光嶋裕介「ART OSAKA 2021」に参加して

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皆さま、こんにちは、光嶋裕介です。
このたび、大阪・中之島にある中央公会堂で開催されたART OSAKA 2021の「ときの忘れもの」ブースにて個展を開催し、大変貴重な体験をさせてもらいました。歴史感じる上品な空間と幻想都市風景が響き合い、自分が描いたドローイング作品たちが独特な表情を獲得していたことに、興奮しました。やはり、絵は飾られる場所の空気と同化的になることを再確認しました。

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パンデミックによって全世界が同時変容する転換期にあって、アートの存在意義が問われているように感じる時間になりました。それは、生きることの喜びや意味について、改めてじっくり考える時間のように思えてなりません。自前の日常を自分たちで「つくる」こと。丁寧に、誠実に、生活を「つくる」こと。自分の身体が発するメッセージに耳を傾けて、心の声に素直に応答すること。そうした対話のきっかけがアートにはあるはずだ。なにごとも不確かな世界にあって、非言語的コミュニケーションが一層大切になってくる。お気に入りの1枚の絵画が日常生活に違った風を吹かせてくれる。見える世界の向こうにある、見えない世界を想像すること。アートは常にそうした超越的な世界との扉である。
3日間中央公会堂のアートフェア会場にいて、じつに多くの方々と建築家としてドローイングを描くことについて、描く敷地としての越前和紙の制作について、学びに満ちた楽しい対話がありました。マスクをしながらの会話でも、目が輝いていたのが深く印象に残っています。また、多くのご縁もいただき、本当にありがとうございました。
わたしは、今も描き続けています。毎日を懸命に生きるささやかな記録として、描き続けることでしか辿り着けない場所があり、そこからしか見えない風景があるということを信じて、ペンを握っています。わたしにとっての創造は、いつも身近な想像から始まり、他者との交流によって思いも寄らぬものに統合されるところにあります。ゆえに、幻想都市風景の旅はこれからも続くのです。この秋、10月1日から大阪の中津にあるNii Fine Artsギャラリーにて、6年ぶりの個展を開催させてもらいます。ぜひ、お近くの方は、新作を見に来てください。心よりお待ちしております。

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光嶋裕介(建築家)

■光嶋裕介(Yusuke KOSHIMA)
建築家、一級建築士。
1979年米国ニュージャージー州生。 87年に日本に帰国。 以降、カナダ(トロント)、 イギリス(マンチェスター)、 東京で育ち、最終的に 早稲田大学大学院修士課程建築学を 2004年に卒業。 同年にザウアブルッフ・ハットン・ アーキテクツ(ベルリン)に就職。 2008年にドイツより帰国し、 光嶋裕介建築設計事務所を主宰。 首都大学東京にて、助教(2012-15) 神戸大学にて、客員准教授(2015-) 桑沢デザイン研究所(2010-)、 日本大学短期大学部(2011-12)、 大阪市立大学(2013-)、 早稲田大学(2019-2019)、 名古屋工業大学(2017-2020)にて、常勤講師。
建築作品に《凱風館(神戸、2011)》、 《旅人庵(京都、2015)》、 《森の生活(長野、2018)》など多数著作に『増補 みんなの家。』(筑摩書房)、 『幻想都市風景』(羽鳥書店)、 『これからの建築』(ミシマ社)など多数

ART OSAKA 2021
オンラインビューイングサイト「360 art room」にART OSAKA 2021の展示の様子が掲載されています。
ときの忘れものからは「光嶋裕介展」がご覧いただけます。
スクリーンショット (525)


●本日のお勧め作品は光嶋裕介です。
koshima_2021_PASTEL3光嶋裕介 Yusuke KOSHIMA
《幻想都市風景-2021PASTEL-3》 
※画像をクリックすると拡大します。
2021年
紙にインク、パステル
イメージサイズ:31.5×21.0cm
シートサイズ:34.4×25.2cm
サインあり
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