西村多美子さんから新春メッセージ

明けましておめでとうございます。

 2月に1970年代前半に北海道、東北、北陸、関東、関西を主に撮影した「憧景」展を開きます。

 飛行機や新幹線が発達した時代ではなく、北海道や東北へは夜行寝台列車で何日もかけて旅をしました。

まだ車社会ではなかったので、季節を問わず人の姿がどこにでもありました。時間の流れ方が今とは違っていたと思います。

 今、国内で観光地以外を旅すると、人の姿が見えず「どこへ行ってしまったのだろう」と寂しい気がします。

 ここ数年間、「実存 1968-69状況劇場」、「憧景」、「しきしま」と60年代から80年代に撮った写真と向かい合って来ました。

そろそろ2000年以降に撮った、今の自分の写真を直視する時が来ていると実感しています。
(にしむら たみこ)

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shoukei_cover_s_600西村多美子写真集『憧景』
2012年 グラフィカ 発行
142ページ
27.7x22.8cm
写真89点収録
限定500部
価格:4,725円(税込)
※送料別途250円

1970年代初頭に北海道、東北で撮影されたものを中心に、
東京、関東近郊、北陸、関西で撮られたもの、またその後80年代初頭にかけて
撮影されたものも含む「西村多美子の血の轍ともいうべき若き日の旅の記録」です。
名作『しきしま』と同時期に撮られた写真全てを見返し編集しました。
未だ都市に塗られていない、それぞれの土地の独自性が西村多美子の眼だけではなく
身体全体にによって捉えられた渾身の写真です。



二会場共同開催 西村多美子写真展
六本木のZEN FOTO GALLERYと共同開催(会期が若干異なります)で、ときの忘れもの初登場となる西村多美子の写真展を2月に開催します。

第1会場
ZEN FOTO GALLERY
「西村多美子写真展―しきしま」
 
会期:2014年2月5日[水]―3月1日[土] 12:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
東京都港区六本木6-6-9ピラミデビル208号室 Tel.080-4652-7058
http://www.zen-foto.jp/index.html

第2会場
ときの忘れもの
「西村多美子写真展―憧景」

会期:2014年2月5日[水]―2月22日[土] 12:00-19:00 ※会期中無休
東京都港区南青山3-3-3 青山Cube101 Tel.03-3470-2631

1970年前後から、日本各地の風土と人々を撮影してきた西村多美子のヴィンテージプリントによる展示をします。
東京に生まれた西村は、幼少期からいつか行ってみたいと憧れを抱いていた北海道、東北、北陸へ季節を変えて幾度となく一人旅へ出ています。70年代前半の地方の土地の持つ独特な個性に新鮮さをおぼえ、その風土と人々に魅了され、シャッターを切っています。

■西村多美子 Tamiko NISHIMURA(1948-)
1948年東京に生まれる。東京写真専門学院(現東京ビジュアルアーツ)で写真を学ぶ。学生時代の1968年頃アングラ劇団「状況劇場」の写真を撮る。初めての撮影は「由比正雪」で、唐十郎や麿赤児、四谷シモンなどの怪優たちに目を見張ったという。卒業前に、復帰前の沖縄へ初めての一人旅へ出る。1969年卒業後はアルバイトや雑誌の仕事を行ない、原稿料が入るとカメラを持って旅に出掛けた。撮影地は圧倒的に北海道と東北が多いが、関東、北陸、関西と広範囲にもおよんでいる。1990年代からはヨーロッパ、キューバ、ベトナムなど海外を撮影している。

写真展
1975年 「港町」東京写真専門学院ギャラリー/東京
1980年 「町 東京編」銀座ニコンサロン /東京
1981年 「町 北国編」新宿ニコンサロン /東京
1982年 「舞人木花咲耶姫」小西六ギャラリー/東京
1983年 「音楽 指揮者大友直人」ミノルタフォトスペース/東京
1998年 「しきしま」Taka Ishii Gallery/東京
2000年 「(小尚)景」スタジオエビス/東京
2001年 「Vent calmoso ~熱い風~」東京写真文化館/東京
2004年 「短歌絶叫 福島泰樹」PLACE M/東京、
     「西村多美子写真展」I-GONG Gallery/韓国テジョン市
2005年 「熱い風」PLACE M
2009年 「しきしま」ギャラリー蒼穹社/東京
2012年 「憧景」ビリケンギャラリー/東京
2014年 同時開催「しきしま」禪フォトギャラリー/東京、
「憧景」ときの忘れもの/東京

写真集
『しきしま』 東京写真専門学院出版局 1973年
『熱い風』 蒼穹舎 2005年
『福島泰樹短歌絶叫』 鳥影社 2005年
『実存 1968-69状況劇場』 グラフィカ編集室 2011年
『憧景』 グラフィカ編集室 2012年

◆ときの忘れものは2014年1月8日[水]―1月25日[土]「瀧口修造展 Ⅰ」を開催します。
245_takiguchi2014年、ときの忘れものでは3回に分けて瀧口修造作品をご覧いただきます(1月、3月、12月)。
このブログでは関係する記事やテキストを「瀧口修造の世界」として紹介します。土渕信彦のエッセイ「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。

瀧口修造 Shuzo TAKIGUCHIの出品作品を順次ご紹介します。
I-11(210)
瀧口修造 Shuzo TAKIGUCHI
「出品番号 I-11」
インク、紙
イメージサイズ:30.5×22.0cm
シートサイズ :35.4×27.0cm

I-12(217)
瀧口修造 Shuzo TAKIGUCHI
「出品番号 I-12」
インク、紙
イメージサイズ:31.3×25.5cm
シートサイズ :35.4×27.1cm

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