<青山のギャラリー「ときの忘れもの」にて、植田実さんの写真展「都市のインク/端島複合体 同潤会アパートメント」。植田さんは、名編集者、優れた評論家との定評(すでにいくぶん伝説化した)があるが、写真を撮られることはあまり知られていないと思う。私も植田さんの写真を拝見するのは今回始めて。端島とは、通称軍艦島のことで、ここ数年ブームになったものの、植田さんの撮影は実に40年も前のこと。また、今となってはすべてが姿を消している同潤会アパートメントも、同じ頃に撮られている。どちらの写真も、当時編集長であった『都市住宅』に掲載された。植田さんは、言葉の人だから、対象をそのまま記録するという建築写真の撮り方ではなく、その建物の存在をどう切り取るか、そこからどのようなメッセージが読み取れるか、そのようなことを考えてシャッターを押していたことは間違いない。そうした貴重な写真が、今回多数並べられている。
今日は初日であったため、植田さんも会場にいらして、少しお話した(明日、明後日も在廊と漏れ聞き来ました)。金沢の「ジャパン・アーキテクト展」の後始末をしなくてはいけないねと言われた(何のことかは、込み入った話で簡単に書けないので省略。思わせぶりですみませんが。基本的にはあの展覧会には未決の部分があるということ)。このギャラリーと植田さんの関係は深く(ギャラリーのサイトでエッセイも連載されています)、私が植田さんに初めてお会いしたのも、10数年前このギャラリーでであった。
偶然、午前にお会いしたみすず書房の方が植田さんの本を担当してこられた方で、『集合住宅物語』は、もう残りがないのだとか。帰宅して、すぐに入手の手配をする。>
(1月9日 今村創平さんのfacebookより)
先日、弘前の石場旅館からの若い人たちへの贈り物を引き受けてくださった建築家の今村創平さんが初日に来廊され上掲のコメントをfacebookに寄せてくださいました。
あいにく(というか、このところ連日)亭主は体調がまったく戻らず、肝心の師匠の展覧会初日さえも出勤できず、今村さんともお会いできませんでした。
子供の頃からアレルギー体質だったのですが、それがここに来ていっぺんに爆発したらしい。出勤しても半日ももたず、すごすご早退しています。
本来なら年末に片付けなければならない仕事、締め切りをとっくに過ぎた約束等々、皆様にはたいへんご迷惑をおかけしており、お詫びする次第です。
ただいま開催中の「植田実写真展―都市のインク 端島複合体、同潤会アパートメント」には、端島複合体、同潤会アパートメントの二つのシリーズを展示していますが、狭い会場なので実は全点を展示できておりません。
詳しくは出品リストをご覧いただきたいのですが、本日は端島複合体シリーズ20点をご紹介します。
<長崎の端島(軍艦島)は明治年間以来長年にわたり三菱鉱業の所有する石炭採掘の基地として、1974年の閉山までひとびとが働き、家族が生活していました。今回展の写真はその閉山直後に取材で行ったときのものです。長崎港から約18キロの沖にある小さな孤島に超高密度の建築複合体が大正から昭和40年代にかけて形成されていった結果は、アカデミックな建築・都市の計画概念をはるかにこえた懐かしい村であり未来的な街でありました。同時にその出自の特異性はこの建築複合体の印象に結びつけられ、無人のままさらに長い歳月が過ぎた現在は、一種の廃墟観光の対象にされてしまっています。けれども40年前に訪ねたとき、私に襲いかかってきたのは何よりも、それぞれの建築が海や風や雨の苛酷な力に立ち向かう戦闘士としての圧倒的な巨大さ強靭さでした。ひとびとが立ち去ったあとに取り残されたそれらの建築群はまだ人間の体熱に応えようとしている、それだけを撮りたかったように覚えています。>
(植田実)
出品No.1)
植田実
「端島複合体」(1)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.2)
植田実
「端島複合体」(2)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.3)
植田実
「端島複合体」(3)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.4)
植田実
「端島複合体」(4)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.5)
植田実
「端島複合体」(5)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.6)
植田実
「端島複合体」(6)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.7)
植田実
「端島複合体」(7)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.8)
植田実
「端島複合体」(8)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.9)
植田実
「端島複合体」(9)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.10)
植田実
「端島複合体」(10)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.11)
植田実
「端島複合体」(11)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.12)
植田実
「端島複合体」(12)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.13)
植田実
「端島複合体」(13)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.14)
植田実
「端島複合体」(14)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.15)
植田実
「端島複合体」(15)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.16)
植田実
「端島複合体」(16)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.17)
植田実
「端島複合体」(17)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.18)
植田実
「端島複合体」(18)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.19)
植田実
「端島複合体」(19)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.20)
植田実
「端島複合体」(20)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
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◆ときの忘れものは2015年1月9日[金]―1月23日[金]「植田実写真展―都市のインク 端島複合体、同潤会アパートメント」を開催しています(*会期中無休)。
2003年度の日本建築学会文化賞を受賞するなど、建築評論、編集者として長年活躍し続ける植田実が、長年撮りためてきた写真作品を初めて公開したのは2010年のときの忘れものでの「植田実写真展―空地の絵葉書」でした。70歳を超えての初個展でした。
二度目の個展となる本展では〈端島複合体〉〈同潤会アパートメント〉の写真と、61年に8mmフィルムで撮影した《丸の内赤煉瓦街》の映像をご覧いただきます。
●1月16日(金)19時より植田実さんと降旗千賀子さん(目黒区美術館学芸員)を迎えてギャラリートークを開催しますが、既に定員に達しましたので、受付は終了しました。
今日は初日であったため、植田さんも会場にいらして、少しお話した(明日、明後日も在廊と漏れ聞き来ました)。金沢の「ジャパン・アーキテクト展」の後始末をしなくてはいけないねと言われた(何のことかは、込み入った話で簡単に書けないので省略。思わせぶりですみませんが。基本的にはあの展覧会には未決の部分があるということ)。このギャラリーと植田さんの関係は深く(ギャラリーのサイトでエッセイも連載されています)、私が植田さんに初めてお会いしたのも、10数年前このギャラリーでであった。
偶然、午前にお会いしたみすず書房の方が植田さんの本を担当してこられた方で、『集合住宅物語』は、もう残りがないのだとか。帰宅して、すぐに入手の手配をする。>
(1月9日 今村創平さんのfacebookより)
先日、弘前の石場旅館からの若い人たちへの贈り物を引き受けてくださった建築家の今村創平さんが初日に来廊され上掲のコメントをfacebookに寄せてくださいました。
あいにく(というか、このところ連日)亭主は体調がまったく戻らず、肝心の師匠の展覧会初日さえも出勤できず、今村さんともお会いできませんでした。
子供の頃からアレルギー体質だったのですが、それがここに来ていっぺんに爆発したらしい。出勤しても半日ももたず、すごすご早退しています。
本来なら年末に片付けなければならない仕事、締め切りをとっくに過ぎた約束等々、皆様にはたいへんご迷惑をおかけしており、お詫びする次第です。
ただいま開催中の「植田実写真展―都市のインク 端島複合体、同潤会アパートメント」には、端島複合体、同潤会アパートメントの二つのシリーズを展示していますが、狭い会場なので実は全点を展示できておりません。
詳しくは出品リストをご覧いただきたいのですが、本日は端島複合体シリーズ20点をご紹介します。
<長崎の端島(軍艦島)は明治年間以来長年にわたり三菱鉱業の所有する石炭採掘の基地として、1974年の閉山までひとびとが働き、家族が生活していました。今回展の写真はその閉山直後に取材で行ったときのものです。長崎港から約18キロの沖にある小さな孤島に超高密度の建築複合体が大正から昭和40年代にかけて形成されていった結果は、アカデミックな建築・都市の計画概念をはるかにこえた懐かしい村であり未来的な街でありました。同時にその出自の特異性はこの建築複合体の印象に結びつけられ、無人のままさらに長い歳月が過ぎた現在は、一種の廃墟観光の対象にされてしまっています。けれども40年前に訪ねたとき、私に襲いかかってきたのは何よりも、それぞれの建築が海や風や雨の苛酷な力に立ち向かう戦闘士としての圧倒的な巨大さ強靭さでした。ひとびとが立ち去ったあとに取り残されたそれらの建築群はまだ人間の体熱に応えようとしている、それだけを撮りたかったように覚えています。>
(植田実)
出品No.1)植田実
「端島複合体」(1)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.2)植田実
「端島複合体」(2)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.3)植田実
「端島複合体」(3)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.4)植田実
「端島複合体」(4)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.5)植田実
「端島複合体」(5)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.6)植田実
「端島複合体」(6)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.7)植田実
「端島複合体」(7)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.8)植田実
「端島複合体」(8)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.9)植田実
「端島複合体」(9)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.10)植田実
「端島複合体」(10)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.11)植田実
「端島複合体」(11)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.12)植田実
「端島複合体」(12)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.13)植田実
「端島複合体」(13)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.14)植田実
「端島複合体」(14)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.15)植田実
「端島複合体」(15)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.16)植田実
「端島複合体」(16)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
出品No.17)植田実
「端島複合体」(17)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.18)植田実
「端島複合体」(18)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.19)植田実
「端島複合体」(19)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
26.9x40.4cm
Ed.5 Signed
出品No.20)植田実
「端島複合体」(20)
1974 (Printed in 2014)
Gelatin silver print
40.4x26.9cm
Ed.5 Signed
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆ときの忘れものは2015年1月9日[金]―1月23日[金]「植田実写真展―都市のインク 端島複合体、同潤会アパートメント」を開催しています(*会期中無休)。
2003年度の日本建築学会文化賞を受賞するなど、建築評論、編集者として長年活躍し続ける植田実が、長年撮りためてきた写真作品を初めて公開したのは2010年のときの忘れものでの「植田実写真展―空地の絵葉書」でした。70歳を超えての初個展でした。二度目の個展となる本展では〈端島複合体〉〈同潤会アパートメント〉の写真と、61年に8mmフィルムで撮影した《丸の内赤煉瓦街》の映像をご覧いただきます。
●1月16日(金)19時より植田実さんと降旗千賀子さん(目黒区美術館学芸員)を迎えてギャラリートークを開催しますが、既に定員に達しましたので、受付は終了しました。
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