近況報告と仏教文化講座のお知らせ

君島彩子


 以前こちらのブログで、「墨と仏像と私」というタイトルのエッセーを連載させていただいていました。幼少期から絵を描くことは好きでしたが、文章を書くのが苦手だった私は、大学院生になったことをきっかけに、エッセーを書いてみようと思ったのです。水墨画を制作しているので「墨」について、そして研究対象である「仏像」について文章にしてみました。読み直すと稚拙で、恥ずかしい文章もありますが、とても良い経験になりました。
 最近は水墨画の制作ペースを落として、博士後期課程の院生として、論文を書いたり、学会発表をしたり、研究が中心の生活をおくっています。

 私の研究対象は「近代以降の仏像」です。仏像といえば、飛鳥時代から鎌倉時代までの文化財を思い出す方が多いと思います。しかし、近代以降も現在に至るまで仏像は作り続けられています。社会的背景をふまえて、近代以降に作られた仏像の研究を行うことは、美術史とは異なる視座から仏像を考えることにつながりました。研究成果がまとまりましたら、またこちらでお知らせさせていただきたいと思います。

 今回は、私が事務局を行っている仏教文化資源研究会の連続講座「らかん仏教文化講座」について紹介させていただきます。

東京都目黒区の五百羅漢寺で開催している「らかん仏教文化講座」は、既存の仏教研究枠組みにとらわれず、生活に関わりが深い近代以降につくられた仏教文化について紹介する講座です。これまで、近代彫刻としての仏像、仏像写真、仏教映画、仏教絵本などの講座を開催してまいりました。

第5回となる6月16日の講座では、清水重敦先生による「近代仏教が求めたモダン建築」と題した講演を行います。伊東忠太が設計した築地本願寺や武田五一が設計した求道会館など、近代の名建築の中には仏教に関連したものがいくつかあります。このような建築が生み出された背景についてお話いただく予定です。近代建築や近代仏教にご関心がある方はぜひご来場いただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
きみじま あやこ

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第5回らかん仏教文化講座「近代仏教が求めたモダン建築」
期日: 2018年6月16日(土) 18:00~19:30
講師:清水 重敦(京都工芸繊維大学大学院 教授)
会場:天恩山五百羅漢寺
   (東京都目黒区下目黒3-20-11)
聴講料:500円
主催:仏教文化資源研究会
予約不要ですので、直接会場にお越しください。17:30から受付を開始いたします。

君島 彩子 / KIMISHIMA AYAKO
国際日本文化研究センター総合研究大学院大学 博士後期課程。
個展:2009年タチカワ銀座スペース Åtte、2008年羽田空港 ANAラウンジ 2007年 新宿プロムナードギャラリー 2006年UPLINK GALLERY、現代Heigths/Gallery Den 2003年みずほ銀行数寄屋橋支店ストリートギャラリー 1997年Lieu-Place。グループ展:2007年8th SICF 招待作家2006年7th SICF、 浅井隆賞、 第9回岡本太郎記念現代芸術大賞展。

●君島彩子のエッセイ「墨と仏像と私」目次(2013年4月~2014年4月まで連載)
・第1回 法隆寺「百済観音」
・第2回 國立故宮博物院「青銅鍍金釈迦牟尼仏坐像」
・第3回 「弥勒菩薩半跏思惟像」
・第4回 「妙見菩薩」
・第5回 「阿修羅」
・第6回 「庄薬師堂」
・第7回 「東北で感じたこと」
・第8回 「塑像について」
・第9回 「『信貴山縁起絵巻』と法輪」
・第10回 「新年に向けて」
・第11回 「十一面観音菩薩像」
・第12回 「花を描きながら」
・第13回(最終回)「花まつり」

●今日のお勧め作品は、君島彩子です。
20180609_kimijima_34_RECALL_01君島彩子
"RECALL"
2012年
水彩紙、墨
32.0x22.0cm
サインあり


20180609_kimijima_35_THINK君島彩子
"THINK"
2012年
水彩紙、墨
32.0x22.0cm
サインあり


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阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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