本日1月12日は、野田英夫の命日です。
今から86年前の1939年1月12日に30歳という若さで野田英夫は亡くなりました。
1908年にアメリカ・カリフォルニア州で生まれ、3歳で熊本にいる叔父に預けられ、18歳でアメリカに戻り、ハイスクールを卒業後にカリフォルニア・ファイン・アーツに入学。メキシコの画家であるディエゴ・リベラにフレスコ壁画の技法を学びます。1932年には2歳年下のアメリカ女性ルース・ケルツと結婚。翌年にはディエゴ・リベラと再会し、NYのロックフェラー・センター内の大壁画の助手を務めました。(このときベン・シャーンやジャクソン・ポロックらも助手を務めていたそうです。)
カリフォルニア、NYと制作の場所を変えていましたが、1937年に帰国し、豊島区長崎東町のアトリエ村「池袋モンパルナス」に住み、北川民次や詩人の小熊秀雄らと交遊しました。1938年に体の不調があり脳腫瘍と判明。帝大病院(現・東大病院)に入院し手術するも効果がなく、翌1939年に亡くなりました。
作家活動としては10年にも満たないあまりにも短い生涯。
1939年1月14日付けのニューヨーク・タイムズには、彼の作品について「批評家たちが彼の後年の作品にパウル・クレーやジョアン・ミロのシュルレアリスムに近い、独特な 'ムード' を見出したことにより、その芸術的評価が高まっていた。」と報じたそうです。(1992年、熊本県立美術館「野田英夫そして多毛津忠蔵」展図録より引用)
竹橋の東京国立近代美術館には、野田英夫がモンタージュによって描いた名作「帰路」(1935年)が収蔵されています。松本竣介は二科展でこの作品を見て衝撃を受けたそうです。
開館当初から常設展によく飾られていたようなのでこちらもぜひチェックしてください。
(いまは展示されていないようですが、次回を楽しみに待ちましょう。
MOMATガイドスタッフ(解説ボランティア)による所蔵作品紹介&プチ所蔵品ガイドは、YouTubeで公開されています。)
野田英夫が描く線は、清らかでこぼれ落ちてしまいそうな儚い線が魅力です。
夭折の画家の絵をときの忘れものコレクションから3点ご案内いたします。

部分拡大
「作品」(出品No.2)
紙に水彩
25.4x30.9cm
*『松本竣介と野田英夫』図録
(2016年、大川美術館)p.23所収 No.38

部分拡大
「作品」(出品No.4)
紙にペン
33.7x26.3cm
*『松本竣介と野田英夫』図録
(2016年、大川美術館)p.13所収 No.39

部分拡大
「作品」(出品No.6)
紙にペン
18.8x24.4cm
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問合せください。
作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
(スタッフM)
■野田英夫(1908年7月15日 - 1939年1月12日)
1908年アメリカ合衆国、サンタクララ生まれ。3歳の時に熊本の叔父に預けられ、少年時代を過ごす。18歳でアメリカに戻り、ハイスクールを卒業後、カリフォルニア美術専門学校に入学。在学中にディエゴ・リベラの壁画制作を手伝う。美術学校を中退し、ニューヨーク北部のウッドスタック芸術村に住み、壁画・テンペラ画の研究をする。1932年ウッドスタック美術協会賞受賞。同年カリフォルニアに帰り、サンフランシスコ美術協会展、シカゴ協会展などに出品。
1934年再びニューヨークに移り、インデペンデント展、アメリカングループ展に出品し、知名度を高めた。リベラのロックフェラーセンターの壁画制作の助手を勤めるとともに大構図の造形法やその思想を学ぶ。1937年日本に帰国。第2回新制作協会展に出品、同会会員となる。翌1938年、銀座日動画廊で個展の後、体に変調を来たし、脳腫瘍と判明、手術の甲斐なく1939年1月死去。享年30。
●パリのポンピドゥーセンターでブルトンのシュルレアリスム宣言100年を記念して「シュルレアリスム展」が開催されています(~2025年1月13日まで)。ときの忘れものは同展に協力し瀧口修造のデカルコマニーを貸し出し、出展しています。展覧会の様子はパリ在住の中原千里さんの詳細なレポート(全4回)をお読みください。
カタログ『SURREALISME』(英語版、仏語版は売り切れ)を特別頒布しています。
サイズ:32.8×22.8×3.5cm、344頁 22,000円(税込み)+送料1,500円

◆松本莞著『父、松本竣介』(みすず書房)刊行記念展
会期:2025年1月8日(水)―1月18日(土)11:00-19:00 日・月・祝日休廊
*アトリエに遺された希少な素描9点、北荘画廊での遺作展ポスターはじめ竣介文献を出品します。

著者・松本莞
『父、松本竣介』
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
ときの忘れもので扱っています。
●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

今から86年前の1939年1月12日に30歳という若さで野田英夫は亡くなりました。
1908年にアメリカ・カリフォルニア州で生まれ、3歳で熊本にいる叔父に預けられ、18歳でアメリカに戻り、ハイスクールを卒業後にカリフォルニア・ファイン・アーツに入学。メキシコの画家であるディエゴ・リベラにフレスコ壁画の技法を学びます。1932年には2歳年下のアメリカ女性ルース・ケルツと結婚。翌年にはディエゴ・リベラと再会し、NYのロックフェラー・センター内の大壁画の助手を務めました。(このときベン・シャーンやジャクソン・ポロックらも助手を務めていたそうです。)
カリフォルニア、NYと制作の場所を変えていましたが、1937年に帰国し、豊島区長崎東町のアトリエ村「池袋モンパルナス」に住み、北川民次や詩人の小熊秀雄らと交遊しました。1938年に体の不調があり脳腫瘍と判明。帝大病院(現・東大病院)に入院し手術するも効果がなく、翌1939年に亡くなりました。
作家活動としては10年にも満たないあまりにも短い生涯。
1939年1月14日付けのニューヨーク・タイムズには、彼の作品について「批評家たちが彼の後年の作品にパウル・クレーやジョアン・ミロのシュルレアリスムに近い、独特な 'ムード' を見出したことにより、その芸術的評価が高まっていた。」と報じたそうです。(1992年、熊本県立美術館「野田英夫そして多毛津忠蔵」展図録より引用)
竹橋の東京国立近代美術館には、野田英夫がモンタージュによって描いた名作「帰路」(1935年)が収蔵されています。松本竣介は二科展でこの作品を見て衝撃を受けたそうです。
開館当初から常設展によく飾られていたようなのでこちらもぜひチェックしてください。
(いまは展示されていないようですが、次回を楽しみに待ちましょう。
MOMATガイドスタッフ(解説ボランティア)による所蔵作品紹介&プチ所蔵品ガイドは、YouTubeで公開されています。)
野田英夫が描く線は、清らかでこぼれ落ちてしまいそうな儚い線が魅力です。
夭折の画家の絵をときの忘れものコレクションから3点ご案内いたします。

部分拡大「作品」(出品No.2)
紙に水彩
25.4x30.9cm
*『松本竣介と野田英夫』図録
(2016年、大川美術館)p.23所収 No.38

部分拡大「作品」(出品No.4)
紙にペン
33.7x26.3cm
*『松本竣介と野田英夫』図録
(2016年、大川美術館)p.13所収 No.39

部分拡大「作品」(出品No.6)
紙にペン
18.8x24.4cm
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問合せください。
作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
(スタッフM)
■野田英夫(1908年7月15日 - 1939年1月12日)
1908年アメリカ合衆国、サンタクララ生まれ。3歳の時に熊本の叔父に預けられ、少年時代を過ごす。18歳でアメリカに戻り、ハイスクールを卒業後、カリフォルニア美術専門学校に入学。在学中にディエゴ・リベラの壁画制作を手伝う。美術学校を中退し、ニューヨーク北部のウッドスタック芸術村に住み、壁画・テンペラ画の研究をする。1932年ウッドスタック美術協会賞受賞。同年カリフォルニアに帰り、サンフランシスコ美術協会展、シカゴ協会展などに出品。
1934年再びニューヨークに移り、インデペンデント展、アメリカングループ展に出品し、知名度を高めた。リベラのロックフェラーセンターの壁画制作の助手を勤めるとともに大構図の造形法やその思想を学ぶ。1937年日本に帰国。第2回新制作協会展に出品、同会会員となる。翌1938年、銀座日動画廊で個展の後、体に変調を来たし、脳腫瘍と判明、手術の甲斐なく1939年1月死去。享年30。
●パリのポンピドゥーセンターでブルトンのシュルレアリスム宣言100年を記念して「シュルレアリスム展」が開催されています(~2025年1月13日まで)。ときの忘れものは同展に協力し瀧口修造のデカルコマニーを貸し出し、出展しています。展覧会の様子はパリ在住の中原千里さんの詳細なレポート(全4回)をお読みください。
カタログ『SURREALISME』(英語版、仏語版は売り切れ)を特別頒布しています。
サイズ:32.8×22.8×3.5cm、344頁 22,000円(税込み)+送料1,500円

◆松本莞著『父、松本竣介』(みすず書房)刊行記念展
会期:2025年1月8日(水)―1月18日(土)11:00-19:00 日・月・祝日休廊
*アトリエに遺された希少な素描9点、北荘画廊での遺作展ポスターはじめ竣介文献を出品します。

著者・松本莞『父、松本竣介』
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
ときの忘れもので扱っています。
●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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