声
百瀬さんたちとモロッコを旅したのが、もう四半世紀近く前になるなんて信じられません。レンタカーのルノーカトルでサハラ砂漠の入り口まで行きました。夜明けのホテルで、夢うつつに街の塔から流れるコーランを聞いたのが何故か忘れられません。
白から黒へ
黒から白への無限の濃淡に
声がかくれている
祈る声
むずかる声
なじる声
囁く声
声は物音に紛れ
風音に消され
足音に寄り添いながら
ひそやかな歌になっていく
そして砂漠に吸われる
聖歌も無言歌も
あのひとの思い出も
モロッコを旅した仲間の一人は、もうこの世にいません。私の手元にはマラケシュで買ったアンティークのペンとインク壺が残っています。いつかそれで詩を書いてみたいと思っているのですが。
谷川俊太郎
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*百瀬恒彦さんの初めてのポートフォリオ『無色有情』(10点組、限定12部)のために詩人の谷川俊太郎さんに執筆していただきました。
■谷川 俊太郎(たにかわ しゅんたろう 1931年~)
1952年、詩集『二十億光年の孤独』でデビュー。1962年『月火水木金土日のうた』で第4回日本レコード大賞作詞賞、1975年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、1982年『日々の地図』で第34回 読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で第1回 萩原朔太郎賞、ほか受賞・著書多数。
近刊は『私』『詩の本』『トロムソコラージュ』『ぼくはぼく』『写真』など。
詩の他に作詞、絵本、翻訳、映画脚本など幅広いジャンルで活動。また中国など様々な国で作品が翻訳され世界的な評価も高く得ている。近年では、詩を釣るiPhoneアプリ『谷川』や、郵便で詩を送る『ポエメール』メールマガジン『谷川俊太郎のポエメール』など、 詩の可能性を広げる新たな試みにも挑戦している。
◆ときの忘れものは2014年4月2日[水]―4月11日[土]「百瀬恒彦写真展―無色有情」を開催しています(*会期中無休)。
百瀬恒彦が1990年にモロッコを旅し、城壁の街フェズで撮ったモノクロ写真約20点を展示します。あわせてポートフォリオ『無色有情』(10点組、限定部数12部)を刊行します。
その写真世界については鳥取絹子のエッセイ「百瀬恒彦の百夜一夜」をお読みください。
●出品作品を順次ご紹介します。
ポートフォリオ『無色有情』より1
1990年(2013年プリント)
ゼラチンシルバープリント、バライタ紙
20.3×25.4cm
サインあり
ポートフォリオ『無色有情』より2
1990年(2013年プリント)
ゼラチンシルバープリント、バライタ紙
25.4×20.3cm
サインあり
ポートフォリオ『無色有情』より3
1990年(2013年プリント)
ゼラチンシルバープリント、バライタ紙
20.3×25.4cm
サインあり
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●本日4月4日(金)18時より百瀬恒彦さんと森友嵐士さんによるギャラリートークを開催しますが、既に満席となり、予約受付は終了しました。
トーク終了後の19時から百瀬さんを囲んでレセプションを開催しますが、こちらはどなたでも参加できますので、皆さんお誘い合わせのうえご来廊ください。
(18時~19時までは予約者以外は入場できませんのでご注意ください)
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●本日のウォーホル語録
<お金は、くしゃっと持ち運ぶのがいちばんだ。しわくちゃのお札。紙袋に入れるのなんかいいな。
―アンディ・ウォーホル>
ときの忘れものでは4月19日~5月6日の会期で「わが友ウォーホル」展を開催しますが、それに向けて、1988年に全国を巡回した『ポップ・アートの神話 アンディ・ウォーホル展』図録から“ウォーホル語録”をご紹介して行きます。
百瀬さんたちとモロッコを旅したのが、もう四半世紀近く前になるなんて信じられません。レンタカーのルノーカトルでサハラ砂漠の入り口まで行きました。夜明けのホテルで、夢うつつに街の塔から流れるコーランを聞いたのが何故か忘れられません。
白から黒へ
黒から白への無限の濃淡に
声がかくれている
祈る声
むずかる声
なじる声
囁く声
声は物音に紛れ
風音に消され
足音に寄り添いながら
ひそやかな歌になっていく
そして砂漠に吸われる
聖歌も無言歌も
あのひとの思い出も
モロッコを旅した仲間の一人は、もうこの世にいません。私の手元にはマラケシュで買ったアンティークのペンとインク壺が残っています。いつかそれで詩を書いてみたいと思っているのですが。
谷川俊太郎
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*百瀬恒彦さんの初めてのポートフォリオ『無色有情』(10点組、限定12部)のために詩人の谷川俊太郎さんに執筆していただきました。
■谷川 俊太郎(たにかわ しゅんたろう 1931年~)
1952年、詩集『二十億光年の孤独』でデビュー。1962年『月火水木金土日のうた』で第4回日本レコード大賞作詞賞、1975年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、1982年『日々の地図』で第34回 読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で第1回 萩原朔太郎賞、ほか受賞・著書多数。
近刊は『私』『詩の本』『トロムソコラージュ』『ぼくはぼく』『写真』など。
詩の他に作詞、絵本、翻訳、映画脚本など幅広いジャンルで活動。また中国など様々な国で作品が翻訳され世界的な評価も高く得ている。近年では、詩を釣るiPhoneアプリ『谷川』や、郵便で詩を送る『ポエメール』メールマガジン『谷川俊太郎のポエメール』など、 詩の可能性を広げる新たな試みにも挑戦している。
◆ときの忘れものは2014年4月2日[水]―4月11日[土]「百瀬恒彦写真展―無色有情」を開催しています(*会期中無休)。
百瀬恒彦が1990年にモロッコを旅し、城壁の街フェズで撮ったモノクロ写真約20点を展示します。あわせてポートフォリオ『無色有情』(10点組、限定部数12部)を刊行します。その写真世界については鳥取絹子のエッセイ「百瀬恒彦の百夜一夜」をお読みください。
●出品作品を順次ご紹介します。
ポートフォリオ『無色有情』より11990年(2013年プリント)
ゼラチンシルバープリント、バライタ紙
20.3×25.4cm
サインあり
ポートフォリオ『無色有情』より21990年(2013年プリント)
ゼラチンシルバープリント、バライタ紙
25.4×20.3cm
サインあり
ポートフォリオ『無色有情』より31990年(2013年プリント)
ゼラチンシルバープリント、バライタ紙
20.3×25.4cm
サインあり
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●本日4月4日(金)18時より百瀬恒彦さんと森友嵐士さんによるギャラリートークを開催しますが、既に満席となり、予約受付は終了しました。
トーク終了後の19時から百瀬さんを囲んでレセプションを開催しますが、こちらはどなたでも参加できますので、皆さんお誘い合わせのうえご来廊ください。
(18時~19時までは予約者以外は入場できませんのでご注意ください)
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●本日のウォーホル語録
<お金は、くしゃっと持ち運ぶのがいちばんだ。しわくちゃのお札。紙袋に入れるのなんかいいな。
―アンディ・ウォーホル>
ときの忘れものでは4月19日~5月6日の会期で「わが友ウォーホル」展を開催しますが、それに向けて、1988年に全国を巡回した『ポップ・アートの神話 アンディ・ウォーホル展』図録から“ウォーホル語録”をご紹介して行きます。
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