村上早《カフカ》
2014年
銅版、雁皮刷り(リフトグランド)
イメージサイズ:100.0×135.0cm
シートサイズ:126.0×161.0cm
A.P.
サインあり
村上早(むらかみさき)という若い作家の名を知ったのは昨年、竹橋の東京国立近代美術館での新収蔵作品の展示ででした。
亭主はほとんど出歩かないし、公募展やコンクールの情報にも疎く、彼女が注目の版画作家だということをまったく知りませんでした。
略歴を見たらなんと同郷の群馬の人らしい。さっそく地元の画廊さんに頼んでコレクションすることができました。かなり大きな作品なのでまだ画廊に飾ったこともありません。
あるインタビューで彼女は自分の銅版画について次のように語っています。
<何を描くことが、自分を自然に出せるのだろうかと考えていたところ、それがちょうど銅版画の技法とうまく重なって、どんどん制作を進めるようになりました。
銅版画自体が、銅の金属に傷をつけて、その傷にインクをつめて、プレスする、という技法なのですが、銅板に傷をつけるという行為が、自分自身の制作に合っています。
作品は、「トラウマ」を扱っています。自分自身の記憶や過去の経験から、銅板自体が「人の心」で、その銅板につく傷が「人の心の傷」で、刷るときのインクが「血」で、擦り取る紙は、ガーゼや包帯、という意識を持って制作をします。
「人の心」としている銅板に傷をつけるという技法は、自虐と加虐を兼ね備えていると考えています。それは、人間は本能的に、人を傷つけたいし、傷つきます。銅板で制作を行うことが、それに重なると気づいたときに、銅版画を続けていきたい、と思うようになりました。>
題名に「カフカ」とありますが、チェコ出身の小説家フランツ・カフカのことでしょうか。
そういえば今年はカフカの生誕140年(1883年7月3日 - 1924年6月3日)ですね。
村上早《まわる》
2015年
銅版、雁皮刷り(リフトグランド)
イメージサイズ:118.0×150.0cm
シートサイズ:118.0×150.0cm
A.P. サインあり
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