一昨年5月ときの忘れものの個展で銅版画集『Landscape at Night』を発表、初日をまたず完売という大旋風を巻き起こした建築家の光嶋裕介さんですが、その後も勢いはとまりません。
本業の建築設計はもちろんのこと、東京と大阪での大学での授業、新聞雑誌への寄稿(いまも『芸術新潮』で連載中)、テレビ出演などなど、八面六臂というのは光嶋さんのためにある言葉かと思うほどです。
多忙な日々を縫って9月3日~20日の会期で開催するときの忘れものでの二年ぶり二度目の個展(ドローイングなど新作展)のために絵筆を握り締める毎日(のはず)。

そんなとき電話をくれて「ガウディ展をお手伝いしています」というので、「えっ、何を?」と思わず聞き返してしまいました。
森アーツセンターギャラリーで始まった「建築家 ガウディ×漫画家 井上雄彦―シンクロする創造の源泉―」展の公式ナビゲーターを委嘱されたとのこと。早速オープニングに出かけてきました。
20140712ガウディと井上雄彦


20140712ガウディと井上雄彦 裏


20140712ガウディと井上雄彦 中


特別展
「建築家 ガウディ×漫画家 井上雄彦―シンクロする創造の源泉―
Takehiko Inoue Interprets Gaudi's Universe」

会期:2014年7月12日[土]―9月7日[日] 会期中無休
会場:森アーツセンターギャラリー(東京・六本木ヒルズ 森タワー 52F)
   〒106-6150 東京都港区六本木6-10-1
監修:ジャウマ・サンマルティー(カタルーニャ工科大学バルセロナ建築学部ガウディ記念講座所長)
日本側学術監修:鳥居徳敏(神奈川大学教授)
展覧会公式ナビゲーター:光嶋裕介(建築家)

ガウディ自筆のスケッチや図面、大型の建築模型やガウディがデザインした家具など貴重な資料約100点を通して巨匠ガウディの偉業を紹介するとともに、井上雄彦がその独特な感性と鋭い表現力により、ガウディの人間像とその物語を描きます。また、井上雄彦が本展のために描き下ろした大型作品を含む約40点のほか、3面スクリーンによる映像シアターや、プロジェクション・マッピングなどをご覧いただけます。
建築家・ガウディと漫画家・井上雄彦、異なるジャンルで日西を代表する二人のアーティストによる時空を超えたコラボレーション。ふたつの側面から、ガウディのインスピレーション、そして創造の種を探ることで起こる化学反応にぜひご期待ください。(同展HPより)

●レセプション風景
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受付で延々待たされ、エレベーターを降りてから今度は入り口まで長蛇の列、会場に入るまで30分!!

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音声ガイドはなんと光嶋裕介さん。

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会場内は撮影禁止、その後レセプション会場へ。早、社長はお疲れの様子。

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たくさんの参加者で会場はむんむんの熱気。でもどうも普通の展覧会とは違う・・・

CIMG5777真ん中の笑顔の男性が光嶋裕介さん

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井上雄彦さんが挨拶に立つと、会場にどよめきが。
亭主は知らんかったけれど、この人が人気抜群の漫画家。
この日の主役でした。

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●巡回日程
金沢・金沢21世紀美術館
2014年10月4日(土)~11月5日(水)

長崎・長崎県美術館
2014年12月20日(土)~2015年3月8日(日)

神戸・兵庫県立美術館
2015年3月21日(土)~5月24日(日)

仙台・せんだいメディアテーク
2015年6月3日(水)~7月12日(日)
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アントニオ・ガウディ Antonio Gaudi(1852-1926)
1852年スペイン、カタルーニャ出身。
19世紀~20世紀にかけて、地中海沿いの美しい街バルセロナを中心に活動。
1882年の着工以来、今もなお造り続けられているサグラダ・ファミリアをはじめ、グエル公園、カサ・ミラ、カサ・バトリョなど、ユネスコ世界遺産にも登録される数々の独創的な作品を遺した。動きのある曲線、あふれる色彩、大胆かつ画期的、といった言葉で形容されることの多いガウディの建築は、ほかのどの様式にも完全に属することのない唯一無二の存在として知られ、世界中の人々を魅了して止まない。
尚、サグラダ・ファミリアはガウディの没後100年にあたる2026年に完成を予定している。

井上雄彦 Takehiko INOUE(1967-)
日本にバスケット・ブームの火をつけ、国内発行部数が1億部を超える「SLAM DUNK」をはじめ、「バガボンド」、「リアル」など国民的な人気漫画作品を描くことにとどまらず、近年は「井上雄彦 最後のマンガ展」等の個展や京都・東本願寺に描いた親鸞の屏風絵など、漫画家の枠のみにおさまらない活動も展開している。その人気は海外でも高く、2013年12月には「日本スペイン交流400周年」の親善大使に任命された。

表に出ることが嫌いな井上さんにどこでどう巡り合ったか聞き漏らしましたが、光嶋さんがかわりに前面に、展覧会の公式ナビゲーターを引き受けたようです。
のみならず、つい先日には実に4冊目となる本まで出版。
光嶋さん、いつこれだけの仕事をしているのかしら。
若いってすごいなあ。
光嶋裕介『死ぬまでに見たい世界の名建築』光嶋裕介著
死ぬまでに見たい世界の名建築なんでもベスト10
2014年
エクスナレッジ 発行
167ページ
24.2x18.5cm
執筆・挿画:光嶋裕介

世界各国で「名建築」を見てきた光嶋さんが、12のテーマ別にベスト10をセレクトしています。美しい写真とともに、それぞれの見どころや名建築たらしめる理由について解説。テーマごとに描き下ろしたドローイングも掲載しています。
■目次(抄):
【美術館】
 ベルガモン美術館、テートモダン、キンベル美術館、ポンピドゥーセンターなど
【教会】
 サグラダファミリア、ラトゥーレット修道院、聖ワシリイ大聖堂など
【遺跡】
 ペトラの宝物殿、パルテノン神殿、マチュピチュ、カッパドキアなど
【ドーム】
 パンテオン、モントリオール・バイオドーム、スポーツパレスなど
【ホール】
 ベルリン・フィル・ハーモニー、ゼンパー宮廷歌劇場、スカラ座など
【スタジアム】
 コロセウム、国立代々木競技場、ミュンヘン・オリンピック競技場など
【タワー】
 エッフェル塔、クライスラービル、ベルリンタワー、東京タワーなど
【住宅】
 マイレア邸、落水荘、サヴォア邸、マラパルテ邸、ガラスの家など
【図書館】
 王立ポルトガル文学館、ストックホルム市立図書館、シアトル中央図書館など
【学校】
 アラブ世界研究所、ソーク研究所、バウハウス、旧開智小学校など
【ターミナル】
 アントワープ中央駅、TWAターミナルビル、ミラノ中央駅など
【橋】
 錦帯橋、ブルックリンブリッジ、ヴェッキオ橋、ハージュ橋など

光嶋さんの9月の新作個展にどうぞご期待ください。