野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」 第9回
Working towards new exhibition after Art Fair Tokyo


アートフェア東京を終えて

3月のアートフェア東京はときの忘れものさんのブースから初出展させて頂き、とても良い経験ができました。
時々会場内を観て周り、今の旬なアートを観て周りました。
先に韓国シンガポールなど海外のアートフェアへの出展を経験させて頂いていたので、日本最大のアートフェアとはいえ、会場全体も各ブースもやや狭く、迫力ある大作も少なく感じましたが、集結した作品のクオリティは高く、日本らしさのような、濃縮された密度の高さを感じました。
このアートフェアで自分の作品がどういう評価を受けたのかはわかりませんが、作家としてあの場に負けない作品を展示できたとは思っています。

ただ、大作の「Landscape#32」は2ヶ月程かけてじっくりと手を入れた為印象が大きく変わったので、昨年の個展で観て頂いている方々からも、「同じ作品だとは思わなかった」「新作だと思った」「もはや別物」「これは手直しではなく進化ですね」などのお言葉を頂きました。
また皆さんに、以前よりも良い作品になったと言って頂いたので、時間をかけて手を入れた甲斐がありました。
本来は昨年の個展の際にここまでもっていければ一番良かったのだと思いますが、通過点として、一旦完成形があった上での進化ではあったので、それはそれで良かったのだと今は思っています。
とはいえ、一旦完成してから個展までの間に、家でじっくりと寝かす時間がもしあったならば、この進化した所まで持っていってから個展に出す事もできたかもしれないので、
やはりいつも時間ギリギリで突っ走るというのは良くないなと、反省しました。

DSC_2713アートフェア東京にて


今現在は、近々4月28日(火)~5月10日(日)まで、京都で開催する父との二人展の為の新作制作でドタバタとしております。
父との二人展は2年おきに開催しており、今回で3度目になります。
ここで宣伝させて頂くのは申し訳ありませんが、会期中にゴールデンウィークが入るので、京都へお越しになる用などございましたらぜひお立ち寄りくださいませ。
作品は大作から小作品まで、新作在庫作合わせ9点程出展予定で、父は20点程になるのではと思います。
また、昨年のときの忘れものさんでの個展に出展しておりました「I think」M6号を切断し、同じサイズのパネルと再構成したような変な作品も出展致します。
画像はまだ途中段階のものですが、出展作品の一部です。
どうぞよろしくお願い致します。

新作制作途中1新作(途中段階)


新作制作途中2新作(途中段階)


新作制作途中3新作(途中段階)


DSC_3096新作(途中段階)


のぐち たくろう

●展覧会のお知らせ
yasushi&takuro_haku15
「箔画 野口康・琢郎 展」
会期:2015年4月28日[火]~5月10日[日]
会場:ポルタギャラリー華
時間:11:00~19:00(最終日は17:00閉場)

野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。

◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。

●今日のお勧め作品は、野口琢郎です。
20150415_noguchi_27_wish野口琢郎
「I wish」
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀箔、石炭、樹脂、アクリル絵具)
45.5x37.9cm
サインあり


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