毎月20日は柳正彦さんのエッセイ「アートと本、アートの本、アートな本、の話し」の掲載日ですが休載します。
既に皆さんご存じのように、クリストが5月31日に亡くなりました。
クリストは柳さんを<Japanese son>と呼んでいました。
高校生の頃からクリストに憧れ、大学卒業後、アメリカに留学、クリストを訪ねて彼の助手として今日まできた柳さんにとっては悲しみの日々でしょう。
連載第17回(4月20日ブログ)では、クリストとジャンヌ=クロード夫妻の記念すべき<あるできごと>を象徴する超レアな「ポンヌフ」のカードについて書かれたばかりでした。まさかその一か月後に訃報を聞くとは・・・・・・
ご冥福をお祈りします。

20161001_水戸クリスト展_61
2016年10月1日水戸芸術館クリストとジャンヌ=クロード アンブレラ 日本=アメリカ合衆国 1984-91展オープニングにて、スピーチするクリストと通訳する柳正彦さん。

●展覧会のご案内
コレクション1:越境する線描
会場:大阪・国立国際美術館
会期:2020年6月2日(火)―10月11日(日)
紙のうえに線を引く。気安く速いその営みは、絵画や彫刻のようなジャンルにはなりえません。構想のため、備忘のため、練習のため、確認のため、等々と、線描は伝統的に「完成」以前の準備段階とみなされてきたからです。しかしこの実践は、近現代美術の諸実践において重要な位置を占めるにいたりました。完結していない画面や、中途半端に残る痕跡という、その否定的(とされてきた)要素を逆手に取るかたちで、芸術家たちは、制作することの膠着状態を軽やかに乗り越えようとするでしょう。今回のコレクション展では、線描という行為がもつ可能性をあらためて問い直します。
出品作家:ジュール・パスキン、パブロ・ピカソ、ヘンリー・ムア、キキ・スミス、ヴォルス、クリスト、今村源/松井智惠、パナマレンコ、マーク・ダイオン、ヤノベケンジ、ライアン・ガンダー、中原浩大、落合多武、Mr.、森千裕、青木陵子、阿部芳文/瀧口修造、ピエロ・マンゾーニ、ファウスト・メロッティ、河原温、柳幸典、湯原和夫、泉太郎、サイ・トゥオンブリー、ジグマー・ポルケ、宮脇愛子、伊藤存、須藤由希子、法貴信也、村瀬恭子、杉戸洋、中原浩大、金氏徹平、和田真由子、今村源