今週のおすすめ作品・野田英夫「作品」

野田英夫
「作品」
紙に水彩
25.4x30.9cm
*『松本竣介と野田英夫』図録(2016年、大川美術館)p.23所収 No.38
*ときの忘れもの所蔵
今から117年前、1908年(明治41)7月15日アメリカ・カルフォルニア州サンタクララで日系アメリカ市民の子として野田英夫は生れました。日本とアメリカを往復し、自分の周辺の人々や風景を哀歓に満ちた筆致で描きだしましたが、脳腫瘍のため1939年1月僅か30歳で死去します。
松本竣介(野田英夫の四歳下)は、「藤田嗣治画集」「モヂリアニ画集」とともに野田英夫の作品集を手元に置いてくりかえし見返すなど、大きな影響を受けたそうです。
野田英夫の作家と作品については大谷省吾先生によるエッセイに詳しく綴られています。
連載の1回目で私は「アートはあくまで個人のもの、として引きこもってはならない。しかし社会のため、と称して多数派によりかかってもいけない。個と社会との間で葛藤し、引き裂かれながら、その痛みに耐え、とどまり続けるとき、それは私たちの心を打つのではないだろうか」と書いた。野田は前衛芸術にも関心を払ったが、「芸術のための芸術」に閉じていくことはなかった。しかし特定のイデオロギーを押し付けるような表現もとらなかった。市井の人々とともに生活を分かち合うことを望み、そして同時に、それが叶わぬこと、つまり自らが常に共同体の外部に位置付けられてしまうことへの、ある種の諦念をも併せ持っていた。野田が今日なお私たちを魅了するのは、この個と社会との間の複雑な想いを、誠実に表しているためであろう。
「野田英夫展によせて(1)」
「野田英夫展によせて(2)」
「野田英夫展によせて(3)」
「野田英夫展によせて(4)」
作品の詳細については下記アドレスまで「件名」「お名前」「連絡先(住所)」とご用件を記入してご連絡ください。
info@tokinowasuremono.com
お電話でのご連絡も受け付けております。
03-6902-9530
◆「ポートレイト/松本竣介と現代作家たち」展
2025年4月16日(水)~4月26日(土)11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
出品作家:松本竣介、野田英夫、舟越保武、小野隆生、靉嘔、池田満寿夫、宮脇愛子+マン・レイ、北川民次、ジャン・コクトーほか
●松本莞さんが『父、松本竣介』(みすず書房刊)を刊行されました。ときの忘れものでは莞さんのサインカード付本書を頒布するとともに、年間を通して竣介関連の展示、ギャラリートークを開催してゆく予定です。
『父、松本竣介』の詳細は1月18日ブログをお読みください。
ときの忘れものが今まで開催してきた「松本竣介展」のカタログ5冊も併せてご購読ください。
画家の堀江栞さんが、かたばみ書房の連載エッセイ「不手際のエスキース」第3回で「下塗りの夢」と題して卓抜な竣介論を執筆されています。
著者・松本莞
『父、松本竣介』
発行:みすず書房
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。


野田英夫
「作品」
紙に水彩
25.4x30.9cm
*『松本竣介と野田英夫』図録(2016年、大川美術館)p.23所収 No.38
*ときの忘れもの所蔵
今から117年前、1908年(明治41)7月15日アメリカ・カルフォルニア州サンタクララで日系アメリカ市民の子として野田英夫は生れました。日本とアメリカを往復し、自分の周辺の人々や風景を哀歓に満ちた筆致で描きだしましたが、脳腫瘍のため1939年1月僅か30歳で死去します。
松本竣介(野田英夫の四歳下)は、「藤田嗣治画集」「モヂリアニ画集」とともに野田英夫の作品集を手元に置いてくりかえし見返すなど、大きな影響を受けたそうです。
野田英夫の作家と作品については大谷省吾先生によるエッセイに詳しく綴られています。
連載の1回目で私は「アートはあくまで個人のもの、として引きこもってはならない。しかし社会のため、と称して多数派によりかかってもいけない。個と社会との間で葛藤し、引き裂かれながら、その痛みに耐え、とどまり続けるとき、それは私たちの心を打つのではないだろうか」と書いた。野田は前衛芸術にも関心を払ったが、「芸術のための芸術」に閉じていくことはなかった。しかし特定のイデオロギーを押し付けるような表現もとらなかった。市井の人々とともに生活を分かち合うことを望み、そして同時に、それが叶わぬこと、つまり自らが常に共同体の外部に位置付けられてしまうことへの、ある種の諦念をも併せ持っていた。野田が今日なお私たちを魅了するのは、この個と社会との間の複雑な想いを、誠実に表しているためであろう。
「野田英夫展によせて(1)」
「野田英夫展によせて(2)」
「野田英夫展によせて(3)」
「野田英夫展によせて(4)」
作品の詳細については下記アドレスまで「件名」「お名前」「連絡先(住所)」とご用件を記入してご連絡ください。
info@tokinowasuremono.com
お電話でのご連絡も受け付けております。
03-6902-9530
◆「ポートレイト/松本竣介と現代作家たち」展
2025年4月16日(水)~4月26日(土)11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
出品作家:松本竣介、野田英夫、舟越保武、小野隆生、靉嘔、池田満寿夫、宮脇愛子+マン・レイ、北川民次、ジャン・コクトーほか●松本莞さんが『父、松本竣介』(みすず書房刊)を刊行されました。ときの忘れものでは莞さんのサインカード付本書を頒布するとともに、年間を通して竣介関連の展示、ギャラリートークを開催してゆく予定です。
『父、松本竣介』の詳細は1月18日ブログをお読みください。
ときの忘れものが今まで開催してきた「松本竣介展」のカタログ5冊も併せてご購読ください。
画家の堀江栞さんが、かたばみ書房の連載エッセイ「不手際のエスキース」第3回で「下塗りの夢」と題して卓抜な竣介論を執筆されています。
著者・松本莞『父、松本竣介』
発行:みすず書房
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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