尾崎森平のエッセイ「長いこんにちは」第7回
皆さん、お久しぶりです。尾崎森平です。
コロナ・ウィルスの猛攻に備え、入念なうがい・手洗いに〝アルコール消毒〟はされておりますか?。先日私はこれと同じ質問をされた際「内臓もきちんと消毒してますよ、毎晩」というしょうもない返答を、しょうもないと思い留まるより先に口が動いてしまい「なぜおっさんという生き物は、つまんない事を言って場をしらけさせるんだろう」という幼い頃からの疑問を自らの身体で答える結果となり「まさにこれがオイディプス王の悲劇ですよ」とウディ・アレン風のインテリ・ジョークの重ね技で切り抜けようとするも針の落ちる音が聴こえるくらい静まり返ったあの痛々しい時間を思い出し、いま赤面しながら変な汗を書いています(ならなぜ書く)
さて、コロナ・ウィルスの影響により各地でイベントの中止が相次ぐ中、2月から始まった宮城県での二会場での個展はお陰様で会期途中で終わることなく、無事に千秋楽を迎えることができました!!(歓喜)
気仙沼のリアスアーク美術館での個展「尾崎森平展」は2008年~2019年まで制作された作品の一挙公開、ベストアルバムのような展示でしたが、仙台のギャラリー・ターンアラウンドでの個展「1 9 4 2 0 2 0」は、昨年11月の東京で個展「1 9 4 2 0 1 9」(RED AND BLUE GALLRY)の作品に新作の絵画と版画を加えた展示です。「ファシズム」をテーマに、当時のイタリアで建設された建築物や或いはそれを模したような建築や当時の事象が日本の地方都市に現れるというシリーズです。
今回はその新作3点をご紹介させて頂こうと思うのですが、まずは個展会場の様子をどうぞ♪


photo:小岩勉
白壁に絵がピシッと映えました♪
続いて新作のご紹介です。細かく作品の説明をするのも無粋なので、作品の背景などを中心にご説明します。
「Esso,End」
678×910×40㎜、2020、アクリル・キャンバス・パネル

1945年4月26日、ムッソリーニは愛人のクラーラ・ペタッチと数名の将校らとともにパルチザンによって射殺された。
死体はミラノに運ばれ、郊外のロレート広場に放置された。群衆による暴行の後に死体は広場内のガソリンスタンドの桁に逆さ吊りにされた。そのガソリンスタンドが〝Esso〟であったのだ。
私の過去作に「出庫ー楽園追放ー」という失楽園を車の出庫と重ねて描いた絵があります。この絵はそのアンサー・ペインティングとしても描いた作品。
参照: Afflictor.com
出庫ー楽園追放ー (2013)
アイディア・スケッチ
続いて版画作品です。

「オベリスク-鎮守の森-」
36.6×29cm(額含まず)、2020、木版

鎮守の森から突き抜けてそびえ立つのはエウル地区に建造されたObelisco di Marconi(マルコーニのオベリスク)。内部は鉄筋コンクリート製。45mという巨大なオベリスク。グリエルモ・マルコーニは無線電信の発明でノーベル物理学賞を受賞したイタリアの発明家。万博に合わせて氏の足跡を讃えるオベリスクとして建造されたが、第二次世界大戦参戦により中止。1951年から建造が再開され、59年に完成した。
参照: Obelisco di Marconi(Wikipedia イタリア語版)
オベリスク-田舎の墓地-
36.6×29cm(額含まず)、2020、木版
田園の一画が墓地になってる光景は、米どころの地方の象徴的な景観です。その墓地からムッソリーニの名前が刻印されたObelisco del Foro Italico(フォロ・イタリコのオベリスク)がそびえ立っている。
フォロ・イタリコとはムッソリーニ政権時代に建造されたスポーツ複合施設で、当時の名称はフォロ・ムッソリーニであったが、戦後は名称を変えられた。勿論、ムッソリーニを讃えるオベリスクであり、当時のイタリア合理主義のデザインを取り入れたかたちだが、なぜか日本の墓石に極めて似ている。こちらは全て大理石で作られている。
参照: FUTURE HISTORY
どうでしょう、気に入って頂けたら嬉しいです。
今年は版画作品に力を注ごうと考えております。というのもそれには理由がございまして、、いや、今回はここまでにしましょう!!
版画制作へ注力するワケは近々ご説明すると思います♪♪
ターンアラウンドでの個展で対談させて頂いた五十嵐太郎さん(建築史・建築批評家/東北大学教授)が今回の個展のレビューを書いてくださいました。ご一読して頂けたら幸いです。
【artscape 2020年03月15日号(artscapeレビュー)】尾崎森平「1 9 4 2 0 2 0」|五十嵐太郎
(おざき しんぺい)
■尾崎森平 Shinpey OZAKI
1987年仙台市生まれ 。岩手大学教育学部芸術文化課程造形コース卒業。現代の東北の景色から立ち現れる神話や歴史的事象との共振を描く。2016年「VOCA 2016 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち 」大原美術館賞 。平成27年度 岩手県美術選奨。2019年4月ときの忘れもの「Tricolore2019―中村潤・尾崎森平・谷川桐子展」に出品。
ホームページ https://shinpeywarhol.wixsite.com/ozaki-shinpey
●尾崎森平のエッセイ「長いこんにちは」は毎月25日の更新です。
●本日のお勧め作品は、尾崎森平です。
《ホテル・エウル(昼)》
2019年
アクリル、キャンバス
サイズ:100×100cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2012年02月03日|山際淳司「スローカーブを、もう一球」
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◆ときの忘れものは「アートバーゼル オンラインビューイングルーム」(3月25日まで)に参加しています。
◆ときの忘れものは「OIL by 美術手帖 オンライン・ビューイング」(4月5日まで)に参加しています。
◆ときの忘れものは版画・写真のエディション作品などをアマゾンに出品しています。
●ときの忘れものは2017年6月に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
皆さん、お久しぶりです。尾崎森平です。
コロナ・ウィルスの猛攻に備え、入念なうがい・手洗いに〝アルコール消毒〟はされておりますか?。先日私はこれと同じ質問をされた際「内臓もきちんと消毒してますよ、毎晩」というしょうもない返答を、しょうもないと思い留まるより先に口が動いてしまい「なぜおっさんという生き物は、つまんない事を言って場をしらけさせるんだろう」という幼い頃からの疑問を自らの身体で答える結果となり「まさにこれがオイディプス王の悲劇ですよ」とウディ・アレン風のインテリ・ジョークの重ね技で切り抜けようとするも針の落ちる音が聴こえるくらい静まり返ったあの痛々しい時間を思い出し、いま赤面しながら変な汗を書いています(ならなぜ書く)
さて、コロナ・ウィルスの影響により各地でイベントの中止が相次ぐ中、2月から始まった宮城県での二会場での個展はお陰様で会期途中で終わることなく、無事に千秋楽を迎えることができました!!(歓喜)
気仙沼のリアスアーク美術館での個展「尾崎森平展」は2008年~2019年まで制作された作品の一挙公開、ベストアルバムのような展示でしたが、仙台のギャラリー・ターンアラウンドでの個展「1 9 4 2 0 2 0」は、昨年11月の東京で個展「1 9 4 2 0 1 9」(RED AND BLUE GALLRY)の作品に新作の絵画と版画を加えた展示です。「ファシズム」をテーマに、当時のイタリアで建設された建築物や或いはそれを模したような建築や当時の事象が日本の地方都市に現れるというシリーズです。
今回はその新作3点をご紹介させて頂こうと思うのですが、まずは個展会場の様子をどうぞ♪


photo:小岩勉白壁に絵がピシッと映えました♪
続いて新作のご紹介です。細かく作品の説明をするのも無粋なので、作品の背景などを中心にご説明します。
「Esso,End」
678×910×40㎜、2020、アクリル・キャンバス・パネル

1945年4月26日、ムッソリーニは愛人のクラーラ・ペタッチと数名の将校らとともにパルチザンによって射殺された。
死体はミラノに運ばれ、郊外のロレート広場に放置された。群衆による暴行の後に死体は広場内のガソリンスタンドの桁に逆さ吊りにされた。そのガソリンスタンドが〝Esso〟であったのだ。
私の過去作に「出庫ー楽園追放ー」という失楽園を車の出庫と重ねて描いた絵があります。この絵はそのアンサー・ペインティングとしても描いた作品。
参照: Afflictor.com
出庫ー楽園追放ー (2013)
アイディア・スケッチ続いて版画作品です。

「オベリスク-鎮守の森-」
36.6×29cm(額含まず)、2020、木版

鎮守の森から突き抜けてそびえ立つのはエウル地区に建造されたObelisco di Marconi(マルコーニのオベリスク)。内部は鉄筋コンクリート製。45mという巨大なオベリスク。グリエルモ・マルコーニは無線電信の発明でノーベル物理学賞を受賞したイタリアの発明家。万博に合わせて氏の足跡を讃えるオベリスクとして建造されたが、第二次世界大戦参戦により中止。1951年から建造が再開され、59年に完成した。
参照: Obelisco di Marconi(Wikipedia イタリア語版)オベリスク-田舎の墓地-
36.6×29cm(額含まず)、2020、木版
田園の一画が墓地になってる光景は、米どころの地方の象徴的な景観です。その墓地からムッソリーニの名前が刻印されたObelisco del Foro Italico(フォロ・イタリコのオベリスク)がそびえ立っている。フォロ・イタリコとはムッソリーニ政権時代に建造されたスポーツ複合施設で、当時の名称はフォロ・ムッソリーニであったが、戦後は名称を変えられた。勿論、ムッソリーニを讃えるオベリスクであり、当時のイタリア合理主義のデザインを取り入れたかたちだが、なぜか日本の墓石に極めて似ている。こちらは全て大理石で作られている。
参照: FUTURE HISTORYどうでしょう、気に入って頂けたら嬉しいです。
今年は版画作品に力を注ごうと考えております。というのもそれには理由がございまして、、いや、今回はここまでにしましょう!!
版画制作へ注力するワケは近々ご説明すると思います♪♪
ターンアラウンドでの個展で対談させて頂いた五十嵐太郎さん(建築史・建築批評家/東北大学教授)が今回の個展のレビューを書いてくださいました。ご一読して頂けたら幸いです。
【artscape 2020年03月15日号(artscapeレビュー)】尾崎森平「1 9 4 2 0 2 0」|五十嵐太郎
(おざき しんぺい)
■尾崎森平 Shinpey OZAKI
1987年仙台市生まれ 。岩手大学教育学部芸術文化課程造形コース卒業。現代の東北の景色から立ち現れる神話や歴史的事象との共振を描く。2016年「VOCA 2016 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち 」大原美術館賞 。平成27年度 岩手県美術選奨。2019年4月ときの忘れもの「Tricolore2019―中村潤・尾崎森平・谷川桐子展」に出品。
ホームページ https://shinpeywarhol.wixsite.com/ozaki-shinpey
●尾崎森平のエッセイ「長いこんにちは」は毎月25日の更新です。
●本日のお勧め作品は、尾崎森平です。
《ホテル・エウル(昼)》2019年
アクリル、キャンバス
サイズ:100×100cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2012年02月03日|山際淳司「スローカーブを、もう一球」
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◆ときの忘れものは「アートバーゼル オンラインビューイングルーム」(3月25日まで)に参加しています。
◆ときの忘れものは「OIL by 美術手帖 オンライン・ビューイング」(4月5日まで)に参加しています。
◆ときの忘れものは版画・写真のエディション作品などをアマゾンに出品しています。
●ときの忘れものは2017年6月に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
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