1361ページもの分厚い『岡田隆彦詩集成』が刊行されました。
美術批評でも活躍された岡田隆彦先生の詩を集成。「われらのちから19」「海の翼」「わが瞳」「巨大な林檎のなかで」などに収録された作品のほか、詩集未収録詩篇も多数掲載されています。


岡田隆彦詩集成
発行日 2020年3月23日
著者 岡田隆彦
監修 吉増剛造 稲川方人
編集 稲川方人(兼 装幀・造本) 山㟢高裕 菊井崇史
編集協力 慶応義塾大学出版会 佐藤聖 篠原誠司
発行者 高橋哲雄
発行所 株式会社 響文社
印刷所 株式会社 ディグ
製本所 株式会社 加藤製本
サイズ A5判/ページ数 1361/高さ 23cm
価格:7,800円+税
●目次
われらのちから19
史乃命
海の翼
わが瞳
蒼穹の鏡
零へ
生きる歓び
何によって
巨大な林檎のなかで
都市は夢みず〔ほか〕


1997年2月26日、57歳の若さで亡くなられた岡田先生の告別式は信濃町の千日谷会堂で執り行われました。美術関係者も多数参列しました。
私たちは現代版画センター時代に美術評論家として原稿を書いていただき、詩人としては柳澤紀子先生との 詩画集『海へ』を1984年に刊行させていただきました(上掲口絵ページの左上)。
岡田隆彦・柳澤紀子 詩画集『海へ』


岡田隆彦・柳澤紀子 詩画集『海へ』
岡田隆彦:詩8篇
柳澤紀子:版画(銅版+手彩色)8点
両者の自筆サインあり
刷り:山村兄弟版画工房
装幀:五十嵐恵子
発行日:1984年5月23日
発行者:綿貫不二夫、原勝雄
発行所:現代版画センター、浜松アートデューン
印刷・製本:クリキ企画印刷株式会社
岡田隆彦サイン


I
また海へ出るのだ、
荒れ狂う心をしずめるために。
おれの小舟よ、涙をぬぐえ!
行方知れずの母よ、
おれはいま、波を押しかえす。


II
自分を洗っている海へ。
(語るなかれ) 海へ。
時が結晶してゆく、
したたかな器官のような
石のごとく物言わぬかたちへ
泳ぎついて、おれはつかむ。


III
港の灯はクイーンズ・ネックレス。
船は和音を静かに食べている。
青い風は嗚呼、若い草を吹く。
溺れてしまいたい、だが
必ず浮上する。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
■柳澤 紀子(やなぎさわ のりこ)
1940年静岡県浜松市で生まれる。浜松市立高等学校を経て、1965年東京藝術大学大学院油画専攻修了。学部時代は林武に油彩を、大学院に進んでから駒井哲郎に銅版画を学ぶ。この時期は駒井教室の黄金期で、中林忠良、野田哲也、原健など日本の現代版画を主導する多くの逸材を生んだ。64年日本版画協会展協会賞。71年より4年間アメリカに滞在。ニューヨーク・プリントメーキング・ワークショップにて制作。帰国後は静岡県掛川市を拠点にして、エッチングによる銅版画を中心に制作制作活動を続ける。83年2人展(池田20世紀美術館)。84年詩画集「海へ」詩:岡田隆彦(版画センター)。2001年第10回山口源大賞を受賞。ワールドバンク・アートソサエティ(ワシントン)、ブルガリア・ナショナルギャラリー、イスラエル・ティコティン美術館、ルーマニア国立美術館、サンパウロ州立博物館、掛川市二の丸美術館、ヒルサイド・フォーラムなど世界各地で個展を開催している。
「身体と精神の関係」を追い続け、描かれる身体にはアンモナイトや翼、舟、水、樹木などのイメージが重ね合わされ、人と自然や文明、時間など多様なテーマが共鳴している。核をテーマにした「test-zone」(核実験場)などの作品や、和紙を活用したミクストメディアによる大作にも意欲的に取り組んでいる。2003~11年武蔵野美術大学教授を勤め後進の指導にあたる。

2017年10月2日神田錦町の学士会館にて、柳澤紀子先生
『柳澤紀子 全作品』刊行記念レセプション
●『版画の景色 現代版画センターの軌跡』展に「海へ」は出品展示され、埼玉県立近代美術館に収蔵されました

『版画の景色 現代版画センターの軌跡』
ケース表紙:26.0×18.5cm
発行:埼玉県立近代美術館 Ⓒ2018
編集:梅津元、五味良子、鴫原悠(埼玉県立近代美術館)
資料提供:ときの忘れもの
デザイン:刈谷悠三+角田奈央+平川響子/neucitora
ケースを開くとサイズや仕様の異なるA~Bの3冊が収められています。Dのケースにも当時の写真や資料が収録されているので4分冊ともいえます。詳しい内容はコチラをお読みください。
ときの忘れもので扱っています。
*画廊亭主敬白
臨時休廊(在宅勤務)38日目
大連休ですが、既に臨時休廊して一か月以上になるので、連休といっても実感がわきません。
連休明けの8日からは「没後60年 第29回瑛九展」を開催します(WEB展)。全員が顔合わせするのはまだまだ先になりそうです。
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2015年03月17日|「美術館に瑛九を観に行く」第3回 宮城県美術館
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◆ときの忘れものは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当面の間、臨時休廊とし、スッタフは在宅勤務しています。メールでのお問合せ、ご注文には通常通り対応しています。
◆ときの忘れもののブログは作家、研究者、コレクターの皆さんによるエッセイを掲載し毎日更新を続けています(年中無休)。
皆さんのプロフィールは奇数日の執筆者は4月21日に、偶数日の執筆者は4月24日にご紹介しています。
◆ときの忘れものは版画・写真のエディション作品などをアマゾンに出品しています。
●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
美術批評でも活躍された岡田隆彦先生の詩を集成。「われらのちから19」「海の翼」「わが瞳」「巨大な林檎のなかで」などに収録された作品のほか、詩集未収録詩篇も多数掲載されています。


岡田隆彦詩集成
発行日 2020年3月23日
著者 岡田隆彦
監修 吉増剛造 稲川方人
編集 稲川方人(兼 装幀・造本) 山㟢高裕 菊井崇史
編集協力 慶応義塾大学出版会 佐藤聖 篠原誠司
発行者 高橋哲雄
発行所 株式会社 響文社
印刷所 株式会社 ディグ
製本所 株式会社 加藤製本
サイズ A5判/ページ数 1361/高さ 23cm
価格:7,800円+税
●目次
われらのちから19
史乃命
海の翼
わが瞳
蒼穹の鏡
零へ
生きる歓び
何によって
巨大な林檎のなかで
都市は夢みず〔ほか〕


1997年2月26日、57歳の若さで亡くなられた岡田先生の告別式は信濃町の千日谷会堂で執り行われました。美術関係者も多数参列しました。
私たちは現代版画センター時代に美術評論家として原稿を書いていただき、詩人としては柳澤紀子先生との 詩画集『海へ』を1984年に刊行させていただきました(上掲口絵ページの左上)。
岡田隆彦・柳澤紀子 詩画集『海へ』


岡田隆彦・柳澤紀子 詩画集『海へ』
岡田隆彦:詩8篇
柳澤紀子:版画(銅版+手彩色)8点
両者の自筆サインあり
刷り:山村兄弟版画工房
装幀:五十嵐恵子
発行日:1984年5月23日
発行者:綿貫不二夫、原勝雄
発行所:現代版画センター、浜松アートデューン
印刷・製本:クリキ企画印刷株式会社
岡田隆彦サイン

I
また海へ出るのだ、
荒れ狂う心をしずめるために。
おれの小舟よ、涙をぬぐえ!
行方知れずの母よ、
おれはいま、波を押しかえす。


II
自分を洗っている海へ。
(語るなかれ) 海へ。
時が結晶してゆく、
したたかな器官のような
石のごとく物言わぬかたちへ
泳ぎついて、おれはつかむ。


III
港の灯はクイーンズ・ネックレス。
船は和音を静かに食べている。
青い風は嗚呼、若い草を吹く。
溺れてしまいたい、だが
必ず浮上する。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
■柳澤 紀子(やなぎさわ のりこ)
1940年静岡県浜松市で生まれる。浜松市立高等学校を経て、1965年東京藝術大学大学院油画専攻修了。学部時代は林武に油彩を、大学院に進んでから駒井哲郎に銅版画を学ぶ。この時期は駒井教室の黄金期で、中林忠良、野田哲也、原健など日本の現代版画を主導する多くの逸材を生んだ。64年日本版画協会展協会賞。71年より4年間アメリカに滞在。ニューヨーク・プリントメーキング・ワークショップにて制作。帰国後は静岡県掛川市を拠点にして、エッチングによる銅版画を中心に制作制作活動を続ける。83年2人展(池田20世紀美術館)。84年詩画集「海へ」詩:岡田隆彦(版画センター)。2001年第10回山口源大賞を受賞。ワールドバンク・アートソサエティ(ワシントン)、ブルガリア・ナショナルギャラリー、イスラエル・ティコティン美術館、ルーマニア国立美術館、サンパウロ州立博物館、掛川市二の丸美術館、ヒルサイド・フォーラムなど世界各地で個展を開催している。
「身体と精神の関係」を追い続け、描かれる身体にはアンモナイトや翼、舟、水、樹木などのイメージが重ね合わされ、人と自然や文明、時間など多様なテーマが共鳴している。核をテーマにした「test-zone」(核実験場)などの作品や、和紙を活用したミクストメディアによる大作にも意欲的に取り組んでいる。2003~11年武蔵野美術大学教授を勤め後進の指導にあたる。

2017年10月2日神田錦町の学士会館にて、柳澤紀子先生
『柳澤紀子 全作品』刊行記念レセプション
●『版画の景色 現代版画センターの軌跡』展に「海へ」は出品展示され、埼玉県立近代美術館に収蔵されました

『版画の景色 現代版画センターの軌跡』
ケース表紙:26.0×18.5cm
発行:埼玉県立近代美術館 Ⓒ2018
編集:梅津元、五味良子、鴫原悠(埼玉県立近代美術館)
資料提供:ときの忘れもの
デザイン:刈谷悠三+角田奈央+平川響子/neucitora
ケースを開くとサイズや仕様の異なるA~Bの3冊が収められています。Dのケースにも当時の写真や資料が収録されているので4分冊ともいえます。詳しい内容はコチラをお読みください。
ときの忘れもので扱っています。
*画廊亭主敬白
臨時休廊(在宅勤務)38日目
大連休ですが、既に臨時休廊して一か月以上になるので、連休といっても実感がわきません。
連休明けの8日からは「没後60年 第29回瑛九展」を開催します(WEB展)。全員が顔合わせするのはまだまだ先になりそうです。
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2015年03月17日|「美術館に瑛九を観に行く」第3回 宮城県美術館
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◆ときの忘れものは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当面の間、臨時休廊とし、スッタフは在宅勤務しています。メールでのお問合せ、ご注文には通常通り対応しています。
◆ときの忘れもののブログは作家、研究者、コレクターの皆さんによるエッセイを掲載し毎日更新を続けています(年中無休)。
皆さんのプロフィールは奇数日の執筆者は4月21日に、偶数日の執筆者は4月24日にご紹介しています。
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●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
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営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
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