青山から駒沢(ママ)のスペースに移ったばかりの、「ときの忘れ物」で、移転記念コレクション展を最終日に観た。ギャラリーはビルを三回まで使った広い空間で、エントランスが開放的な構造となっておりきれいな中庭もあった。
ふらっと行ったのだが、新しいスペースや展示作品について丁寧に教えていただけて勉強になった。瀧口修三の他のアーティストに贈る水彩作品、(調度であるが)磯崎新の独特の形の椅子シリーズ、ジム・ダインの版画、瑛九のフォトデッサン、 松本俊介のドローイングなどを観ることができてよかった。
現代系版画工房の活動も行っていてそれとギャラリーが合わさった活動をしてきたということで、引き継いだ歴史の厚みを感じられる。版画作品を載せた同名の美術誌も発行してきており、本がたくさん並んでいるのにも興味を惹かれたスペースだった。

(矢田滋さんのtwitterより)>
*註:駒沢ではなく、駒込です。

29日に終了した移転記念コレクション展でしたが、おかげさまで初めての方が結構多く、お友達に誘われた若い人たちにもたくさん来ていただきました。これを機に平均年齢がぐっと下がることを期待しましょう。
駒込のコンクリート打ち放しの空間には壁面が少なく、平面作品の展示には工夫が必要です。
今後は二ヶ月に一本程度の「企画展」(一階から三階まで全館を使用)と、二階の図書室周辺での小規模な「今週の特集展示」を交互に開催して行きたいと考えています。当分は試行錯誤が続くでしょうが、暖かな目で、長~い目で見守っていただければ幸いです。

本日(月曜)は休廊ですが、明日1日からは「今週の特集展示:アジェとドアノー」をご覧いただきます。

●「今週の特集展示:アジェとドアノー」
201708
会期:2017年8月1日[火]~8月5日[土]
11:00~18:00

パリを捉えた二人の作家、ジャン=ウジェーヌ・アジェロベール・ドアノーの作品をご覧いただきます。


a_01ジャン=ウジェーヌ・アジェ
《サント・フォア通り24-26番地》
ゼラチンシルバープリント
Image size: 17.5x23.0cm
Sheet size: 17.5x23.0cm
*ピエール・ガスマンによるプリント


こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

ジャン=ウジェーヌ・アジェ Jean-Eugene ATGET(1857-1927)
フランスの写真家。1857年フランス南西部のリブルヌに生まれる。両親を亡くし、5~6歳頃に叔父に引きとられる。1879年に音楽家や俳優を養成する学校のコンセルヴァトワールに通うが、兵役のために演劇学校を中退し、地方回りの役者になる。1886年、生涯の伴侶となる女優ヴァランティーヌ・ドラフォスに出会い、旅回りを続ける。1897~1902年の間にヴァランティーヌはラ・ロッシュで公演をするが、アジェは1898年に劇団を解雇される。一人パリに戻って、画家を目指すが、生活のために写真を撮り始める。初期の頃は、路上で物売りする人々の写真を撮っていたが、20世紀前後のパリの建築物や室内家具などを撮り始める。1927年、歿。30年間に約8000枚の写真を残し、作品の多くは、死後発掘公表された。フランス第三共和政下のパリの様子をとどめた貴重な記録であり、都市風景を撮影する手本として評価された。

d_01ロベール・ドアノー
《Un regard oblique 斜めの視線》
1948年撮影(1978年プリント)
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:33.5x37.7cm
シートサイズ:50.7x60.8cm


d_02ロベール・ドアノー
《Creature de reve 夢の想像物》
1952年
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:38.5x32.5cm
シートサイズ:60.5x50.5cm


d_05ロベール・ドアノー
《L'ENFER キャバレー地獄》
1952年
ゼラチンシルバープリント
35.0×24.5cm
サインあり


d_03ロベール・ドアノー
《La palme de Picasso》
1952年撮影(1977年プリント)
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:22.3x34.0cm
シートサイズ:30.5x40.3cm
サインあり


d_04ロベール・ドアノー
《Le ptit balcon かわいいバルコニー》
1953年
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:24.0x34.5cm
シートサイズ:30.3x40.5cm
サインあり


こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

ロベール・ドアノー Robert DOISNEAU(1912-1994)
1912年パリ郊外のジョンティイ生まれ。印刷会社でリトグラフの仕事を経験後、1931年写真家に転向。1934年ルノー自動車で広告、工業写真家として勤務し、1939年に独立するが、すぐに召集を受ける。パリ陥落後はレジスタンス活動に加わる。戦後は1946年にラフォ通信社に参加し、フリー写真家として「パリ・マッチ」などのフォトジャーナリズム分野で活躍。一方、1948年から1952年まではファッション誌の「ヴォーグ」の仕事も行う。パリの庶民生活をエスプリを持って撮影し、もっともフランス的な写真家として根強い人気がある。1947年にコダック賞、1956年にニエペス賞を受賞。また、シカゴ美術館(1960年)、フランス国立図書館(1968年)、ジョージ・イーストマン・ハウス(1972年)をはじめ世界中の主要美術館で回顧展が開催されています。1994年、歿。

●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~18時。日・月・祝日は休廊。

JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
12