この秋、珍しく(初めてかも)画廊を「臨時休廊」して、水戸へ社員旅行に行ってきました。スタッフKによる社員旅行のレポートをお送りします。
2025年11月1日に初の!ときの忘れもの社員旅行として磯崎新設計の「水戸芸術館」へ行って参りました。
この日は磯崎先生の大回顧展「群島としての建築」の初日です。
いつも震源が茨城での地震速報の時にテレビに映し出されるニョロニョロの塔はかなり前から知ってはいましたが、今回が初めての訪問でした。
実際に訪れてみると、高い建物ではなく平屋の様な建物が箱庭さながらキッチリと収まっている空間でした。圧迫感がなく、広々としていて良く手入れされた青芝で子供達が転がってはしゃいでました。
内部空間もアートと音楽とグルメの空間が分断されることなく繋がっているのは面白いと思いました。
私は版画を制作されている磯崎先生の一部のお仕事しか関わっておりませんでしたが、そのイメージが定着されるまでに膨大なバックグランドがあってのあの作品なのだと会場に並べられた資料や映像から読み取ることが出来ました。
石田了一さんの刷られたシルクスクリーンの部屋は圧巻でシャープなエッジ、鮮やかな色彩、透明感のある空の色!
刷り師・石田了一さんと、自身が刷った磯崎新版画とともに
磯崎新先生の格言
「建築は残らないが、版画(紙)は残る」
まさにフレッシュ!数々の建築が生き生きと輝いていました。
石田さんを前にみんなが一斉に写真撮影。貴重な一枚となりました。
あと、興味深かったのは木製の模型。建築模型というとプラスチックなどの素材でつくられたものが多い中、すべてが木材で作られているのは珍しいと思いました。
元アトリエのスタッフの方によると、元金型職人さんだった石黒さんという方がメインで製作されていたそうです。
丹下健三事務所が木で模型を作れる人をさがすように磯崎先生に言って連れてきた方との事。
反りやすい木材を緻密に組み合わせて組み立てるのは苦労するだろうなと金型を作るときのプレスの技術とかが生きてくるのでしょうか?
ジオラマ好きの自分としてはもっと時間があったら没入していたかったです。
食事の時間が迫っていたので、駆け足で館内にある中華のレストランへ、、、朝早かったのでかなりの空腹。
コンサート開演時間まで1時間、少し巻きで会話とお洒落な中華料理のコースを堪能しました。
おなかがいっぱいの状態でコンサート会場へ。
ホールは全ての角度から鑑賞できるような造りになっていて天井の照明の並びなど円の構成で造られてました。
今回は「水戸室内管弦楽団 第116回定期演奏会」を鑑賞しました。
ピアニストのルドルフ・ブッフビンダーのピアノを弾きながら指揮をする「弾き振り」も初めてみました。
ステージが近い座席だったので演奏者の息遣いや、アイコンタクトの様子がよく分かりました。調和させるっていうのは全身の機能を使うことなのだと些細な音が聞こえる間近でないと感じることが出来ないのでこちらも貴重な体験をさせて頂きました。生のオーケストラの音が心地良くすっかり浄化されました。
最後にあのニョロニョロの塔に登ろうという話になり、200円を払ってエレベーターで上部へ(地上100m水戸市制100年を記念して)。なんだかロケットの内部のようで途中の展望はなし。
エレベーターを降りると大小丸い小窓があってそこから覗き込む感じで景色が見れます。
ちょうど日没直後で地平線が赤く輝いていてまるで宇宙船の中から地球を見ている様でした。
初めての社員旅行は刷り師の石田了一ご夫妻はじめ元アトリエのスタッフの方やお客様などをお誘いし、皆様のお話を伺いながらのギュッと濃縮された学旅でありました!
(スタッフK)
●「磯崎新:群島としての建築」展
会期:2025年11月1日(土)~2026年1月25日(日)
会場:水戸芸術館
2022年末に逝去した建築家・磯崎新の没後、国内初となる大規模回顧展を開催します。当館設計者でもある磯崎は、20世紀を代表する最も創造的で先駆的な建築家として知られ、2019年に建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞しました。建築プロジェクトや都市計画にとどまらず、著作活動、芸術家や知識人とのコラボレーション、さらにはキュレトリアル・ワークを通じ、60年以上にわたり思想、美術、文化論や批評分野においても卓越した地位を確立しました。
磯崎は自身の著書『建築における「日本的なもの」』において、「グローバリゼーション状態のなかに沈殿物が発生し、これが〈しま〉をつくり、世界は無数の凝固の集合体としての、群島(アーキペラゴ)となるだろう。そのひとつの〈しま〉のつくりだされかたは、(中略)もっと多様に開発されねばなるまい」と記しています。この「群島(アーキペラゴ)」という概念はイタリアの哲学者マッシモ・カッチャーリの著書『L’arcipelago』(1997年)に端を発しています。磯崎はこの概念を構想の手がかりとし、自身の思想や実践における重要な空間概念として積極的に用いるようになりました。
「群島としての建築」と題した本展では、決して単一の領域にとどまらない磯崎の活動を「群島」の様に構成します。「都市」「建築」「建築物」「フラックス・ストラクチャー」「テンタティブ・フォーム」「建築外(美術)」をキーワードに、建築模型、図面、スケッチ、インスタレーション、映像、版画、水彩画などの様々なメディアを通じて、磯崎の軌跡を辿るとともに、自身が設計した水戸芸術館を舞台に、建築の枠を超えた磯崎の活動を俯瞰的に紹介します。
(水戸芸術館のHPより引用転載)
◆特集展示「磯崎新 版画展」
会期:2025年12月24日(水)―12月27日(土) 11:00-19:00
ときの忘れものでは4日間の短い会期ですが、磯崎新の版画を特集展示します。
私たちが版元に名乗りを上げ(現代版画センター)、神楽坂時代の磯崎アトリエを初めて訪ねたのは1976年でした。第一作の〈ヴィッラ〉シリーズ及び大作《空洞としての美術館》の誕生は1977年です。
以来、40数年にわたり版元として、磯崎版画の誕生に立ち会ってきました。
現代版画センターおよびときの忘れもののエディションだけで250点(種類)を超します。
本展では、シルクスクリーンや銅版画、木版画、ポスターなどをご覧いただきます。
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●ときの忘れものの建築空間(阿部勤 設計)についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。











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