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ときは今から35年前の1982年4月3日、ところは今もある神田神保町・美学校
美学校第3回シルクスクリーンプリントシンポジウムのパネル討論会が開催されました。
左から岡部徳三、赤瀬川原平、柏原えつとむ、高橋雅之、堀浩哉、松本旻、
皆さん難しい顔ししていますが、観客たちはご覧の通り、明るいですね。
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現代版画センターは「版画の版元」として80作家・約700点をエディションしましたが、1番から724番まで付けられたエディション番号には欠番がいくつかあります。
作家と合意してエディションに取り掛かったものの実現しなかったものです。斎藤義重先生もその一人、あの急坂をのぼり幾度もお宅に通いましたが・・・・。
またチャンスはあったものの、亭主の優柔不断さと諸般の事情(もちろん経済状況です)でエディションし損なった作家もいます。
赤瀬川原平先生と、松澤宥先生のお二人は美学校の講師をしていて、このプリントシンポジウムの仕掛け人岡部徳三先生に頼めば実現できたでしょう、今思うと残念ですね。

赤瀬川 原平(1937年- 2014年)先生が亡くなって3年余、「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」が再評価され、通貨及証券模造取締法違反にとわれた裁判では有罪判決を受けたにも関わらず、いまや大日本零円札は世界のオークションで天文学的数字で落札されるなど、その過激な(本人は実に穏やかな)前衛的作品がますます光彩を放っています。

市場に流通するような作品は余り制作しなかった赤瀬川先生ですが、今日ご紹介するのは珍しくまとまった形でのポートフォリオです。
トマソン黙示録』14点組は、1988年に佐谷画廊から限定50部が刊行されました。

タイトルの由来は、
1972年赤瀬川が、南伸坊、松田哲夫とともに四谷を歩行中、ただ昇って降りるだけの意味不明な階段を発見。これは、階段としてきわめて純粋であった(ある意味で純粋芸術に似ており、まるで「もの派のようだと言って赤瀬川らは興奮した)。「四谷の純粋階段」、また「四谷怪談」のしゃれで「四谷階段」と称した。その後、いくつかの類例が見つかり、また「美学校・絵文字工房」で紹介すると、生徒からも同様の発見が多く集まった。当時、読売ジャイアンツに高額の契約金で雇われたゲーリー・トマソン選手が役に立たなかったことにちなみ、「超芸術トマソン」と命名された。(Wikipediaより)

●赤瀬川原平「トマソン黙示録」
tomason-tatouトマソン黙示録 たとう
1988年
オフセット印刷、エンボス
シートサイズ:36.4x51.5 cm
タトウサイズ:38.0x53.5x2.0 cm
Ed.17/50 Signed

DSC_0006トマソン黙示録 扉ページ

DSC_0007トマソン黙示録 奥付

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奥付拡大

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タイトル及び撮影場所


tomason-01トマソン黙示録 より「真空の踊り場・四谷階段」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:19.0x28.5 cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

tomason-02トマソン黙示録 より「徒歩者用のダム」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:19.0x28.5 cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

tomason-03トマソン黙示録 より「通り抜けた家」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:19.0x28.5 cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

tomason-04トマソン黙示録 より「無用の庇窓の夢」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:25.0x37.0cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

tomason-05トマソン黙示録 より「午後3時・影の越境するとき」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:25.0x37.0cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

tomason-06トマソン黙示録 より「雨上がりの体重計」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:25.0x37.0cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

tomason-07トマソン黙示録 より「風のコード」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:25.0x37.0cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

tomason-08トマソン黙示録 より「凹んだ凸・両性具有」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:25.0x37.0cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

tomason-09トマソン黙示録 より「同じ日のハレー彗星*」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:25.0x37.0cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

tomason-10トマソン黙示録 より「セメントーフ」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:25.0x37.0cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed


tomason-11トマソン黙示録 より「干渉縞」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:25.0x37.0cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

tomason-12トマソン黙示録 より「駐車場の中の主」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:25.0x37.0cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

tomason-13トマソン黙示録 より「なおも画鋲で留めた記憶」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:25.0x37.0cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

tomason-14トマソン黙示録 より「獰猛な肛(テールランプ)門」
1988年
オフセット印刷、エンボス
イメージサイズ:25.0x37.0cm
シートサイズ:36.5x51.5 cm
Ed.17/50 Signed

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ときの忘れものの通常業務は平日の火曜~土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。

◆埼玉県立近代美術館で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が開催されています。現代版画センターと「ときの忘れもの」についてはコチラをお読みください。
詳細な記録を収録した4分冊からなるカタログはお勧めです。ときの忘れもので扱っています。
会期:2018年1月16日(火)~3月25日(日)
埼玉チラシAY-O600現代版画センターは会員制による共同版元として1974年~1985年までの11年間に約80作家、700点のエディションを発表し、全国各地で展覧会、頒布会、オークション、講演会等を開催しました。本展では45作家、280点の作品と、機関誌等の資料、会場内に設置した三つのスライド画像によりその全軌跡を辿ります。

○<版画の景色 現代版画センターの軌跡(埼玉県立近代美術館、~3.25)。膨大な展示作品もさることながら、バインダーやクリアファイルに整理された現代版画センターの生の資料を手にとって閲覧できるところがすばらしい。ここで半年ぐらい過ごせそうなヴォリューム
現代版画センターの軌跡。図録などを斜め読みした範囲でよく分からなかったのは、10年目にしてなぜ倒産してしまったのかということ。1985年と言えばこれからバブルに向かう頃。市場が悪かったわけでもない。会員数や売り上げが落ちていたわけでもないらしい。ウォーホルに手を出したことが原因か。
クリアファイルに入っていた『月間美術』のコピーには、「放漫経営」と書かれていたが、じっさいのところどうだったのだろう。というような話をたまたま会場を通りすがったHさんとしていたら、「ときの忘れものに聞きに行けばいいですよ」と言われました。そのとおりですね ^^;
図録のテキストで微妙なニュアンスで触れられていたけれども、当事者がたくさんいるなかで、分かっていて書けない部分もあるだろうし、一方からの話だけで書くわけにも行かないだろうしというもどかしさを感じたのでした。
現代版画センターの軌跡。版画作品では、磯崎新、安藤忠雄、菅井汲が良いですね。ウォーホルは、ポートレートなどの見慣れた作風とは少し違っていて、良いです。会場に置かれている資料には当時の頒布価格が記載されていて、あのときに買っていれば今頃は……と妄想するのもまた一興。
ギャラリーの展示ならともかく、公立美術館で作品の価格が分かる展覧会ってなかなかないですよね ^^

(20180210/passerby‏ さんのtwitterより)>

○<埼玉近美に行く。現代版画センターの活動軌跡を追うもので1985年に倒産したと言うから僕の生まれる前だ。宮脇愛子、安藤忠雄、ジョナス・メカス(!)などの版画があってエモい。
(20180210/伊勢周平さんのtwitterより)>

○<午後から埼玉県立近代美術館に「版画の景色」を見に行って来ました🎵作品量が多く、見応えがあって、版画の魅力の再認識になりました😊コレクションのガイドさんのお話は小村雪岱や藤田嗣治とかの見方などを話し合いの中で深める方法で素晴らしかったです。
(20180208/masatan‏さんのtwitterより)>

○<久しぶりに埼玉県立美術館。
久しぶりの現代版画センター。
懐かしい顔ぶれ。若かりし金子さんの顔も。

(20180209/もりぐち しげあきさんのfacebookより)>

西岡文彦さんの連載エッセイ「現代版画センターという景色が始まりました(1月24日、2月14日、3月14日の全3回の予定です)。草創期の現代版画センターに参加された西岡さんが3月18日14時半~トークイベント「ウォーホルの版画ができるまでーー現代版画センターの軌跡」に講師として登壇されます。

光嶋裕介さんのエッセイ「身近な芸術としての版画について(1月28日ブログ)

荒井由泰さんのエッセイ「版画の景色―現代版画センターの軌跡展を見て(1月31日ブログ)

スタッフたちが見た「版画の景色」(2月4日ブログ)

毎日新聞2月7日夕刊の美術覧で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が紹介されました。執筆は永田晶子さん、見出しに<「志」追った運動体>とあります。

倉垣光孝さんと浪漫堂のポスター(2月8日ブログ)

嶋﨑吉信さんのエッセイ~「紙にインクがのっている」その先のこと(2月12日ブログ)

○埼玉県立近代美術館の広報誌 ソカロ87号1983年のウォーホル全国展が紹介されています。

○同じく、同館の広報誌ソカロ88号には栗原敦さん(実践女子大学名誉教授)の特別寄稿「現代版画センター運動の傍らでー運動のはるかな精神について」が掲載されています。

現代版画センターエディションNo.496 高橋雅之「BRIDGE-N」
現代版画センターのエディション作品を展覧会が終了する3月25日まで毎日ご紹介します。
496_高橋雅之《<プリント・シンポジウム>より、BRIDGE-N》高橋雅之
<プリント・シンポジウム>より《BRIDGE-N》
1982年
シルクスクリーン
Image size: 28.5×43.5cm
Sheet size: 50.1×64.9cm
Ed.50  サインあり
刷り:大滝次郎(美学校研修科)
*美学校シルクスクリーンプリントシンポジウム作品
*監修:岡部徳三

パンフレット_05
出品作家45名:靉嘔/安藤忠雄 /飯田善国/磯崎新/一原有徳/アンディ・ウォーホル/内間安瑆/瑛九/大沢昌助/岡本信治郎/小田襄/小野具定/オノサト・トシノブ/柏原えつとむ/加藤清之/加山又造/北川民次/木村光佑/木村茂/木村利三郎/草間彌生/駒井哲郎/島州一/菅井汲/澄川喜一/関根伸夫/高橋雅之/高柳裕/戸張孤雁/難波田龍起/野田哲也/林芳史/藤江民/舟越保武/堀浩哉 /堀内正和/本田眞吾/松本旻/宮脇愛子/ジョナス・メカス/元永定正/柳澤紀子/山口勝弘/吉田克朗/吉原英雄
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●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
18駒込庭
新天地の駒込界隈についてはWEBマガジン<コラージ12月号>をお読みください。18~24頁にときの忘れものが特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。