スタッフSの海外ネットサーフィン No.113
Imprinting in Their Time: Japanese Printmakers, 1912–2022
Carnegie Museum of Art
読者の皆様こんにちは。日中気温が30℃を超えたり逆に20℃までしか上がらなかったりで、全く天気に落ち着きがない今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。肌寒い日もあるものの、5月に入って早々に寝る時はブランケット1枚に切り替え済みのスタッフSこと新澤です。

今回ご紹介するのは、アメリカ・ピッツバーグにあるカーネギー美術館です。
この美術館は、カーネギー・インスティテュートが運営する4つの博物館群の一つで、1895年に創設されたアメリカ初の現代美術館と言われており、パルテノン神殿を模した大理石製の彫刻展示空間や、建築の図面や模型の収集、研究、展示を専門に活動するハインツ建築センター(1993年設立)が特徴として知られています。また、2001年には地元の写真家チャールズ・"ティーニー"・ハリス(1908~1998)の8万枚のネガを財団から購入し、構築したアーカイヴをインターネット上で無料公開したことでも話題になりました。

そんなカーネギー美術館で、来月から通年で開催される長期イベントが「Imprinting in Their Time: Japanese Printmakers, 1912–2022」です。
この展覧会では、明治維新後の新版画から創作版画を経て現在に至るまで、日本の版画芸術の変遷を通して版画家の役割がどのように変化して来たのか、そして現代の版画家が、この何世紀にもわたる伝統技法を、現代の感覚と21世紀の技術に合わせて、どのように進歩させて行くのかを、美術館所蔵の2,000点以上のコレクションと個人コレクションを通じて考察する企画展です。出展作家は温故知新の故は川瀬巴水、吉田博、棟方志功、斎藤清の傑作から、新は浜西勝則や森村玲の新作まで、年間を通して2回の展示替えを通じて多数の作品が展示されます。
ときの忘れものに縁のある作家も川上澄生、前川千帆、内間安瑆等の作品が展示される予定のようです。

展示作品の一部。左下は《東京回顧図絵》より、川上澄生の《夜の銀座》。
カーネギー美術館は2009年の10月にも「Modern Japanese Prints: The Twentieth Century」というタイトルで同様の展覧会を開催しており、その際には延べ200頁、図版1,050点掲載の大カタログを出版しています。
展覧会期間中は展示作品に関係する技法のワークショップ等も企画されているので、向こう一年の内にピッツバーグを訪れる予定のある方は是非お出かけください。
10年一区切り、というわけでもないのですが、2013年の6月から連載してきたこの連載は今回が最終回となります。最初に画廊亭主に出自を活かして記事を書けと言われた時はどうしたものかと思ったものですが、どうにか今回までやって来れました。このような毒にも薬にもならない文章に長年お付き合いいただいた読者の皆様には、心からお礼申し上げます。
(しんざわ ゆう)
展覧会公式ページ(英文)
美術館公式ページ(英文)
●本日のお勧め作品は内間安瑆です。
内間安瑆
"FOREST BYOBU (TWILIGHT WEAVE) A"
1981年
木版
59.5×52.7cm
A.P.
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
Imprinting in Their Time: Japanese Printmakers, 1912–2022
Carnegie Museum of Art
読者の皆様こんにちは。日中気温が30℃を超えたり逆に20℃までしか上がらなかったりで、全く天気に落ち着きがない今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。肌寒い日もあるものの、5月に入って早々に寝る時はブランケット1枚に切り替え済みのスタッフSこと新澤です。

今回ご紹介するのは、アメリカ・ピッツバーグにあるカーネギー美術館です。
この美術館は、カーネギー・インスティテュートが運営する4つの博物館群の一つで、1895年に創設されたアメリカ初の現代美術館と言われており、パルテノン神殿を模した大理石製の彫刻展示空間や、建築の図面や模型の収集、研究、展示を専門に活動するハインツ建築センター(1993年設立)が特徴として知られています。また、2001年には地元の写真家チャールズ・"ティーニー"・ハリス(1908~1998)の8万枚のネガを財団から購入し、構築したアーカイヴをインターネット上で無料公開したことでも話題になりました。

そんなカーネギー美術館で、来月から通年で開催される長期イベントが「Imprinting in Their Time: Japanese Printmakers, 1912–2022」です。
この展覧会では、明治維新後の新版画から創作版画を経て現在に至るまで、日本の版画芸術の変遷を通して版画家の役割がどのように変化して来たのか、そして現代の版画家が、この何世紀にもわたる伝統技法を、現代の感覚と21世紀の技術に合わせて、どのように進歩させて行くのかを、美術館所蔵の2,000点以上のコレクションと個人コレクションを通じて考察する企画展です。出展作家は温故知新の故は川瀬巴水、吉田博、棟方志功、斎藤清の傑作から、新は浜西勝則や森村玲の新作まで、年間を通して2回の展示替えを通じて多数の作品が展示されます。
ときの忘れものに縁のある作家も川上澄生、前川千帆、内間安瑆等の作品が展示される予定のようです。

展示作品の一部。左下は《東京回顧図絵》より、川上澄生の《夜の銀座》。
カーネギー美術館は2009年の10月にも「Modern Japanese Prints: The Twentieth Century」というタイトルで同様の展覧会を開催しており、その際には延べ200頁、図版1,050点掲載の大カタログを出版しています。
展覧会期間中は展示作品に関係する技法のワークショップ等も企画されているので、向こう一年の内にピッツバーグを訪れる予定のある方は是非お出かけください。
10年一区切り、というわけでもないのですが、2013年の6月から連載してきたこの連載は今回が最終回となります。最初に画廊亭主に出自を活かして記事を書けと言われた時はどうしたものかと思ったものですが、どうにか今回までやって来れました。このような毒にも薬にもならない文章に長年お付き合いいただいた読者の皆様には、心からお礼申し上げます。
(しんざわ ゆう)
展覧会公式ページ(英文)
美術館公式ページ(英文)
●本日のお勧め作品は内間安瑆です。
内間安瑆"FOREST BYOBU (TWILIGHT WEAVE) A"
1981年
木版
59.5×52.7cm
A.P.
サインあり
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