杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」第95回
SWISSBAU

1月16日から19日まで、SWISSBAU(スイスバウ)というバーゼルで行われている建築メッセに行ってきました。
開催されている場所はスイスで最大の見本市会場。時計・宝石の展示販売であるバーゼルワールド、そしてアートバーゼルが行われるのと同じ会場です。建物自体は、バーゼルをはじめとして世界各国に拠点を持つ、ヘルツォークド・ムーロンが設計し増築しています。
広いスペースに大学からソフトウェア、建材まで様々な建築分野のブースが連なり、会期中にはワークショップやディスカッション、レクチャーも毎日のように行われています。会期の大半は平日にもかかわらず、多くの人で賑わっていました。
僕と言えば、アルプスの麓の街クールからバーゼルへやってきました。久々の都市では、まず人の多さに圧倒されます笑。メイン会場ではないのですが、その隣にあるブースにて、スイスの若手建築家として他の3事務所とともに、取り組んでいるプロジェクトについてプレゼンテーションをしました。僕たちが、スイスで若手建築家としてドイツ語でプレゼンしていると、やはり目新しさもあってか足を止めて、耳を傾けてくれる方も少なからずいました。

プレゼンをした計4つの事務所のうち、僕たち以外の事務所はバーゼルに事務所を構え、彼らのプロジェクトは、建材の転用をテーマにしていました。というよりも、彼らが参加していた設計コンペでは既存の別の場所で解体される建材を使うことが求められ、その部材の寸法形状、およびCADデータが配布され、それら建材を新しく組み替えながら作っていくことが共通条件してありました。つまり、全くゼロから何かを作り出すのではない。かといって既存の建物を改修するのでもない、移築して組み替えるようなものです。
こうした設計の兆候は僕の住んでいるアルプスの麓ではまだ、あまりメインで話されることのないテーマでしたが、既存のリソースである(経年し、解体を控えた建物)の多い都市部では、当たり前になりつつあるのかもしれません。
(すぎやま こういちろう)
■杉山幸一郎 SUGIYAMA Koichiro
日本大学、東京藝術大学大学院にて建築を学び、在学中にスイス連邦工科大学に留学。2014年から2021年までアトリエピーターズントー。現在、スイス連邦工科大学チューリッヒ校で設計を教える傍ら、建築設計事務所atelier tsuを共同主宰。2022年1月ときの忘れものにて初個展「杉山幸一郎展スイスのかたち、日本のかたち」を開催、カタログを刊行。
世の中に満ち溢れているけれどなかなか気づくことができないものを見落とさないように、感受性の幅を広げようと日々努力しています。
・ 杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は毎月10日の更新です。
●本日のお勧めは杉山幸一郎です。
≪Land & Water Relief 01≫
2023
リサイクルプラスチック、ワックス
9.8x11.3x2.cm
Signed
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

SWISSBAU

1月16日から19日まで、SWISSBAU(スイスバウ)というバーゼルで行われている建築メッセに行ってきました。
開催されている場所はスイスで最大の見本市会場。時計・宝石の展示販売であるバーゼルワールド、そしてアートバーゼルが行われるのと同じ会場です。建物自体は、バーゼルをはじめとして世界各国に拠点を持つ、ヘルツォークド・ムーロンが設計し増築しています。
広いスペースに大学からソフトウェア、建材まで様々な建築分野のブースが連なり、会期中にはワークショップやディスカッション、レクチャーも毎日のように行われています。会期の大半は平日にもかかわらず、多くの人で賑わっていました。
僕と言えば、アルプスの麓の街クールからバーゼルへやってきました。久々の都市では、まず人の多さに圧倒されます笑。メイン会場ではないのですが、その隣にあるブースにて、スイスの若手建築家として他の3事務所とともに、取り組んでいるプロジェクトについてプレゼンテーションをしました。僕たちが、スイスで若手建築家としてドイツ語でプレゼンしていると、やはり目新しさもあってか足を止めて、耳を傾けてくれる方も少なからずいました。

プレゼンをした計4つの事務所のうち、僕たち以外の事務所はバーゼルに事務所を構え、彼らのプロジェクトは、建材の転用をテーマにしていました。というよりも、彼らが参加していた設計コンペでは既存の別の場所で解体される建材を使うことが求められ、その部材の寸法形状、およびCADデータが配布され、それら建材を新しく組み替えながら作っていくことが共通条件してありました。つまり、全くゼロから何かを作り出すのではない。かといって既存の建物を改修するのでもない、移築して組み替えるようなものです。
こうした設計の兆候は僕の住んでいるアルプスの麓ではまだ、あまりメインで話されることのないテーマでしたが、既存のリソースである(経年し、解体を控えた建物)の多い都市部では、当たり前になりつつあるのかもしれません。
(すぎやま こういちろう)
■杉山幸一郎 SUGIYAMA Koichiro
日本大学、東京藝術大学大学院にて建築を学び、在学中にスイス連邦工科大学に留学。2014年から2021年までアトリエピーターズントー。現在、スイス連邦工科大学チューリッヒ校で設計を教える傍ら、建築設計事務所atelier tsuを共同主宰。2022年1月ときの忘れものにて初個展「杉山幸一郎展スイスのかたち、日本のかたち」を開催、カタログを刊行。
世の中に満ち溢れているけれどなかなか気づくことができないものを見落とさないように、感受性の幅を広げようと日々努力しています。
・ 杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は毎月10日の更新です。
●本日のお勧めは杉山幸一郎です。
≪Land & Water Relief 01≫2023
リサイクルプラスチック、ワックス
9.8x11.3x2.cm
Signed
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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