先月皆様にご協力いただいた「ここから熊本へ~地震被災者支援展」では、画廊コレクションより100点を出品し、特別価格8,000で頒布しました。
売上げ金は627,000円に、その後東京のSさんから7,500円の寄付が加わり、総額634,500円となりました
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634,500円は全額を被災地に送金しました。

送金先については、以下のような基準で、亭主の大学時代の同級生(熊本在住、今回の地震の被災者でもあります)はじめ各方面に相談しました。
1)なるべく直接現金をお送りし、直ぐにお役に立って欲しい。
2)自治体など公的機関ではなく、支援が届きにくい民間の団体、個人を対象にしたい。
3)画廊のコレクションを提供して集まったお金なので、被害を受けた文化財的なものも対象にしたい。

地震直後に現地に取材に入りウエブマガジン「コラージ臨時増刊号」でレポートした塩野哲也さんは、その後もデザイン関係で集めた義捐金を直接現地にお届けに行ったりしました。
数ヶ月経った今もなかなか復興が進まない被災地の生々しい状況を塩野さんからお聞きすることができ、熟慮の結果、一番被害の大きかった益城町でお年よりや子供たちのケアに尽力されている木山キリスト教会に400,000円を、
熊本市の城下町の風情を残す唐人町で被災した大正初期に建てられた築100年の商家(カフェアンドギャラリーなどが入居、一時は解体も検討された)の西村家の復興資金に234,500円を、それぞれ送金いたしました。

木山キリスト教会(益城町 惣領地区)に400,000円送金
40年ほど前に、藤本聖子牧師により、益城町木山地区での開拓伝道がはじまり、現在は惣領地区にて10年ほど前に建てた教会で活動されています。
被災時は周辺の建物が倒壊する中、唯一無事に残ったため、全国から駆けつけたボランティアの方々の拠点となり、救援物資やボランティアのハブ施設として活躍しました。
避難所に避難できない高齢者への巡回支援や、遊び場のない子どもたちを預かるなど、また炊き出しを行ったりコンサートなどを開催し、地域に密着した活動を行なっていらっしゃいます。
藤本牧師はご高齢のため、震災後は小田真由美牧師が跡を継いでいます。
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●西村家(熊本市 唐人町)に234,500円送金
熊本の城下町のふぜいを残す唐人町には、江戸末期から大正期に建てられた町家が並び、カフェやレストランなどに活用されています。震災では大きな被害をうけ、解体が始まった家もあります。
西村家は熊本市重要景観建築物に指定された、大正初期に建てられた築100年の商家です。燃料を扱っていたため、両側にレンガ壁を立て、道路側は店舗と倉庫、奥が母屋になっています。
震災前は<熊本まちなみトラスト>などの協力で、店舗部分を「器季家(キキヤ)」というカフェアンドギャラリーが利用し、奥の母屋ではオーナーの西村正代さん(現在は八代に避難されています)が暮らしていました。
震災後は一時解体も検討されましたが、熊本に1軒の貴重な建物ということで修復作業が始まりました。大学の先生などが調査してくれたものの、公的な資金援助はわずかで、大半は自己資金で修復するとのことなので、ときの忘れものからの義捐金が少しでもお役に立てたらと思っています。

熊本まちなみトラスト
熊本まちなみトラストは「記憶の継承」を基本コンセプトとして熊本の明日を語り、行動する非営利の市民団体です。
熊本市西唐人町の器季家カフェでは、熊本まちなみトラストのメンバーの方々が震災後の町家再生に関して当番で相談を受けられています。
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塩野哲也さんが毎月発行されているWebマガジン Colla:J(コラージ)5月号臨時増刊号より、ご許可を得て画像を転載させていただきます。

012016年4月27日取材
「益城町」フォトレポート


02街に近づくにつれ、屋根などに被害を受けた家が目立ってきます。


03被害の大きい益城町惣領地区に入りました。


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05「応急危険度判定」が急ピッチですすめられました。


06自動車道路から一歩入ると、農家の家や納屋、木造アパートが並んでいます。


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091階部分が押しつぶされた2階建てを多く見ました。


10農家の皆さんは農機具の破損を憂いていました。


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15秋津川ぞいの「木山キリスト教会」には、ボランティアの方々が集まっていました。


16難を逃れた教会の建物には全国からの支援物資が集積され、地域の方々に届けられています。


皆様の暖かいご支援、ご協力に心より感謝いたします。
ときの忘れもの スタッフ一同


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今日の夕方はときの忘れものに。現在開催中なのはルイーズ・ニーヴェルスンというアメリカの作家の個展。主に彫刻で活躍した人で、廃品・廃材を真っ黒に塗って組み合わせた箱状の彫刻という様式を手掛けてきたそう。
 今回展示されているのは彫刻では無く大判のシルクスクリーン作品。抽象的な形、ちょっとブラッシュストローク的なタッチ(でもシルクスクリーン)、中間色といったあたりが特徴で、僕はどことなく『具体』の作家たちの作品を思い出した。画面の一部がヴェールで覆われたような色合いになっている作品など、とても知的な印象ととても穏やかな色合いとのバランスが素晴らしい。作品が大判なため展示数は7点と少ないが、じっくり見入ってしまった。
林光一郎さんのブログより)>

ルイーズ・ニーヴェルスン展は本日が最終日です。
会期:2016年7月5日[火]~7月23日[土] *日曜、月曜、祝日休廊
05アメリカを代表する女性彫刻家であるルイーズ・ニーヴェルスン。ウクライナのキエフに生まれ、幼少時にアメリカへ移住した彼女は、1950年代より主に黒で彩色した木製の箱状彫刻を制作し、独自の様式を確立します。以後20年以上にわたり一貫して黒い箱や廃物が増殖するかのような作品を制作し、世界各地で展覧会を開くほかパブリック・アートも手がけました。本展では1973~1975年に制作された大判の版画作品をご覧頂きます。

15出品No.15)
ルイーズ・ニーヴェルスン
「7309」
1973年
シルクスクリーン
Image size: 98.7×72.5cm
Sheet size: 106.8×76.1cm
Ed.20   Signed

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