム』を上梓され、恩地孝四郎研究の第一線で活躍されています。
誰よりも多くの恩地作品に触れ、文献資料にあたり、恩地のモダニズムに深い考察を加えてきた桑原さんならではの話しがきけることと思います。
どうぞご参加ください。

■恩地孝四郎 Koshiro ONCHI(1891-1955)
1891年東京生まれ。竹久夢二に感化を受ける。東京美術学校で洋画・彫刻を学ぶが中退。藤森静雄・田中恭吉と[月映]を刊行。萩原朔太郎の詩集『月に吠える』の装幀と挿画を担当、28年『北原白秋全集』の装幀で装本家の地位を確立。抽象画の先駆者、また日本の版画界のリーダーとして大きな足跡を残した。『飛行官能』『海の童話』『博物誌』『虫・魚・介』など優れた自作装画本を刊行した。1955年永逝(享年63)。

■桑原規子(くわはらのりこ)
1960年大分県生まれ。お茶の水女子大学教育学部卒業、筑波大学博士課程芸術学研究科修了。現在、聖徳大学人文学部准教授。博士(芸術学)。
共著=『モダニズム/ナショナリズム』『クラシック モダン』(いずれも、せりか書房)、『大正期美術展覧会の研究』(東京文化財研究所)、『「帝国」と美術』(国書刊行会)他。

恩地孝四郎研究 版画のモダニズム
桑原規子著
『恩地孝四郎研究 版画のモダニズム』
2012年 
せりか書房 発行
21.6x15.6cm
575ページ

日本近代版画史の巨匠の全貌に迫る大著。
抽象画の先駆者、創作版画の推進者として、また装幀家、写真家、詩人、評論家として多彩な面をもつモダニスト恩地孝四郎。
一九一〇年代から一九五〇年代まで、実験的創作の最前線にあった作家の軌跡を克明に辿る。

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ときの忘れもののコレクションから恩地孝四郎作品をご紹介します。
46-2_恩地孝四郎-3
恩地孝四郎
「失題(きびしい人格の作者)」
1915年 コンテ・紙
17.0x15.0cm
*恩地邦郎の証明書付

onchi_05_china恩地孝四郎
「中国風景」
1939年
水彩
18.0x23.5cm
恩地邦郎の証明書貼付

onchi_14_yokushitu-gozen恩地孝四郎
「浴室午前」
1928年
木版(色)
21.0x14.0cm

onchi_04_compo-2恩地孝四郎
「Composition No.2 文字」
1949年(1968年刷り:平井摺)
木版
34.2x26.7cm
スタンプサインあり
裏面に「刷り平井孝一」のシールあり
※レゾネNo.314(形象社)

31恩地孝四郎
「Poem No.22 A Leaf and Clouds 葉っぱと雲」
1953年
マルチブロックプリント(平井摺)
63.5x55.5cm  
スタンプサイン
※レゾネNo.401(形象社)

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