3月28日に画廊の扉を閉めて、スタッフは在宅勤務という、画廊始まって以来の変則事態の中で開催した「没後60年 第29回瑛九展」(WEB展/アポイントメント制)が昨日終了いたしました。
このような時期にもかかわらず大枚はたいてお買い上げいただいたお客様にはスタッフ一同心より御礼申し上げます。
画廊はいくらいい作品を飾ったところで、見て下さるお客様がいなかったらただの箱に過ぎません。
そのことを痛切に感じる65日間でした。

この間、私たちは籠っていることができましたが、医療の最前線で働いている医師や看護師、スタッフたちに深い感謝と敬意を捧げたい思います。コンビニや輸送機関、ライフラインで働く人たちがいるから私たちは籠ることができています。そういう人たちに手厚い支援、補償がなされることを願わずにはいられません。

緊急事態宣言は解除されましたが、ワクチンも治療薬の目途もたっていない現在、お客様とスタッフの安全を第一に考え、まだしばらくはアポイントメント制での営業となります。
今から100年前、1918~1920年に大流行したスペイン風邪では世界中で5億人が感染し、1,700万人以上が亡くなったと言われます。その中には、クリムト、エゴン・シーレ、村山槐多など画家たちもいました。

皆さんからのお問合せやご注文に直ぐに対応できずご不便をおかけして申し訳ありませんが、スタッフも6月2日(火)からは一日二人出勤とし、遅れていた作業に取り組みます。ご理解とご協力をお願いいたします。

いまこのときを表現する作家よ出でよ!!
先日お客様のKさんからいただいた激励メールにあった言葉です。ありがたく頂戴し、ときの忘れものの今後の指針にしたいと思います。
この言葉の通り、今年は宮森敬子さん(在ニューヨーク)、杉山幸一郎さん(在スイス)など私たちが期待する作家の個展を中心に組み立てていました。
しかし現状では作家の帰国すら覚束ない上、コロナウイルスの第二波の危険も考えて、秋以降に延期しました。
ということで、
6月以降~秋にかけては大幅に企画内容を変更します

6月1日(月)~6月10日(水):ブログで「一日限定! 破格の掘り出し物」
画廊閉鎖中にブログで好評だった企画の第三弾として、明日から十日間、今までご紹介できなかったちょっと珍しい作品を「一日限定!」で出品します。

6月2日(火):ブログで「藤江民 版画と作品集の特別頒布会
富山在住の画家・藤江民さんが素晴らしい作品集を刊行されました。刊行を記念して版画と作品集の特別頒布会を開催します。

6月16日(火)~7月11日(土):第320回企画「生誕100年 駒井哲郎展 Part1 若き日の作家とパトロン」をアポイントメント制とWEB展で開催します。
出品作品:1936年(16歳)~1960年(40歳)に制作された銅版、木版、油彩など15点
特別寄稿:栗田秀法(名古屋大学大学院教授)
最終_komai_DM_両面WEB展:ユーチューブにて6月16日に公開します。
今年は銅版画の詩人と謳われた駒井哲郎先生の生誕100年にあたります。ときの忘れものは1995年6月の開廊以来、継続的に作品を紹介し、ブログで「駒井哲郎を追いかけて」を連載してきました。
生誕100年を目指し、数年前から新発掘を含むM氏コレクションなど、多くの駒井作品を収集してきました(HPには未掲載)。その成果を年末から3回にわけて開催する予定でしたが、急遽会期を繰り上げて開催することになりました。Part 2 は秋以降になります。

●「倉俣史朗 Shiro Kuramata Cahier」刊行記念展
倉俣美恵子夫人と植田実の監修によるシルクスクリーン作品集「倉俣史朗 Shiro Kuramata Cahier」の刊行記念展を大阪と東京で開催を計画していました。
大阪はNii fine artsさんで3月27日~4月5日の会期で開催しましたが、東京(ギャラリーせいほう)はコロナウイルス感染拡大で秋に開催を延期しました。詳細は後日発表します。

●「ときの忘れものエディション展
1995年の開廊以来、ときの忘れものは版元としても下記の20人の作家の版画、写真をエディションしてきました。開廊25周年を期に連続企画として、それらを順次ご紹介していきます。
第1回展は7月21日(火)~8月8日(土)に開催します。
安藤忠雄、石山修武、磯崎新、光嶋裕介、六角鬼丈、ジャン・ベルト・ヴァンニ、植田実、内間安瑆、大竹昭子、小野隆生、北郷悟、草間彌生、難波田龍起、細江英公、三上誠、宮脇愛子、ジョナス・メカス、百瀬恒彦、山名文夫、倉俣史朗

秋の新作個展/宮森敬子、杉山幸一郎、平嶋彰彦
コロナウイルス禍で大幅に予定が狂いましたが、かねてから準備していた、アメリカを拠点に樹拓という独特の制作活動を展開する宮森敬子さん、スイスのピーター・ズントー事務所で活躍する建築家の杉山幸一郎さん、長年にわたり東京を撮り続けてきた写真家の平嶋彰彦さんの個展を9月~12月にかけて開催します。
どうぞご期待ください。

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◎昨日読まれたブログ(archive)/2019年01月06日|塩見允枝子のエッセイ「スペイシャル・ポエム」と「フルックスアトラス」
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◆「没後60年 第29回瑛九展」は終了しましたが、皆様がご自宅で楽しんでいただけるよう制作した動画第一部第二部は引き続きYouTubeでご覧になれます。
特別寄稿・大谷省吾さんの「ウェブ上で見る瑛九晩年の点描作品」も併せてお読みください。
今まで研究者やコレクターの皆さんが執筆して下さったエッセイや、瑛九情報は2020年5月18日のブログ「81日間<瑛九情報!>総目次(増補再録)」にまとめて紹介しています。

◆ときの忘れものは版画・写真のエディション作品などをアマゾンに出品しています。

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。