現代版画センターという事件
それは、日本の現代美術の一時代を画した事件であったと思います。2018年の埼玉県立近代美術館での現代版画センター展を機に寄稿させて頂いたブログです。

(20240319/西岡文彦さんのfacebookより)>
西岡文彦「現代版画センターという景色」
第1回 オークションの先駆性」

第2回 エディションの革新性
第3回 印刷メディアの記念碑性

先日のfacebookに初期スタッフだった西岡文彦さんが寄稿してくださいましたが、いまからちょうど50年まえの今日、品川の高輪プリンスホテルで現代版画センターの旗揚げオークションが開催されました。
まだ名称すら決まっておらず準備会の名での開催でした。

第一回東京オークション
1974年3月31日
会場:東京・高輪プリンスホテル
主催:全国版画コレクターの会(仮称)準備会
19740331現代版画センター第一回オークション201712061312722_00002左からスタッフの有沢小百合さん、事務局次長として一切を取り仕切った橋本凌一さん、スタッフの北条恵子さん、小コレクターの会の名物フリ師であり、中年べ平連の活動家でもあったサントリー宣伝部の藤本義一さん、事務局長の小学校教師・尾崎正教先生。

19740331現代版画センター第一回オークション20171206131722_00003MORIOKA第一画廊の上田浩司さんはじめ全国各地から駆けつけてくださった皆さんがやがて各地での支部結成、頒布会やオークションの開催に尽力してくださいました。

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機関誌『画譜』創刊準備号 1974年3月15日発行 表紙画像はシルクスクリーンの刷り師・岡部徳三先生

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『画譜』創刊準備号より

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『画譜』創刊準備号より

今年2024年は、ブルトンがシュルレアリスム宣言を発表してからちょうど100年。日本におけるシュルレアリスム運動を牽引したお二人、西脇順三郎の生誕130年、瀧口修造の生誕120年にもあたります。
それと同列に書くのはいささか躊躇しますが、ときの忘れものの原点である現代版画センター創立からちょうど50年です(1974年創立、1985年倒産、1995年ときの忘れもの開廊)。版元として版画やマルチプル制作をお願いした作家は関根伸夫、菅井汲、元永定正、難波田龍起、舟越保武、ジョナス・メカスはじめ100人余、エディション作品は1000点を超します。
最も多くのエディションを制作してくださったのは磯崎新先生でした。
今年は1月オノサト・トシノブ、2月草間彌生、百瀬寿、3月ウォーホル、4月瀧口修造に続き、内間安瑆、宮脇愛子、靉嘔、柳澤紀子、北川民次、駒井哲郎など、50年の間に協働した作家の方々の展示を企画していきたいと考えています。
皆様の変わらぬご愛顧をお願いする次第です。

●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com 
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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