連休の初日、ある画家のご遺族を訪ねて山形まで行ってまいりました。
少し前まではあれほど不便だったのが、新幹線のおかげで車窓から新緑を楽しみながらの快適な旅でした。
ふと、60年ほど前(大学時代)、先輩に連れられて飯豊連峰に挑戦したことを思い出しました。
夜行で小国まで行き、トラックに乗っけてもらい麓にたどり着いてからが大変でした。一気に800メートルほど登り、激しい風が吹く峻険な尾根を行くのですが、結局体力の限界で、優しい先輩の配慮ですごすごと撤退し、麓の小屋で一泊して帰ってきました。
亭主の育った群馬県嬬恋村は浅間や白根など2000メートル級の山はいくつもあり、山歩きは慣れていたと思ったのですが、飯豊連峰はけた違いの難所でした。
お訪ねした画家のお宅では主に戦前(1930年代)の作品をたくさん見せていただきました。
100年近く前の作品をきちんと整理し、大切に保管されてきたご遺族の愛情が身に沁みました。
画廊では32歳で夭折した難波田史男の遺作展を開催中ですが、本日はあらたにコレクションに加わった20世紀と21世紀を代表する女性作家ソニア・ドローネーと草間彌生の銅版画をご紹介します。
草間彌生先生は、1929年3月22日生まれということで、先月95歳のお誕生日を迎えられました。おめでとうございます! いまも現役で活躍される草間先生の貴重な銅版画が入荷しましたので、ぜひ皆さまのコレクションに加えてください。状態カンペキです!




草間彌生
《無限の網》
1953-1984年
エッチング
イメージサイズ:30.0×20.0cm
シートサイズ:54.5×40.0cm
Ed.20
サインあり
※レゾネNo.56(阿部出版 2005年新版)
草間彌生 Yayoi KUSAMA
1929年長野県生まれ。49年京都市立美術工芸学校卒。57年渡米。無限に増殖する網や水玉の作品を制作、ソフトスカルプチャーなど環境彫刻の先駆けをなし、ボディペインティング、反戦運動など多数のハプニングを行う。75年帰国。93年ベネチア・ビエンナーレに参加。98-99年ニューヨークMoMA他で大回顧展が巡回し、20世紀の最も優れた女性作家の評価を決定的にした。2004年には【クサマトリックス】(森美術館)と【草間彌生―永遠の現在】(東京国立近代美術館)の二つの大展覧会が開催された。2000年芸術選奨文部大臣賞、2001年朝日賞、2006年高松宮殿下記念世界文化賞(第18回)を受賞。草間さんが版画を発表したのは帰国後の79年からですが、当初は全く売れませんでした。版元の私たちには辛いことでしたが、草間さんの自作に寄せる自信は揺るぎないものでした。これだけ自己の才能を信じられる作家はそうはいない。バブル崩壊で男が自信喪失する中、経済的にも力をつけてきた女性達が、抑圧された女性の才能をアートで開花させた草間さんに圧倒的な支持を寄せ、空前の草間ブームを呼んだのはご承知の通りです。
★ ★ ★
そして、20世紀を代表する女性作家としてソニア・ドローネーの銅版画もご紹介いたします。
現在、京都市京セラ美術館で開催中の「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」ではドローネー夫妻の大作が展示されており、色彩豊かな抽象絵画を堪能することができます。
今回ご紹介するのはソニア・ドローネーのパッチワークのような可愛らしい銅版画です。





ソニア・ドローネー
《コンポジション》
1971年プリント
カラーアクアチント
49.5×40.0cm
Ed.125
サインあり
ソニア・ドローネー Sonia DELAUNAY(1885~1979)
20世紀の前衛画家の中で女性として大きな足跡を残したソニア・ドローネー。画廊亭主は、昔、新聞社時代、お昼時に歩いて数分の竹橋の国立近代美術館によく通った。常設展示されていた夫のロベールの細長い「リズムー螺旋」を見るのが楽しみだった。ソニアとロベールの二人展が開かれたのも同美術館だった。新聞社を辞めて美術の世界に入ってから、パリに出張する機会が増えた。ロベールとソニアの夫婦の作品にたくさんめぐり合うことができた。ちょうど1980年代後半、パリにはソニアの作品を専門に扱う大きなギャラリーがあり、そこで彼女のテキスタイル作品、花瓶などのセラミック作品、そして版画を買い込んだものだ。ロシアのウクライナに生れたソニア・テルク(1885-1979)は、カールスルーエで絵を習い始め、1905年にパリに出て、アカデミー・ド・ラ・パレットで、アメデ・オザンファンやスゴンザックとともに学んだ。1910年ロベール・ドローネー(Robert Delaunay, 1885年-1941年)と結婚した。パリ生まれのロベールはワシリー・カンディンスキー(ロシア)、ピエト・モンドリアン(オランダ)とともに抽象絵画の先駆者の一人であり、リズムと色彩に満ちた画風は「オルフィスム」といわれた。エッフェル塔を描いた連作はよく知られている。夫妻はともにディアギレフのロシア・バレエに協力し、彼女は衣装を担当した。ロベールより長命だったソニアは、油彩だけでなく、テキスタイルや版画など多方面にその才能を開花させた。特に色彩豊かな版画作品(リトグラフ、銅版)は素晴らしい。(画廊亭主の昔話より)
★ ★ ★
作品にご興味のある方は、メールまたは電話でお問合せください。
ときの忘れもの 03-6902-9530 info@tokinowasuremono.com
お待ちしております。
(スタッフM)

ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
少し前まではあれほど不便だったのが、新幹線のおかげで車窓から新緑を楽しみながらの快適な旅でした。
ふと、60年ほど前(大学時代)、先輩に連れられて飯豊連峰に挑戦したことを思い出しました。
夜行で小国まで行き、トラックに乗っけてもらい麓にたどり着いてからが大変でした。一気に800メートルほど登り、激しい風が吹く峻険な尾根を行くのですが、結局体力の限界で、優しい先輩の配慮ですごすごと撤退し、麓の小屋で一泊して帰ってきました。
亭主の育った群馬県嬬恋村は浅間や白根など2000メートル級の山はいくつもあり、山歩きは慣れていたと思ったのですが、飯豊連峰はけた違いの難所でした。
お訪ねした画家のお宅では主に戦前(1930年代)の作品をたくさん見せていただきました。
100年近く前の作品をきちんと整理し、大切に保管されてきたご遺族の愛情が身に沁みました。
画廊では32歳で夭折した難波田史男の遺作展を開催中ですが、本日はあらたにコレクションに加わった20世紀と21世紀を代表する女性作家ソニア・ドローネーと草間彌生の銅版画をご紹介します。
草間彌生先生は、1929年3月22日生まれということで、先月95歳のお誕生日を迎えられました。おめでとうございます! いまも現役で活躍される草間先生の貴重な銅版画が入荷しましたので、ぜひ皆さまのコレクションに加えてください。状態カンペキです!




草間彌生
《無限の網》
1953-1984年
エッチング
イメージサイズ:30.0×20.0cm
シートサイズ:54.5×40.0cm
Ed.20
サインあり
※レゾネNo.56(阿部出版 2005年新版)
草間彌生 Yayoi KUSAMA
1929年長野県生まれ。49年京都市立美術工芸学校卒。57年渡米。無限に増殖する網や水玉の作品を制作、ソフトスカルプチャーなど環境彫刻の先駆けをなし、ボディペインティング、反戦運動など多数のハプニングを行う。75年帰国。93年ベネチア・ビエンナーレに参加。98-99年ニューヨークMoMA他で大回顧展が巡回し、20世紀の最も優れた女性作家の評価を決定的にした。2004年には【クサマトリックス】(森美術館)と【草間彌生―永遠の現在】(東京国立近代美術館)の二つの大展覧会が開催された。2000年芸術選奨文部大臣賞、2001年朝日賞、2006年高松宮殿下記念世界文化賞(第18回)を受賞。草間さんが版画を発表したのは帰国後の79年からですが、当初は全く売れませんでした。版元の私たちには辛いことでしたが、草間さんの自作に寄せる自信は揺るぎないものでした。これだけ自己の才能を信じられる作家はそうはいない。バブル崩壊で男が自信喪失する中、経済的にも力をつけてきた女性達が、抑圧された女性の才能をアートで開花させた草間さんに圧倒的な支持を寄せ、空前の草間ブームを呼んだのはご承知の通りです。
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そして、20世紀を代表する女性作家としてソニア・ドローネーの銅版画もご紹介いたします。
現在、京都市京セラ美術館で開催中の「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」ではドローネー夫妻の大作が展示されており、色彩豊かな抽象絵画を堪能することができます。
今回ご紹介するのはソニア・ドローネーのパッチワークのような可愛らしい銅版画です。





ソニア・ドローネー
《コンポジション》
1971年プリント
カラーアクアチント
49.5×40.0cm
Ed.125
サインあり
ソニア・ドローネー Sonia DELAUNAY(1885~1979)
20世紀の前衛画家の中で女性として大きな足跡を残したソニア・ドローネー。画廊亭主は、昔、新聞社時代、お昼時に歩いて数分の竹橋の国立近代美術館によく通った。常設展示されていた夫のロベールの細長い「リズムー螺旋」を見るのが楽しみだった。ソニアとロベールの二人展が開かれたのも同美術館だった。新聞社を辞めて美術の世界に入ってから、パリに出張する機会が増えた。ロベールとソニアの夫婦の作品にたくさんめぐり合うことができた。ちょうど1980年代後半、パリにはソニアの作品を専門に扱う大きなギャラリーがあり、そこで彼女のテキスタイル作品、花瓶などのセラミック作品、そして版画を買い込んだものだ。ロシアのウクライナに生れたソニア・テルク(1885-1979)は、カールスルーエで絵を習い始め、1905年にパリに出て、アカデミー・ド・ラ・パレットで、アメデ・オザンファンやスゴンザックとともに学んだ。1910年ロベール・ドローネー(Robert Delaunay, 1885年-1941年)と結婚した。パリ生まれのロベールはワシリー・カンディンスキー(ロシア)、ピエト・モンドリアン(オランダ)とともに抽象絵画の先駆者の一人であり、リズムと色彩に満ちた画風は「オルフィスム」といわれた。エッフェル塔を描いた連作はよく知られている。夫妻はともにディアギレフのロシア・バレエに協力し、彼女は衣装を担当した。ロベールより長命だったソニアは、油彩だけでなく、テキスタイルや版画など多方面にその才能を開花させた。特に色彩豊かな版画作品(リトグラフ、銅版)は素晴らしい。(画廊亭主の昔話より)
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作品にご興味のある方は、メールまたは電話でお問合せください。
ときの忘れもの 03-6902-9530 info@tokinowasuremono.com
お待ちしております。
(スタッフM)

ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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