人気絶頂の隈研吾さんが手掛けた渋谷の公共トイレについて、FBで建築エコノミスト・森山高至さんが痛烈に批判しています。
世界の隈研吾さん、あいかわらずフザけているとしか思えない。
学部生による学園祭レベル。

世界の丹下健三から世界の黒川紀章へ世界の安藤忠雄から世界の隈研吾へ日本の建築家の仕事がどんどん劣化していってるのに世界的評価はあがっている。
つまり、評価と劣化が連動している。
マジメに答えれば評価の尺度が、モノや技術や芸術性によるのでなく、情報や解釈や話題性に取って代わった結果。>
世の中はプロ否定
現代の情報過多による大衆要望の中で、大衆はプロの仕事に対するリスペクトや尊敬よりも、共感を優先しており、自分達と同じ地平に立ったモノ言い、同じ尺度からの発想、に寄りかかろうとする。
その大衆的共感の中から出た成功者を教祖化しようとする。
隈さんの下手ウマ、素人感覚の方が、槇先生や谷口先生のような教養なくしてはツウにしかわからない手法、手が届かないような素材や仕上げよりも共感を覚える。

木といえば茶室や数寄屋といった日本の伝統的銘木や樹種ではなく、ホームセンターで身近に見ることができるツーバイのホワイトウッド、バタ角。
そういう限りなく素人感覚への共感や親和性を必要としているということです。
なぜなら、発注者の側もデベロッパー、広告代理店、シンクタンクの社員ということで、決して建築や工芸の専門家ではなく素人であり、発注先を検討するときの情報はネットサーフィンで取ってくる程度だから。
つまり、大衆は、素人臭くてどこにでもある手軽で無理や背伸びの必要ないままに成功したいという潜在的欲求に当てはまるものを選んでしまうからでしょう。
今、そういった世俗の願望を背負い体現化している建築家が隈研吾さんしかいないからだと思います。
大衆の料理情報の世界ではとっくにそうなっていて、素人から料理研究家になり、コンビニで手に入るものや、インスタント食品に一手間かけるだけの料理人のほうが、本物の料理人以上に人気もあり成功していますよね。
(20210630/Takashi MoriyamaさんのFBより)>

隈さんを悪く言う人はほとんどいない、人柄もいいらしい(亭主は一面識もありません)。
そういう中で敢然と苦言を呈した森山さんの勇気に敬意を表しますが、おっしゃっていることはいまの美術の世界(市場)にもあてはまります。
その作品のコンセプトや、それが生まれた背景や歴史(文脈)について学ぼうとせず、安易にわかりやすさや「名声」や「限りなく素人感覚への共感」によりかかって、売ろうと(買おうと)していないか。
作家の仕事をよく見て、調べて、丁寧に粘り強く、顧客の皆さんに伝えて行くことの重要性を自戒をこめて嚙みしめたいと思います。

瀧口修造研究会の会報『橄欖』第5号が刊行されました。
同会は2003年4月に結成され、毎年の橄欖忌(7月1日)に墓前の集いをするほか、会員の研究会などを開催し、会報を刊行してきました。
第4号、第5号はときの忘れもので扱っていますので、ご希望の方はメールにてお申し込みください。

『橄欖』第5号瀧口修造研究会会報『橄欖』第5号
2021年7月1日発行
サイズ、頁:22.5×15.2cm、175P
発行:瀧口修造研究会
編集:土渕信彦 尾山景子
装幀:カヅミ書林
印刷・製本:株式会社すがの印刷(富山県黒部市)
限定400部
価格:1,650円(税込)※送料別途1冊250円

執筆者は掲載順に、石原輝雄、伊勢功治、永井敦子、清家克久、岩崎美弥子、藤澤顕子、高島夏代、今村雅江、山口馨、尾山景子、三谷風子、霧山深、宮井徹、高橋修宏、土渕信彦

●目次
『橄欖』第5号目次 (2)


●『橄欖』第4号も販売しています。
e12f025f-s瀧口修造研究会会報『橄欖』第4号
2018年7月1日発行
サイズ、頁:22.5×15.2cm、211P
発行:瀧口修造研究会
編集:土渕信彦 尾山景子
装幀:カヅミ書林
印刷・製本:株式会社すがの印刷(富山県黒部市)
限定400部
価格:1,650円(税込)※送料別途1冊250円

ときの忘れものでは現在、『夏のコレクション展~瑛九、瀧口修造、オノサト・トシノブ(予約制)』を開催しており、瀧口修造の作品は5点展示しています。
展示以外にも多数在庫があるのでお問い合わせください。

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15
瀧口修造 Shuzo TAKIGUCHI
"Ⅱ-2"
デカルコマニー、水彩、紙
イメージサイズ:13.6×9.9cm
シートサイズ :13.6×9.9cm

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瀧口修造 Shuzo TAKIGUCHI
"IV-03"
1961年
紙に水彩
イメージサイズ:9.7×9.0cm
シートサイズ:12.3×9.0cm
額裏にサイン・年記あり

17
瀧口修造 Shuzo TAKIGUCHI
"III-27"
デカルコマニー、紙
イメージサイズ:12.3×9.0cm
シートサイズ:19.2×13.1cm
Ⅲ-26と対

18
瀧口修造 Shuzo TAKIGUCHI
"Ⅱ-30"
デカルコマニー
イメージサイズ:11.2×7.5cm
シートサイズ :19.3×13.2cm
Ⅱ-29と対

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20
瀧口修造 Shuzo TAKIGUCHI
《短冊デッサン》(V-08)
1962年
紙に水彩、インク
イメージサイズ:21.0×33.5cm
シートサイズ:29.0×37.5cm
裏面にタイトルと年記あり

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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。