『サーリネンとフィンランドの美しい建築展(予約制)』
会場 パナソニック汐留美術館
会期:2021年7月3日(土)~9月20日(月)
開館時間:午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで)
※8月6日(金)、9月3日(金)は夜間開館 午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)
休館日:水曜日、8月10日(火)~13日(金)
会場構成:久保都島建築設計事務所
植田実先生にお誘いいただき、また、会場構成を行った久保都島建築設計事務所さんにもご案内いただき、展覧会に行って参りました。
サーリネンといえば、チューリップチェアが思い浮かびますが、今回はエーロ・サーリネンではなく、お父様のエリエル・サーリネンの展覧会です。
フィンランドの建築家といえばアルヴァ・アアルトが有名ですが、エリエル・サーリネンはさらに上の世代の、モダニズムの原点を築いたといわれる建築家です。
本展では、エリエル・サーリネンのフィンランド時代の建築写真や資料、図面、ドローイング、家具など貴重なものが展示されており、洗練されたデザイン、装飾、色彩の美しさをうかがい知ることができます。
興味深かったのは、サーリネンがアメリカに渡るきっかけとなった高層ビルの計画案で、高層ビルの上部がセットバックされていたり、垂直性が強調されているデザインは昨今よく見かけますが、この手法は1922年にサーリネンがシカゴ・トリビューン本社ビルの計画案で提案したものだそうです。残念ながら、この国際設計競技は2等だったため実現しませんでしたが、その後の高層ビルのデザインに影響を与えています。
その後サーリネンは一家でアメリカに渡り(エーロ13歳)、アメリカ・ミシガン州に「クランブルック・エデュケーショナル・コミュニティ」を建設。ドアノブから階段、校舎、ガーデンまで、その美しさは会場の外にある映像でよくわかりますので必見です。


美しい森と湖で知られる北欧の国フィンランド。日本でもファンの多いフィンランドのモダニズムの原点を築いたのがエリエル・サーリネン(1873-1950)です。サーリネンはヘルシンキ工科大学在学中に出会ったゲセリウスとリンドグレンと共同で設計事務所を設立し、1900年パリ万国博覧会フィンランド館の建築が好評を博して、みごとなデビューを果たします。初期の作風は、ナショナル・ロマンティシズムと称される、アール・ヌーヴォーの影響をうかがわせながらも民族の独自の文化的ルーツを表現した建築で、当時、独立を求めていたフィンランドの人々を鼓舞させるものでした。
3人はやがて、静かな自然のなかで暮らしながら協働し、芸術家たちと交流できる理想の生活の場として、ヴィトレスクをつくります。住宅、商業建築、公共建築、駅や都市のデザインと、次第に幅を広げていくサーリネンの設計活動は、20世紀前半の近代化と手を携えていました。その作風は、多様な文化を受け容れつつ民族のルーツを希求した初期のスタイルから、独自の形態を通じて新しいフィンランドらしさを提示しようというモダニズムへと展開します。
本展は、1923年の渡米までのフィンランド時代にスポットをあて、図面や写真、家具や生活のデザインといった作品資料の展示を通して紹介します。つねに革新を求めつつ、自然や風土に根ざし、光と陰影をとりこんで豊かな表情を見せるサーリネンのデザインは、生活のあり方を一歩立ち止まって考え直す時を迎えている今の私たちの心に深く語りかけるでしょう。
(おだちれいこ)
●こちらのブログもぜひお読みください
2021年06月18日『王聖美~気の向くままに展覧会逍遥第15回「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランドー建築・デザインの神話」展を訪れて』
●本日のお勧めは光嶋裕介です。
光嶋裕介 Yusuke KOSHIMA
"幻想都市風景2019-03"
2019年
和紙にインク、金箔(箔押し: 野口琢郎)
45.0×90.0cm
サインあり
作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
会場 パナソニック汐留美術館
会期:2021年7月3日(土)~9月20日(月)
開館時間:午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで)
※8月6日(金)、9月3日(金)は夜間開館 午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)
休館日:水曜日、8月10日(火)~13日(金)
会場構成:久保都島建築設計事務所
植田実先生にお誘いいただき、また、会場構成を行った久保都島建築設計事務所さんにもご案内いただき、展覧会に行って参りました。
サーリネンといえば、チューリップチェアが思い浮かびますが、今回はエーロ・サーリネンではなく、お父様のエリエル・サーリネンの展覧会です。
フィンランドの建築家といえばアルヴァ・アアルトが有名ですが、エリエル・サーリネンはさらに上の世代の、モダニズムの原点を築いたといわれる建築家です。
本展では、エリエル・サーリネンのフィンランド時代の建築写真や資料、図面、ドローイング、家具など貴重なものが展示されており、洗練されたデザイン、装飾、色彩の美しさをうかがい知ることができます。
興味深かったのは、サーリネンがアメリカに渡るきっかけとなった高層ビルの計画案で、高層ビルの上部がセットバックされていたり、垂直性が強調されているデザインは昨今よく見かけますが、この手法は1922年にサーリネンがシカゴ・トリビューン本社ビルの計画案で提案したものだそうです。残念ながら、この国際設計競技は2等だったため実現しませんでしたが、その後の高層ビルのデザインに影響を与えています。
その後サーリネンは一家でアメリカに渡り(エーロ13歳)、アメリカ・ミシガン州に「クランブルック・エデュケーショナル・コミュニティ」を建設。ドアノブから階段、校舎、ガーデンまで、その美しさは会場の外にある映像でよくわかりますので必見です。


美しい森と湖で知られる北欧の国フィンランド。日本でもファンの多いフィンランドのモダニズムの原点を築いたのがエリエル・サーリネン(1873-1950)です。サーリネンはヘルシンキ工科大学在学中に出会ったゲセリウスとリンドグレンと共同で設計事務所を設立し、1900年パリ万国博覧会フィンランド館の建築が好評を博して、みごとなデビューを果たします。初期の作風は、ナショナル・ロマンティシズムと称される、アール・ヌーヴォーの影響をうかがわせながらも民族の独自の文化的ルーツを表現した建築で、当時、独立を求めていたフィンランドの人々を鼓舞させるものでした。
3人はやがて、静かな自然のなかで暮らしながら協働し、芸術家たちと交流できる理想の生活の場として、ヴィトレスクをつくります。住宅、商業建築、公共建築、駅や都市のデザインと、次第に幅を広げていくサーリネンの設計活動は、20世紀前半の近代化と手を携えていました。その作風は、多様な文化を受け容れつつ民族のルーツを希求した初期のスタイルから、独自の形態を通じて新しいフィンランドらしさを提示しようというモダニズムへと展開します。
本展は、1923年の渡米までのフィンランド時代にスポットをあて、図面や写真、家具や生活のデザインといった作品資料の展示を通して紹介します。つねに革新を求めつつ、自然や風土に根ざし、光と陰影をとりこんで豊かな表情を見せるサーリネンのデザインは、生活のあり方を一歩立ち止まって考え直す時を迎えている今の私たちの心に深く語りかけるでしょう。
(おだちれいこ)
●こちらのブログもぜひお読みください
2021年06月18日『王聖美~気の向くままに展覧会逍遥第15回「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランドー建築・デザインの神話」展を訪れて』
●本日のお勧めは光嶋裕介です。
光嶋裕介 Yusuke KOSHIMA"幻想都市風景2019-03"
2019年
和紙にインク、金箔(箔押し: 野口琢郎)
45.0×90.0cm
サインあり
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
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ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
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営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
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