<今日は、久しぶりに、東京。
文京区本駒込の「ときの忘れもの」さんで本日から始まった、「生誕100年 駒井哲郎展 Part 2 駒井哲郎と瀧口修造」へ。
瀧口修造、駒井哲郎共に大好きなのでこれはいかねばなりませぬ。
「ときの忘れもの」さんは、以前、青山にあった頃に伺ったことがあったけど、本駒込は初めて。
安東次男との詩画集『人それを呼んで反歌という』より全版画16点、瀧口修造の水彩とデカルコマニーなどの展示です。
久しぶりに、ねこ以外で展覧会に来た。背筋が伸びる思い。
今回の展示、図録もあります。
当然に、買う。
sato3rikuさんのinstagramより)>

「生誕100年 駒井哲郎展 Part 2 駒井哲郎と瀧口修造」
会期=2022年2月8日(火)~26日(土) 11:00-19:00 ※日・月・祝日は休廊
2月9日ブログに出品作品の詳細と価格を掲載しました。

若き日の駒井先生をいち早く評価したのは美術評論家の瀧口修造と春陽会の画家・岡鹿之助でした(下の写真、右から岡鹿之助、瀧口修造、駒井哲郎)。
図版3.「第17回オマージュ瀧口修造 駒井哲郎展」カタログより
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『生誕100年 駒井哲郎展』カタログより

今回の「生誕100年 駒井哲郎展 Part 2 駒井哲郎と瀧口修造」では瀧口修造の水彩、デカルコマニ―等を展示するとともに、カタログでは二人の関係について栗田秀法先生と土渕信彦さんに論じていただきました。

ブログでは既に一昨年12月から土渕さんが「駒井哲郎と瀧口修造」と題して4回にわたり文献調査に基づいた論考を執筆されています。
■土渕信彦「駒井哲郎と瀧口修造 前編」2020年11月23日ブログ
*<今回から2~3回、連載「瀧口修造の本」は休みをいただき、来春、ときの忘れもので開催を予定している「生誕100年 駒井哲郎展 Part 2 駒井哲郎と瀧口修造」の露払いとして、瀧口修造の駒井哲郎についての文献について述べます。
・文献1「反省と希望」(「1950年読売ベストスリー」、読売新聞1950年12月25日朝刊)
・文献2 私の推薦する作品 ―四月の展覧会から―(「みづゑ」1951年6月号)

■土渕信彦「駒井哲郎と瀧口修造 中編」2020年12月23日ブログ
・文献3 現代版画の問題 ―座談会― 瀧口修造 小野忠重 恩地孝四郎 駒井哲郎(発言順)(「みづゑ」1952年3月号)

■土渕信彦「駒井哲郎と瀧口修造 後編」2021年1月23日ブログ
・文献4 二つの銅版画個展(「美術批評」1953年3月号)
   駒井哲郎展(1・28~31 於資生堂)
   浜田知明展(1・27~31 於フォルム)
・文献5 銅版画の復活(「みづゑ」1955年4月号)

■土渕信彦「駒井哲郎と瀧口修造 補編」2021年2月23日ブログ
・関連資料 駒井哲郎「表現と素材」(「コスモス」1954年2月号)

瀧口修造の出品作品
瀧口修造_V-04(203)No.23 瀧口修造《Ⅴ- 04
墨、紙
32.5x24.5cm/35.5x25.0cm


瀧口修造_V-08(187)No.24 瀧口修造《Ⅴ- 08
1962年
水彩、インク、紙
21.0x33.5cm/29.0x37.5cm
裏面に年記、タイトルあり


瀧口修造_V-12(150)No.25 瀧口修造《Ⅴ- 12
デカルコマニー、紙
11.7x9.3cm/13.7x9.8cm


瀧口修造_V-21(127)No.26 瀧口修造《Ⅴ- 21
デカルコマニー、紙
19.7x13.7cm/19.7x13.7cm


瀧口修造_V-31(025)No.27 瀧口修造《Ⅴ- 31
デカルコマニー、紙
12.5x7.6cm/17.8x12.8cm


瀧口修造_V-44(065)No.28 瀧口修造《Ⅴ- 44
"デカルコマニー、紙
※『瀧口修造の造形的実験』(2001年)No.207と対
14.5x11.2cm/26.1x19.4cm

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瀧口修造(1903-1979)Shuzo TAKIGUCHI
富山県生まれ。詩人・美術評論家・造形作家。シュルレアリスムの紹介・普及に注力し、戦前戦後を通じ日本の前衛芸術の、理論的・精神的支柱といえる存在であった。慶應義塾大学在学中にA.ブルトン『超現実主義と絵画』を全訳。卒業後、36年頃まで映画製作所PCLに勤務。その傍ら、ブルトンらと文通し、シュルレアリスム関連文献の翻訳や美術評論を発表。37年、山中散生とともに「海外超現実主義作品展」を開催。多くの前衛芸術グループを指導したが、特高から危険視され、41年、検挙・拘留された。戦後、活動を再開。赤瀬川原平の「千円札裁判」(65~70年)では特別弁護人を務める。63年、架空の「オブジェの店」の開店を構想、店名の命名をデュシャンに依頼し、「ローズ・セラヴィ」を贈られる。最晩年までデュシャン研究に従事。
瀧口修造が駒井哲郎に参加を誘った『実験工房』については市川絢菜さんの「戦後現代美術の動向 第3回」をお読みください。

展示風景
代表作『人それを呼んで反歌という』の展示については2月13日ブログをご覧ください。
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左からパウル・クレー《恐ろしい夢》"Three Heads"


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左から長谷川潔《樹と村の小寺院》《ヴォルクスの村》


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恩地孝四郎《抒情五種3 慈に泪す》


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恩地孝四郎《水浴》


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左から瀧口修造"V-04"《短冊デッサン》(V-08)"V-44"


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左から瀧口修造"V-31""V-21""V-12"


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駒井哲郎《恩地孝四郎頌》


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駒井哲郎《影》版画集〈日本の四季〉より冬


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左から、駒井哲郎《丘》版画集〈日本の四季〉より春、《樹木》版画集〈日本の四季〉より秋


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駒井哲郎《岩礁》版画集〈日本の四季〉より夏


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番外:駒井哲郎《九つの夢から》12点組屏風


「生誕100年 駒井哲郎展 Part 2 駒井哲郎と瀧口修造」
会期=2022年2月8日(火)~26日(土) 11:00-19:00 ※日・月・祝日は休廊
2月9日ブログに出品作品の詳細と価格を掲載しました。
駒井哲郎と瀧口修造展DM
駒井表紙画像1280
「生誕100年 駒井哲郎展」カタログ

1,540円(税込み)+送料250円
A5変形、56ページ、
出品/駒井哲郎、瀧口修造、恩地孝四郎、長谷川潔、オディロン・ルドン、パウル・クレー
執筆/栗田秀法土渕信彦
編集・デザイン/柴田卓
発行/ときの忘れもの

2020年に銅版画の詩人と謳われた駒井哲郎(1920-1976)の生誕100年の記念展「Part1 若き日の作家とパトロン」を開催しました。
今回の「Part2 駒井哲郎と瀧口修造」では詩人・安東次男との詩画集『人それを呼んで反歌という』全点を展示するほか、その才能にいち早く注目した詩人・評論家の瀧口修造など駒井が影響を受けた作家たちの作品も合わせてご覧いただきます。

●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています。WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。