ご案内が遅くなってしまいましたが、町田市立国際版画美術館で「長谷川潔 1891-1980展 ― 日常にひそむ神秘 ―」が開催されています。

会期 2022年7月16日(土)~9月25日(日)
休館日:月曜日
*但し7/18(月)、9/19(月)の祝日は開館、
翌7/19(火)、9/20(火)は休館
会場:町田市立国際版画美術館
長谷川潔は1910年代半ばに文芸同人雑誌『仮面』の版画家として創作活動を開始、 1918年に日本を去って以来パリを拠点に活動した銅版画家です。サロン・ドートンヌやフランス画家・版画家協会に所属してパリの画壇で高く評価されたほか、フランスでは文化勲章、日本では勲三等瑞宝章を授与されるなど、芸術家としての功績がたたえられています。
国際版画美術館は2018年度にこの版画家の展覧会を開催しました。
本展はその時の展覧会をベースに、最初期の作品から1970年代の銅版画までを年代順に展示するとともに、関連作家の作品も展示し、全体を165点で構成するものです。また挿絵本の優品である仏訳の『竹取物語』について、挿絵頁を可能な限り多く展示します。
長谷川潔の深い精神性が反映された表現世界に今一度向き合ってみてください。(同館HPより)
日本の版画界を代表する二人の作品が町田(長谷川潔)と世田谷美術館(駒井哲郎 福原コレクション)にまとまって収蔵されいて、繰り返し見られることは重要です。
町田では、2019年にも長谷川潔展を開催していますが、このときは西山純子先生(千葉市美術館学芸員)に長谷川作品の魅力と初期から晩年に至る流れを詳細に論じていただきました。
(2019年3月24日ブログ/西山純子のエッセイ「パリに生きた銅版画家 長谷川潔展 ーはるかなる精神の高みへー」をご参照ください。>
駒井哲郎が生涯にわたり敬意をささげたのが長谷川潔でした。
<昨年表慶館の現代フランス版画展で久し振りに氏の作品に触れ感動をあらたにしたのですが、僕が長谷川氏の銅版画をはじめて見たのは未だ中学生の頃でした。その頃日曜日毎に麹町の西田さんのところへ通って銅版画の手ほどきを受けていたのですが、或日山とつまれた画集や版画や紙の間から大切そうに取り出して見せて下さったのでした。素晴らしいビュランの冴え、アクワタントとルーレットの織りなす巧緻なレース模様、マニエール・ノワールの妖しい花の静物等が静かな世界を展開しているのでした。そしてなんと云う見事な刷りなのでしょう。
長谷川潔については全然知らなかったのですが、巴里画壇で銅版画家として確固たる位置を占め毎年すぐれた作品を発表されていると云うことがだんだんと解って来ました。それから僕たち銅版画を少しずつでもやっているものにとっては、氏の存在は大きな一つの星であり、夢であり、誇りにすらなってしまったのでした。
すぐれた作品は時と場所とを超絶して大きな影響力を持つものです。しかも同一ジャンル、同時代、同民族のうちにそのようなすぐれた作者を持ち得るのは非常な幸せであり、励みであり、力でもあります。遠い巴里の地にあってたゆみない精進と、地味な努力を続けられる長谷川潔に対して僕等は誠にオマージュの心を禁じ得ません。
(後略)(1951年6月)
*駒井哲郎『白と黒の造形』(1989年小沢書店・新装版)158~159頁「長谷川潔の銅版画」より>
●ときの忘れもののコレクションから長谷川作品をご紹介します。
No.31 長谷川潔《樹と村の小寺院》
1959年
銅版(エッチング)
33.5x24.0cm/51.5x38.0cm
28/100
No.32 長谷川潔《ヴォルクスの村》
1927年
銅版(メゾチント)
20.1×28.0cm/33.0×46.0cm
11/50
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●中村哲医師とペシャワール会を支援する9月頒布会

9月11日ブログで「中村哲医師とペシャワール会を支援する9月頒布会」を開催しています。
今月はブルーも鮮やかなサイトウ良の作品を特集しています。申込み締め切りは9月20日19時です。皆様のご支援をお願いします。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊

会期 2022年7月16日(土)~9月25日(日)
休館日:月曜日
*但し7/18(月)、9/19(月)の祝日は開館、
翌7/19(火)、9/20(火)は休館
会場:町田市立国際版画美術館
長谷川潔は1910年代半ばに文芸同人雑誌『仮面』の版画家として創作活動を開始、 1918年に日本を去って以来パリを拠点に活動した銅版画家です。サロン・ドートンヌやフランス画家・版画家協会に所属してパリの画壇で高く評価されたほか、フランスでは文化勲章、日本では勲三等瑞宝章を授与されるなど、芸術家としての功績がたたえられています。
国際版画美術館は2018年度にこの版画家の展覧会を開催しました。
本展はその時の展覧会をベースに、最初期の作品から1970年代の銅版画までを年代順に展示するとともに、関連作家の作品も展示し、全体を165点で構成するものです。また挿絵本の優品である仏訳の『竹取物語』について、挿絵頁を可能な限り多く展示します。
長谷川潔の深い精神性が反映された表現世界に今一度向き合ってみてください。(同館HPより)
日本の版画界を代表する二人の作品が町田(長谷川潔)と世田谷美術館(駒井哲郎 福原コレクション)にまとまって収蔵されいて、繰り返し見られることは重要です。
町田では、2019年にも長谷川潔展を開催していますが、このときは西山純子先生(千葉市美術館学芸員)に長谷川作品の魅力と初期から晩年に至る流れを詳細に論じていただきました。
(2019年3月24日ブログ/西山純子のエッセイ「パリに生きた銅版画家 長谷川潔展 ーはるかなる精神の高みへー」をご参照ください。>
駒井哲郎が生涯にわたり敬意をささげたのが長谷川潔でした。
<昨年表慶館の現代フランス版画展で久し振りに氏の作品に触れ感動をあらたにしたのですが、僕が長谷川氏の銅版画をはじめて見たのは未だ中学生の頃でした。その頃日曜日毎に麹町の西田さんのところへ通って銅版画の手ほどきを受けていたのですが、或日山とつまれた画集や版画や紙の間から大切そうに取り出して見せて下さったのでした。素晴らしいビュランの冴え、アクワタントとルーレットの織りなす巧緻なレース模様、マニエール・ノワールの妖しい花の静物等が静かな世界を展開しているのでした。そしてなんと云う見事な刷りなのでしょう。
長谷川潔については全然知らなかったのですが、巴里画壇で銅版画家として確固たる位置を占め毎年すぐれた作品を発表されていると云うことがだんだんと解って来ました。それから僕たち銅版画を少しずつでもやっているものにとっては、氏の存在は大きな一つの星であり、夢であり、誇りにすらなってしまったのでした。
すぐれた作品は時と場所とを超絶して大きな影響力を持つものです。しかも同一ジャンル、同時代、同民族のうちにそのようなすぐれた作者を持ち得るのは非常な幸せであり、励みであり、力でもあります。遠い巴里の地にあってたゆみない精進と、地味な努力を続けられる長谷川潔に対して僕等は誠にオマージュの心を禁じ得ません。
(後略)(1951年6月)
*駒井哲郎『白と黒の造形』(1989年小沢書店・新装版)158~159頁「長谷川潔の銅版画」より>
●ときの忘れもののコレクションから長谷川作品をご紹介します。
No.31 長谷川潔《樹と村の小寺院》1959年
銅版(エッチング)
33.5x24.0cm/51.5x38.0cm
28/100
No.32 長谷川潔《ヴォルクスの村》1927年
銅版(メゾチント)
20.1×28.0cm/33.0×46.0cm
11/50
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●中村哲医師とペシャワール会を支援する9月頒布会

9月11日ブログで「中村哲医師とペシャワール会を支援する9月頒布会」を開催しています。
今月はブルーも鮮やかなサイトウ良の作品を特集しています。申込み締め切りは9月20日19時です。皆様のご支援をお願いします。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊
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