柳正彦さんよりパリ<包まれた凱旋門>第四信

クリスト! ジャンヌ=クロード!「包まれた凱旋門、パリ、1961-2021」・・・観に来たよ!(その4) 

凱旋門に近づき、巨大なアーチの中に足を踏み入れると、そこは、布のドレープに囲まれた別世界。
1-1 (1)
1-1 (2)
1-1 (3)
1-1 (4)
1-1 (5)
1-1 (6)

布にコーティングされたアルミに粉は、折り目部分や触れられた部分では剥げおちていき、布自体の青色が露出する仕掛けになっています。時間とともに、「包まれた凱旋門」の色合いが変化していきます。
1-2 (1)
1-2 (2)
1-2 (3)
1-2 (4)
1-2 (5)

太陽の日差しをうけて、優しく色合いを変えてゆく布は、夜になり、人工光に照らしだされると、メタリックな質感に変貌します。
1-3 (1)
1-3 (2)
1-3 (3)

日の出の少し前、空が明るくなり始めたこと、人工照明が落ち、「包まれた凱旋門」は、グレーに。太陽光に照らされるまで、休息しているようにも見えます。
1-4 (1)
1-4 (2)

1985年にクリストとジャンヌ=クロードが包んだ、ポン・ヌフのほとりでは、これまでのプロジェクトを紹介する野外写真展が開かれていました。
1-5 (1)
1-5 (2)
1-5 (3)
1-5 (4)
1-5 (5)
やなぎ まさひこ

柳正彦 Masahiko YANAGI
東京都出身。大学卒業後、1981年よりニューヨーク在住。ニュー・スクール・フォー・ソシアル・リサーチ大学院修士課程終了。在学中より、美術・デザイン関係誌への執筆、展覧会企画、コーディネートを行う。1980年代中頃から、クリストとジャンヌ=クロードのスタッフとして「アンブレラ」「包まれたライヒスターク」「ゲート」「オーバー・ザ・リバー」「マスタバ」の準備、実現に深くかかわっている。また二人の日本での展覧会、講演会のコーディネート、メディア対応の窓口も勤めている。
2016年秋、水戸芸術館で開催された「クリストとジャンヌ=クロード アンブレラ 日本=アメリカ合衆国 1984-91」も柳さんがスタッフとして尽力されました。

●柳正彦のエッセイ「アートと本、アートの本、アートな本、の話し」は毎月20日の更新です。今回は特別にパリ<包まれた凱旋門>について現地からのレポートをお願いしました。第一信第二信第三信と合わせてお読みください。

*画廊亭主敬白
ようやく、感染者が減り、緊急事態宣言が解除されました。それに伴いときの忘れものの年内の企画も(今頃ですが)決まりましたので、お知らせします。

『秋のコレクション展/オブジェ』:11月5日(金) ~ 11月20日(土) 
W.M.ヴォーリズの住宅に使われたクリスタルのドアノブ、辰野金吾の名建築奈良ホテルの屋根瓦など、自然物、工業製品、廃品、日用品など、それ自体はどこにでもあるものを、作家がそこに新たな命を吹き込み不思議なオーラを放っているオブジェ! の数々をご覧にいれます。
出品:倉俣史朗、塩見允枝子、篠田守男、W.M.ヴォーリズ、辰野金吾、草間彌生、宮脇愛子、堀内正和、加藤清之、福田繁雄、瀬木愼一、ヨシダ・ヨシエ、井桁裕子、建畠朔、尾川宏、常松大純、釣光穂、若林奮、関根伸夫、菅井汲、片岡昌、他
壁面には、倉俣史朗「カイエ」1集よりシルクスクリーン10点を展示します。

『U氏コレクション展』:11月26日(金) ~ 12月11日(土) 
建築界では誰ひとり知らない人はいないU氏はまた優れたコレクターの顔をお持ちです。
多数のコレクションの中からU氏自選の24点を出品し、カタログではそれぞれの思い出を綴っています。
出品作家:前川千帆(1888-1960)、谷中安規(1897-1946)、サルヴァドール・ダリ(1904-1989)、海老原喜之助(1904-1970)、一原有徳(1910-2010)、吉田政次(1917-1971)、ロイ・リキテンスタイン(1923-1997)、アンディ・ウォーホル(1928-1987)、草間彌生(b.1929)、木原康行(1932-2011)、磯崎新(b.1931)、[宮脇愛子](1929-2014)、森ヒロコ(1942-2017)、アルビン・ブルノフスキ(1935-1997)、横尾忠則(b.1936)、[倉俣史朗](1934-1991)、若林奮(1936-2003)、ティニ・ミウラ(b.1940)、関根伸夫(1942-2019)、井上直久(b.1948)、山本容子(b.1952)