スタッフSの海外ネットサーフィン No.15 「Mapplethorpe-Rodin」

Musee Rodin


連日の酷暑に家ではエアコンが連日フル稼動、次回の電気代請求書を思うと肝だけは勝手に冷えていく今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。今月もスタッフSこと新澤の海外展覧会紹介の番が回ってきました。

今年はアートフェア東京ART OSAKAART NAGOYAと国内のアートフェアは終了し、来月末には例年通りKIAF、その後は11月末に初開催となるSINGAPORE ART FAIRへの出展に向かって作業を進めています。

海外に行くのだから当然飛行機に乗るのですが、ここ最近は羽田空港から海外へ行くことが多い。勿論便利なので文句はないんですが、国内線の印象の強い羽田から海外に出る、ということに未だに自分は違和感があります。というのも、今は昔の学生時代、イギリスの学校からフランスの実家に帰っていた時は、ロンドンのヒースローから国際線でパリのシャルル・ド・ゴールまで飛び、そこからバスでパリを横断し、オルリー空港から国内線で田舎のビヤリッツまで移動していたせいで、国際線と国内線は別の空港で乗るもの、という印象がすっかり根付いてしまったことが原因でしょう。オルリー発の国内線の離陸時間が刻一刻と迫っていることに、ドゴール空港のバス乗り場で胃を痛めていたことも、今となってはいい思い出です。

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さて、本文の内容に合わせるためにいささかトンチキな前振りをさせていただきましたが、今回ご紹介させていただくのは、パリの名高き二大美術館、ルーブルとオルセー…の程近くにある「Musee Rodin (ロダン美術館)」です。近代彫刻の父と呼ばれ、「考える人」の作者として日本でも有名な、オーギュスト・ロダンが生前アトリエと生活の場として使用した建物で、ロダンの死後、1919年に美術館として開館しました。作家の代表作である「地獄の門」などを含む6600点の彫刻と7000点のデッサンに加え、ゴッホの「タンギー爺さん」など、作家がコレクションした作品も所蔵されています。パリのど真ん中と言う立地にも関わらず、周囲を緑に囲まれた建物は田舎の避暑地のようにも見え、元々は上流階級の居住地だった所に300点近い彫刻が展示されているというのは中々に不思議な景色です。

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このロダン美術館で4月8日から9月21日まで開催されているのが「Mapplethorpe-Rodin (メイプルソープ-ロダン)」。ときの忘れものでも作品を取り扱っているロバート・メイプルソープの写真作品と、美術館が所蔵しているオーギュスト・ロダンの彫刻作品による異色のコラボレーション展です。共に人体というモデルを扱いながら、メイプルソープは男性に、ロダンは女性に傾注し、メイプルソープがあらゆる偶然を排して計算された構図で撮影を行えば、ロダンは不動の材質に偶然から来る動きを求めるなど、色々と対照的な二人の作家の対比と共通点を7つのテーマを基に展示しています。

(しんざわゆう)

ロダン美術館(英文):http://www.musee-rodin.fr/en
展覧会ページ(英文):http://www.musee-rodin.fr/en/exhibition/exposition/mapplethorpe-rodin

「スタッフSの海外ネットサーフィン」は毎月26日の更新です。