写真家の安齊重男さんが8月13日に亡くなられました。享年81。

1960年代から現代美術の現場に密着して写真で記録し続けた稀有な人でした。
亭主がいつ、どこで安齊さんに初めて会ったのか記憶にありませんが、70年代のアートシーンにおいては、安齊さんをいわゆる「写真家」と思っていた人はおそらくいなかったのではないでしょうか。
とにかく現代美術の展覧会に行くと必ず安齊さんがいる。
写真家というより、むしろ彼は身内の助っ人でした。
親しい作家たちの展覧会に前日から泊り込みで会場に入り、作家とともに展示作業をする、やれやれと一段落すると、じゃあ皆で記念写真でも撮るか、というときに安齊さんがカメラを向けるのです。それは外部のカメラの目ではなく、作る側にいる人間の親しみや信頼をこめた、協働作業の仲間による撮影でした。だからこそ、あれだけの膨大な作家とその周辺の人たちの写真を撮れたに違いありません。
安齊さんが撮らなければ記録に残らなかったシーンは数多くある。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

parco177安斎重男1983年6月7日
安齊重男さん
(撮影:酒井猛)
現代版画センター企画「アンディ・ウォーホル全国展」オープニングにて、
会場:渋谷 パルコPART3
*印刷物やネットなどでは安斉重男、安齋重男、安斎重男などと表記されることが多いのですが、正しくは「安齊重男」。


安斎_イサム・ノグチ安齊重男 Shigeo ANZAI
「オマージュ・イサム・ノグチ
(Homage to ISAMU NOGUCHI)」より

1988年撮影
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:29.5×20.0cm
シートサイズ:35.5×27.8cm
Ed.15
サインあり


●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。