光嶋裕介(建築家)さんから新春メッセージ

【新しい挑戦の発表】

新年あけましておめでとうございます。

昨年もジェットコースターのような勢いで、
あっという間に駆け抜けていきました。
気が付けば、僕がベルリンより帰国して
建築家として独立してから
早いもので五年が経ち、六年目に入りました。

建築家として働く上で、僕は、人と人の「ご縁」に
大変恵まれており、心より感謝しております。
いつも本当にありがとうございます。

新しいお施主さんに出逢い、
新しい敷地に対して、新しい建築を想像しながら、
僕がもっとも大切にしていることのひとつが
「人生初めての体験を大切に、驚く力を磨く」ことです。
人に驚かされるのは、あまり嬉しいことではありませんが、
自分のなかで新しいことにチャレンジし、
純粋に驚くことは、次なる成長に繋がると信じています。

そして、昨年、
ときの忘れもの画廊の綿貫さんの計らいで、
「人生初めて」の体験がまたひとつ増えました。
それが「シルクスクリーン」です。
しかも、あのポップアートの巨匠、
アンディ・ウォーホルの刷りもやられたことがある
日本最高の技術をもつ職人のひとりである石田さんを紹介してもらい、
一緒に制作をさせてもらっています。
それは大変、刺激的な体験です。
とにかく、まったく新しい世界が開かれたようで、興奮しています。

建築家として働くことは、お施主さんの希望を聴き、
夢を実現することを意味します。
つくり手である職人さんたちとの共同作業を通して、
一緒に建築をつくっています。
みんなで思いを共有し、力を合わせて、現場に立ち向かっています。
その反面、ひとりで思考し、自分と向き合いながら、
より良い建築のあり方を模索することも、毎日やっています。
それは、設計事務所と大学での仕事を終え、深夜にひとり机に座り、
文章を書くことと、絵を描いたり、銅版を彫ることです。
この時間を僕はとても大切にしているのです。

描くモチーフは、いつも「幻想都市風景」であります。
建築は、単体では存在せず、つねにまわりの環境の一部を形成します。
そのときに建築をより広い文脈である「都市」のあり方を考えるためにも、
筆を持つこと(時に針ですが)が重要になってきます。
そうして描き出されたシルクスクリーンを、
今年の秋に発表させてもらう機会を頂きました。

まだ片手ほどの実作しかない建てていない建築家ですが、
魅力的な建築を発見すべく、深夜に描き続けた幻想都市風景は、
着々とキャンバスに定着されつつあります。
それをみなさまに見て頂き、
同じ夢を少しでも共有できるとしたら、
建築家冥利に尽きるというものです。

あっと驚く、幻想都市風景がお見せできるように、
これからも日々精進したいと思っていますので、
どうぞ本年も何卒よろしくお願い致します。
こうしまゆうすけ
DSCF8614_600アートフェア「KIAF」(ソウル)に出品。

DSCF9050アートフェア「ULTRA006」(表参道、スパイラル)に出品。

ときの忘れもの企画展予告
「光嶋裕介新作展~幻想風景」
会期=2014年9月(予定)


koshima_2-1
光嶋裕介 Yusuke KOSHIMA
"Urban Landscape Fantasia #1" (1)
2013年
カンバスにスクリーンプリント
90.0×90.0cm
Ed.1 サインあり

koshima_2-6
光嶋裕介 Yusuke KOSHIMA
"Urban Landscape Fantasia #1" (6)
2013年
カンバスにスクリーンプリント
90.0×90.0cm
Ed.1 サインあり


◆ときの忘れものは2014年1月8日[水]―1月25日[土]「瀧口修造展 Ⅰ」を開催します。
245_takiguchi2014年、ときの忘れものでは3回に分けて瀧口修造作品をご覧いただきます(1月、3月、12月)。
このブログでは関係する記事やテキストを「瀧口修造の世界」として紹介します。土渕信彦のエッセイ「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。

瀧口修造 Shuzo TAKIGUCHIの出品作品を順次ご紹介します。
I-07(197)

「出品番号 I-7」
1961年
ボールペン、紙
イメージサイズ:34.5×26.4cm
シートサイズ :38.0×27.0cm
裏に年記、サイン、「IV」の記載あり

I-08(198)

「出品番号 I-8」
1961年
ボールペン、紙
イメージサイズ:33.5×26.0cm
シートサイズ :38.0×27.0cm
裏に年記、サイン、「VI」の記載あり

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