今年の夏休みはリハビリ中ということもあり、遠出もせず、いくつかの展覧会と映画、そして積んどいた本を崩しながら静かに過ごしました。
一年前に買っておきながら積んどいた一冊に藤吉雅春『福井モデル 未来は地方から始まる』(文藝春秋)があります。
亭主の新聞社時代から北陸三県(富山、石川、福井)はあらゆる統計でダントツの全国一位でした。子供の学力、車や持ち家率、生活水準、その他もろもろ、この本も具体的な数字やエピソードを交えて人口減、衰退の一途をたどる日本の未来はどうあるべきかを論じています。
福井における教育の取り組みこそが将来の日本に希望をもたらすという結論なのですが、前半の富山を論じた中にいくつか印象に残る話(エピソード)がありました。
コンパクトシティ政策で注目を浴びている富山市長の森雅志さんは講演や討論会で海外への出張も多い。ここで例の舛添さんを思いだしますが、森さんの海外への出張旅費は税金ゼロ。市長の個人後援会が「躊躇することなく視察できるように後援会費を出しているんだから、惜しみなくカネを使ってアイディアを持ち帰って来てくれ」と負担しているとか。
昔は井戸塀政治家という言葉がありました。権謀術数の限りを尽くし(己の利益のためではなく)、ともに暗殺によって生涯(政治への夢)を断たれた星亨も原敬も、死して残ったのは借金だけだったとか。足尾鉱毒事件の田中正造もそうですね。昨今の「たかり」政治家ばかりを見ていると、森市長の話がさわやかに見えます。
寂れた港町だった岩瀬を蘇らせた「土地者」の酒屋桝田隆一郎さんは「若者」「よそ者」「バカ者」を引き寄せることが復活につながると考えた。バカ者の一人に平成バカラシー運動を主宰するトムスマ・オルタナティブがいます。アートは直接的な力はないけれど、確実に人を変える力を持っている、それを信じられる「目利き」がいるというのが重要です。バカ者を相手にする画商としても考えさせられることの多い本でした。
この秋は海外のアートフェアへの出展が大きなウエイトを占めており、ようやく年内の予定が決まりました。
画廊の展覧会だけでしたら一年後の予定も組めるのですが、海外のアートフェアとなると申し込みから審査を経て出展Go となるまで紆余曲折があります。今年はめでたく台北のアートフェアには通りましたが、実は昨年は審査で落とされていました。そんなわけでアートフェアの出展が決まらないと国内の予定も立てられません。
今秋はアートフェア(福岡、ソウル、台北)出展を軸に、毎月の展覧会(5本)、ギャラリー・トーク(2~3回、直近は9月30日)、ギャラリー・コンサート(2回、直近は9月17日)、年末恒例となりつつある入札会(戦後の前衛美術'50~'70 PartⅢ S氏コレクションより)と盛りだくさんの企画を準備しています。
亭主は口だけで、追いまくられるのは社長とスタッフたち(ご苦労さまです)。
■2016年9月1日(木)~9月10日(土)「アール・デコの作家~バルビエ、エルテ、ラブルール、カッサンドル展」
■2016年9月9日(金)~12日(日)「ART FAIR ASIA / FUKUOKA 2016」に出展(ホテルオークラ福岡)
■2016年9月17日(土)16時~17時「ときの忘れもの・拾遺 ギャラリーコンサート第3回 独奏チェロによるJ.S.バッハと20世紀の音楽」(チェロ独奏:富田牧子、要予約)
■2016年9月20日(火)~10月8日(土)「光嶋裕介新作展 ~和紙に挑む~幻想都市風景」
*9月30日19時~松家仁之さんと光嶋裕介さんによるギャラリートークを開催します(要予約)。
■2016年10月12日(水)~16日(日)「KIAF 2016」に出展(ソウル)
■2016年10月12日(水)~10月22日(土)「山口長男とM氏コレクション展」
■2016年11月1日(火)~11月12日(土)「ルリユール 書物への偏愛」(仮題)
■2016年11月12日(土)~11月15日(火)「Art Taipei 2016」に出展(台北)
■2016年11月26日(土)~12月3日(土)「戦後の前衛美術‘50-70 Part Ⅲ(入札)」
■2016年12月15日(木)~12月28日(水)「第3回アートブック・ラウンジ」
■年末に第4回「ときの忘れもの・拾遺 ギャラリーコンサート」を予定していますが、開催日は調整中です。
どうぞご期待ください。
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●本日のお勧めは小野隆生の初期作品です。

小野隆生
《剽窃断片図(フェルメール)》
1976年 油彩
イメージサイズ:33.0×24.3cm
フレームサイズ:49.5×40.4cm
サインあり
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
一年前に買っておきながら積んどいた一冊に藤吉雅春『福井モデル 未来は地方から始まる』(文藝春秋)があります。
亭主の新聞社時代から北陸三県(富山、石川、福井)はあらゆる統計でダントツの全国一位でした。子供の学力、車や持ち家率、生活水準、その他もろもろ、この本も具体的な数字やエピソードを交えて人口減、衰退の一途をたどる日本の未来はどうあるべきかを論じています。
福井における教育の取り組みこそが将来の日本に希望をもたらすという結論なのですが、前半の富山を論じた中にいくつか印象に残る話(エピソード)がありました。
コンパクトシティ政策で注目を浴びている富山市長の森雅志さんは講演や討論会で海外への出張も多い。ここで例の舛添さんを思いだしますが、森さんの海外への出張旅費は税金ゼロ。市長の個人後援会が「躊躇することなく視察できるように後援会費を出しているんだから、惜しみなくカネを使ってアイディアを持ち帰って来てくれ」と負担しているとか。
昔は井戸塀政治家という言葉がありました。権謀術数の限りを尽くし(己の利益のためではなく)、ともに暗殺によって生涯(政治への夢)を断たれた星亨も原敬も、死して残ったのは借金だけだったとか。足尾鉱毒事件の田中正造もそうですね。昨今の「たかり」政治家ばかりを見ていると、森市長の話がさわやかに見えます。
寂れた港町だった岩瀬を蘇らせた「土地者」の酒屋桝田隆一郎さんは「若者」「よそ者」「バカ者」を引き寄せることが復活につながると考えた。バカ者の一人に平成バカラシー運動を主宰するトムスマ・オルタナティブがいます。アートは直接的な力はないけれど、確実に人を変える力を持っている、それを信じられる「目利き」がいるというのが重要です。バカ者を相手にする画商としても考えさせられることの多い本でした。
この秋は海外のアートフェアへの出展が大きなウエイトを占めており、ようやく年内の予定が決まりました。
画廊の展覧会だけでしたら一年後の予定も組めるのですが、海外のアートフェアとなると申し込みから審査を経て出展Go となるまで紆余曲折があります。今年はめでたく台北のアートフェアには通りましたが、実は昨年は審査で落とされていました。そんなわけでアートフェアの出展が決まらないと国内の予定も立てられません。
今秋はアートフェア(福岡、ソウル、台北)出展を軸に、毎月の展覧会(5本)、ギャラリー・トーク(2~3回、直近は9月30日)、ギャラリー・コンサート(2回、直近は9月17日)、年末恒例となりつつある入札会(戦後の前衛美術'50~'70 PartⅢ S氏コレクションより)と盛りだくさんの企画を準備しています。
亭主は口だけで、追いまくられるのは社長とスタッフたち(ご苦労さまです)。
■2016年9月1日(木)~9月10日(土)「アール・デコの作家~バルビエ、エルテ、ラブルール、カッサンドル展」
■2016年9月9日(金)~12日(日)「ART FAIR ASIA / FUKUOKA 2016」に出展(ホテルオークラ福岡)
■2016年9月17日(土)16時~17時「ときの忘れもの・拾遺 ギャラリーコンサート第3回 独奏チェロによるJ.S.バッハと20世紀の音楽」(チェロ独奏:富田牧子、要予約)
■2016年9月20日(火)~10月8日(土)「光嶋裕介新作展 ~和紙に挑む~幻想都市風景」
*9月30日19時~松家仁之さんと光嶋裕介さんによるギャラリートークを開催します(要予約)。
■2016年10月12日(水)~16日(日)「KIAF 2016」に出展(ソウル)
■2016年10月12日(水)~10月22日(土)「山口長男とM氏コレクション展」
■2016年11月1日(火)~11月12日(土)「ルリユール 書物への偏愛」(仮題)
■2016年11月12日(土)~11月15日(火)「Art Taipei 2016」に出展(台北)
■2016年11月26日(土)~12月3日(土)「戦後の前衛美術‘50-70 Part Ⅲ(入札)」
■2016年12月15日(木)~12月28日(水)「第3回アートブック・ラウンジ」
■年末に第4回「ときの忘れもの・拾遺 ギャラリーコンサート」を予定していますが、開催日は調整中です。
どうぞご期待ください。
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●本日のお勧めは小野隆生の初期作品です。

小野隆生
《剽窃断片図(フェルメール)》
1976年 油彩
イメージサイズ:33.0×24.3cm
フレームサイズ:49.5×40.4cm
サインあり
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