スタッフSの海外ネットサーフィン No.83
Christo et Jeanne Claude: Paris !
Centre Pompidou


 読者の皆様こんにちは。今年も梅雨入りして蒸し暑くなるかと思いきや、意外と涼しい…? いやいややっぱり暑いと落ち着かない今日この頃、いかがお過ごしでしょうか? 四六時中マスクを着用していると水分補給も億劫になりがちですが、脱水症や熱中症にはくれぐれもお気を付けください。

 前代未聞のコロナ禍により様々なイベントがキャンセルや延期を余儀なくされましたが、今回ご紹介するポンピドゥーセンター主催の「Christo et Jeanne Claude: Paris ! 」も、本来ならば既に公開されているはずが、7月までオープンの延期を余儀なくされたイベントの一つです。

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 先月の31日に逝去されたインスタレーションアートの巨匠、クリスト(本名:クリスト・ヴラディミロフ・ジャヴァチェフ)とその妻、ジャンヌ=クロード(1935~2009)の回顧展である本展は、2部構成の第1部で2人が初期にパリで制作した80点の作品を紹介し、第2部では10年越しで実現した、街中の公共施設である橋を梱包する一大プロジェクト「The Pont-Neuf Wrapped(包まれたポンヌフ)」の構想から実現に至るまでの軌跡を300点の資料と作品で追体験できる他、同プロジェクトを題材にしたメイスルズ兄弟によるドキュメンタリー映画『Christo in Paris』(1990)も上映されます。

 クリスト&ジャンヌ=クロードスタジオは作家の逝去後も進行中のプロジェクトは完遂に向けて進めていくと発表しており、本来この回顧展で発表されるはずだった「l’Arc de Triomphe, Wrapped(包まれた凱旋門)」プロジェクトも2021年9月18日~10月3日に実施されることが発表されています。クリストが凱旋門近くの部屋を借りてプロジェクトのリサーチを開始したのは1961年。実に半世紀以上の時を経ての実現です。

 個人的に気になっているのはUAEで企画が進められていた「Mastaba」プロジェクトです。わざわざ専用の工場を建てて41万個ものドラム缶を用意するというクリストのプロジェクトの中でもぶっちぎりのスケールを持つこの企画、果たして牽引する作家なくして実現が可能なのでしょうか? 今後も目が離せません。

(しんざわ ゆう)

ポンピドゥーセンター公式紹介動画

展覧会公式ページ(英文)

ポンピドゥーセンター公式ページ(英文)

クリスト&ジャンヌ=クロード作家公式ページ(英文)

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