先週末に終了した「内間安瑆・内間俊子展」のご報告もしないうちに、ときの忘れものは夏季休廊に突入しました。
例年通り8月11日~20日まで、10日間の休みをスタッフたちはゆっくりのんびり過ごしている(に違いない)。
ブログは執筆陣の皆様にお願いしていつもより締切りを早めて予約投稿していますので、画廊は休みですが無休で更新しています。どうぞご愛読ください。

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内間安瑆作品

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内間俊子作品

今回の「内間安瑆・内間俊子展」は会期も7月17日~8月10日と長めにとり、NY在住のご遺族をお迎えして私たちも張り切って開催したのですが、思いもかけない災害級の猛暑にぶつかってしまいました。
20180722内間家と会食2018年7月22日
東洋文庫カフェにて、内間家の皆さん、社長の跡見の後輩たちと会食

燃えるような暑さの中を4日間も在廊してお客様に対応して下さった内間家の皆様に感謝するととともに、会期の設定を間違ったことへの悔いが残ります。
きっと来たくても来られなかったお客様も多かったはず。
最後の週になってようやく普通の暑さ(それでも暑い!)に戻り、来廊者も増えました。

2014年9月12日付ブログ用画像_08
1982年の内間安瑆先生と俊子夫人
この写真を撮った僅か半年後、安瑆先生が病に倒れ、18年間に渡る長い闘病生活が続きます。
2000年に相次いで亡くなられた内間ご夫妻には私たちは言葉に尽くせぬほどお世話になりました。

これほどの優れた作家が忘れられ、貴重な作品が人々の目に触れられる機会が少ないのは残念でなりません。
今回二人展として展示したのは、美術史の空白ともなっている1950年代に活躍し、1960年代以降は太平洋をはさみ日米の架け橋ともなったお二人の活動を記録し、伝えてゆくことが私たちの務めと思っているからです。

幸い、多くの美術館学芸員にお二人の作品を見ていただくことができました。きっと遠くない将来に美術館レベルでの展示が実現するでしょう。

○神奈川県立近代美術館館長の水沢勉先生には、ご多忙の中、お二人について素晴らしい文章をご寄稿いただきました(8月4日ブログ「ふたりでひとり―内間安瑆と内間(青原)俊子」)。
20180720水沢勉先生と内間安樹さん
2018年7月20日ときの忘れものにて
内間安樹さん(左)と水沢勉先生

○水沢先生には版画掌誌「ときの忘れもの」第04号にもご執筆いただいています。
水沢勉版の音律―内間安瑆の世界
版画掌誌第4号には、安瑆先生の作品(後刷り)が挿入されており、ぜひご購読ください。

お元気ならば俊子先生が100歳、安瑆先生は97歳です。
日本に在住していた頃のお二人を良く知る方に再会できたことも、大きな収穫でした。
斎藤玲子さん20180810
2018年8月10日最終日に来廊された斎藤玲子さん(右)。
お二人の1950年代、青原俊子さんと安瑆先生を良く知るご友人です。


○7月21日ブログ「流政之と内間安瑆・内間俊子
○7月24日ブログ:内間安樹「My parents: A Reflection  追想:両親のこと
○7月25日ブログ「オリヴァー・スタットラーと内間安瑆~名著『Modern Japanese Prints: An Art Reborn』
○7月28日ブログ「イサム・ノグチと内間安瑆~東京オペラシティでイサム・ノグチ展
○7月30日ブログ「内間安瑆先生と早稲田の友人たち

内間安瑆先生については、以前ブログで紹介した下記の論文、インタビューもご参照いただければ幸いです。
永津禎三内間安瑆の絵画空間
内間安瑆インタビュー(1982年7月 NYにて)第1回第2回第3回

今回の展覧会の出品作品は7月14日ブログに掲載しましたので、ご覧ください。
展覧会が終了したので一部は倉庫に戻しますが、事前にご連絡いただければご用意しますので、どうぞご興味のある作品がありましたら、ご連絡ください。

『内間安瑆・内間俊子展』カタログ
2018年 ときの忘れもの 刊行
B5判 24ページ 図版:51点、略歴収録
テキスト:内間安樹(長男、美術専門弁護士/ニューヨーク州)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
編集:尾立麗子
編集協力:桑原規子
翻訳:味岡千晶、他
価格:税込800円 ※送料別途250円

表紙_表1_内間展_修正_0628_600表紙_表4_内間展_修正_0628_600

作品をお買い上げいただいたお客様、炎暑の中をお運びいただいた皆様、そしてNYから展覧会にかけつけてくださった内間家の皆様には心より御礼を申し上げます。
ほんとうにありがとうございました。