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李禹煥 Lee UFAN 《項 B
1979年 木版(和紙)作家自刷り
イメージサイズ:59.7×80.5cm
シートサイズ:73.5×106.0cm
Ed.30 サインあり
*レゾネNo.48
*1979年第11回東京国際版画ビエンナーレの京都国立近代美術館賞の受賞作品

李禹煥 Lee UFAN項B

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『李禹煥 全版画 Lee UFAN Prints 1970-2019』(2019年 阿部出版)に収録されている245点のうち、木版画は24点に過ぎない(1971年3点、74年5点、77年1点、78年6点、79年8点、87年1点)。
ほとんどが1970年代の制作で、中でも「項」シリーズの人気が高い。限定部数30部、作家自刷りです。
以前、磯崎新先生のエッセイ「内部風景シリーズについて」を再録し、第11回東京国際版画ビエンナーレに出品するためにわざわざアルフォトという金属版の技法で制作したことを紹介しましたが、李禹煥先生の木版画「項B」も同ビエンナーレに出品し受賞した作品です。

<池田満寿夫はじめ多くの版画家がデビューした「東京国際版画ビエンナーレ」は1957年に久保貞次郎先生たちの尽力で第一回展が開催されました。以後、60~70年代の版画の時代を象徴する国際展でした。
現代版画センターが創立されたのは1974年ですので、「東京国際版画ビエンナーレ」の時代とリンクします。
同展が最終回を迎えたのが1979年でした。
最後の第11回東京国際版画ビエンナーレは、おそらく事務局側が「これが最後だから」と思ったのでしょうか、かなり尖がった人選をし、内外から先鋭的な作家を多数招きました。
国内から選ばれたのは榎倉康二、萩原朔美、磯崎新、加納光於、河口龍夫、岡崎和郎、李禹煥、島州一、辰野登恵子、山中信夫、山本圭吾、倉俣史朗たちでした。
1979年という時代を考えると、凄い人選です。
1979年8月1日ブログより再録)>