「刷り師・石田了一の仕事」第3回「シルクロードの旅1」
石田了一
絹の道(シルクロード)の旅、まずは夏休みの絵日記のように始まります。
今から 61 年前、1963 年(昭和 38 年)高1の夏、自転車で北海道一周。最東端の根室から反時計回りで海岸線をなぞる、20 日間 2,295 キロの旅です。
8 月 3 日は、函館から⾧万部まで 110 キロを走破。当時は、国道でも市街地を除けば舗装されていない砂利道が殆どでした。
タイムスケジュールは、もちろんガリ版(謄写版)刷り。
函館 7:45 → (43 K) → 11:40 森 12:15 → (34 K)→15:10 八雲 15:50 → (33 K)→ 18:00 ⾧万部
朝は函館駅の日本食堂でトーストと牛乳、昼は森で天丼、八雲で氷水(かき氷)、夜は⾧万部でラーメン。こづかい帳には、牛乳64円(4 本)、トースト30円、天丼80円、氷水(かき氷)30円、ジュース10円,ガム20円、ラーメン70円とありました。
前日の宿は函館駅前芝草ホテル(野宿)。この日の宿は⾧万部ステーションホテル(駅のベンチ)です。
帰り道は、鳥のように蝶のように体内時計に導かれて、函館からの 860 キロを 8 日かけて出発地(根室)まで走り続けたのでした。

ガリ版(謄写版)刷りの全行程のタイムスケジュール。
使い込んだ形跡がないので、これは取り置き用のプリントか。

1963 年 8 月 3 日 函館駅にて。
短パンにしてから 3 日目なので、足はそれほど焼けていない。
その後、一週間ほどの日射で太ももの上部は日焼けし、不毛地帯となった。

1963 年 8 月 2 日 大森海岸から函館山を望む。
函館といえばイカ。天日干しのスルメづくり。

1963 年 8 月 8 日 今の国道 336 号線 生花苗(いくかない)から大津への道
道を尋ねた農家で生卵 2 個ご馳走になる。草が絡まってなかなか進まない、止まるとアブ
の来襲。十勝川河口・旅来に無料の渡し舟があった。

1963 年 8 月 7 日 襟裳の海岸にて
エリモの子供たち
そして、この 13 年後、1976 年の夏は菅井汲・新作 21 点の刷りでひたすら疾走! 版画センターニュースには、その奮闘記?を寄せていました。
(※クリックして拡大)

時代ですね、何となく赤いテントが見え隠れしています。こうして、道草ばかりのシルクロードの旅は続きます。
(いしだりょういち)
■石田了一(いしだりょういち)
シルクスクリーン刷り師・石田了一工房主宰
1947年北海道根室生まれ、1970 年美學校で岡部徳三氏に師事。
1971年、宇佐美圭司展(南画廊)で発表された<ボカシの 40 版>の版画で工房をスタート。これまでにアンディ・ウォーホル、安藤忠雄、磯崎新、草間彌生、熊谷守一、倉俣史朗、
桑山忠明、五味太郎、 菅井汲、関根伸夫、田名網敬一、寺山修司、鶴田一郎、萩原朔美、
毛綱毅曠、元永定正、脇田愛二郎、脇田和 他 ,
様々なジャンルのアーティストのシルクスクリーン作品を手掛ける。
●新連載「刷り師・石田了一の仕事」は毎月3日の更新です。次回は2024年9月3日を予定しています。どうぞお楽しみに。
●本日のお勧め作品は菅井汲です。
《シグナルC》
1976年
シルクスクリーン(刷り:石田了一)
イメージサイズ:33.0×19.0cm
シートサイズ:40.5×28.5cm
Ed.150
サインあり
※現代版画センター・エディション
※レゾネNo251(阿部出版)
作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●「杣木浩一×宮脇愛子」展カタログを刊行
ときの忘れもの 2024年 25.7×17.2㎝ 24P
執筆:杣木浩一
図版:26点掲載(杣木浩一13点、宮脇愛子13点)
編集:尾立麗子(ときの忘れもの)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
価格:1,100円(税込み)+送料250円
オンラインでも販売中です。
●取り扱い作家たちの展覧会情報(7月ー8月)は7月1日ブログに掲載しました。
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

石田了一
絹の道(シルクロード)の旅、まずは夏休みの絵日記のように始まります。
今から 61 年前、1963 年(昭和 38 年)高1の夏、自転車で北海道一周。最東端の根室から反時計回りで海岸線をなぞる、20 日間 2,295 キロの旅です。
8 月 3 日は、函館から⾧万部まで 110 キロを走破。当時は、国道でも市街地を除けば舗装されていない砂利道が殆どでした。
タイムスケジュールは、もちろんガリ版(謄写版)刷り。
函館 7:45 → (43 K) → 11:40 森 12:15 → (34 K)→15:10 八雲 15:50 → (33 K)→ 18:00 ⾧万部
朝は函館駅の日本食堂でトーストと牛乳、昼は森で天丼、八雲で氷水(かき氷)、夜は⾧万部でラーメン。こづかい帳には、牛乳64円(4 本)、トースト30円、天丼80円、氷水(かき氷)30円、ジュース10円,ガム20円、ラーメン70円とありました。
前日の宿は函館駅前芝草ホテル(野宿)。この日の宿は⾧万部ステーションホテル(駅のベンチ)です。
帰り道は、鳥のように蝶のように体内時計に導かれて、函館からの 860 キロを 8 日かけて出発地(根室)まで走り続けたのでした。

ガリ版(謄写版)刷りの全行程のタイムスケジュール。
使い込んだ形跡がないので、これは取り置き用のプリントか。

1963 年 8 月 3 日 函館駅にて。
短パンにしてから 3 日目なので、足はそれほど焼けていない。
その後、一週間ほどの日射で太ももの上部は日焼けし、不毛地帯となった。

1963 年 8 月 2 日 大森海岸から函館山を望む。
函館といえばイカ。天日干しのスルメづくり。

1963 年 8 月 8 日 今の国道 336 号線 生花苗(いくかない)から大津への道
道を尋ねた農家で生卵 2 個ご馳走になる。草が絡まってなかなか進まない、止まるとアブ
の来襲。十勝川河口・旅来に無料の渡し舟があった。

1963 年 8 月 7 日 襟裳の海岸にて
エリモの子供たち
そして、この 13 年後、1976 年の夏は菅井汲・新作 21 点の刷りでひたすら疾走! 版画センターニュースには、その奮闘記?を寄せていました。
(※クリックして拡大)

時代ですね、何となく赤いテントが見え隠れしています。こうして、道草ばかりのシルクロードの旅は続きます。
(いしだりょういち)
■石田了一(いしだりょういち)
シルクスクリーン刷り師・石田了一工房主宰
1947年北海道根室生まれ、1970 年美學校で岡部徳三氏に師事。
1971年、宇佐美圭司展(南画廊)で発表された<ボカシの 40 版>の版画で工房をスタート。これまでにアンディ・ウォーホル、安藤忠雄、磯崎新、草間彌生、熊谷守一、倉俣史朗、
桑山忠明、五味太郎、 菅井汲、関根伸夫、田名網敬一、寺山修司、鶴田一郎、萩原朔美、
毛綱毅曠、元永定正、脇田愛二郎、脇田和 他 ,
様々なジャンルのアーティストのシルクスクリーン作品を手掛ける。
●新連載「刷り師・石田了一の仕事」は毎月3日の更新です。次回は2024年9月3日を予定しています。どうぞお楽しみに。
●本日のお勧め作品は菅井汲です。
《シグナルC》1976年
シルクスクリーン(刷り:石田了一)
イメージサイズ:33.0×19.0cm
シートサイズ:40.5×28.5cm
Ed.150
サインあり
※現代版画センター・エディション
※レゾネNo251(阿部出版)
作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●「杣木浩一×宮脇愛子」展カタログを刊行
ときの忘れもの 2024年 25.7×17.2㎝ 24P執筆:杣木浩一
図版:26点掲載(杣木浩一13点、宮脇愛子13点)
編集:尾立麗子(ときの忘れもの)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
価格:1,100円(税込み)+送料250円
オンラインでも販売中です。
●取り扱い作家たちの展覧会情報(7月ー8月)は7月1日ブログに掲載しました。
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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